日々草創

「清く、楽しく、気持ち良く」、、、アホのままでもいいんです。

仮想現実

2009-06-14 | 日記
「マトリックス」という映画をご存じだろうか?

今まで現実だと思っていた世界が、実はコンピュータの反乱によって作られた仮想現実(マトリックス)であり、それに気が付いた少数の人間がそれらのコンピューターが創り上げたプログラムの中で、現実世界を取り戻すべく戦うというお話だ。

選ばれし特別な能力を持った主人公「ネオ」は、仮想現実(マトリックス)の中で、それらコンピューターが創り上げたプログラムに反した行動をする事が出来た。
身体を反らして銃弾を避ける有名なシーンは、そんな行動の代表的な場面と云えるだろう。
もし実際にそのような場面に遭遇したら、一般の人の目には残像さえ見えない程のスピードだったに違いない。
すごい能力である。

しかし、もし実際に現在この場で感じている視覚、嗅覚、聴覚、味覚、触覚すべてが幻想であり、人間以外の誰かによって創り上げられた世界だったら?
そんなことを考えた事がないだろうか?

実は、そんなマトリックスの存在を感じさせられるような場面に、僕は遭遇した事がある。

ずいぶん前になるが、名古屋の某クラブに電気グルーヴの石野卓球が回しにきていると聞き付けた友人と僕が、深夜にも関わらずその会場へ出撃した時のこと。

心を踊らせつつ会場に入ろうと並ぶ僕らの後方に、同じく会場へ入ろうとしている女の子3人組が、とても楽しそうにこんな会話をしていた。

「今夜は思いっきり弾けちゃうもんね~!」
「今日はみんなでメッチャ暴れちゃおうよ~」
「ウン、ウン、暴れちゃうぞ~!」

会場に入る時は誰でもテンションが上がるもので、ごく普通にありそうな会話である。

もちろんそんな他人の会話など気に留めてない僕らは、会場へ入るなりホールに乱入するが如くスイッチON!
そして我を忘れて踊りまくった。

息も上がって一頻り汗をかいた所で、バーカウンターへ行ってビールを飲みながら一服していた時、壁際でホールの盛り上がりをクールな眼差しで見つめる女の子3人組を見つけた。
そう、会場に入る時に熱い会話を交していた女の子達だ。

彼女達はつまらなそうに壁へもたれ、飲み物を片手に笑顔を見せる事も無く、一点をみつめるかのように立っている。

“つまらなかったのかな・・・”

フと、そんな事を思いつつも、特に気にも止めず僕らはもう一度ホールで盛り上がる。

しばらく盛り上がって、カウンターで2回目のブレイクタイムを取った時、また同じ場所で、入場時に熱い会話をしていた女の子3人組。
立ち位置も変わらず、相変わらずつまらなそうだ。
その中の1人はずっと携帯画面を見続けて、会場さえも見ていない。
さらにもう1人に関しては腕を組んで頭を垂れている。寝ているのか?

ちょっぴりそんな彼女達に気をとられつつ、翌日の仕事を考えて早めに帰ろうと少し後ろ髪を引かれながら会場を後にしようとした時だった。

出口の階段を友人と談笑しつつ下る僕らの後方には、入場する時に一緒だった女の子3人組が、偶然にも同じ時間に退場をしようとしている。

そして僕らの後方から、こんな会話が聞こえてきたのである。


「楽しかったね~」
「ね~、暴れちゃったね」


なぬっ!

僕は一瞬、耳を疑った。
何をどう暴れたというのだろうか?

ひょっとして僕の目にも止まらないスピードで暴れていたとでもいうのか?
いや、そんなハズはない。
汗ひとつかかずに、そんな大技を繰り出せるハズがない。
それとも何だ。
3人で妄想の中をシンクロしていたのか?

どちらにしても彼女達が「楽しかった」という事と「暴れた」という事を確認し合っていたのは確か。
間違いなく彼女達は会場内を暴れ、楽しんでいたのだ。

そう、残像さえ見えない程のスピードで。


現在、この場で感じている視覚、嗅覚、聴覚、味覚、触覚すべてが、もし幻想で、人間以外の誰かによって創り上げられた世界だったら?
誰も信じないだろうが、誰にもそれが絶対的に間違いだと証明できないのも事実。

マトリックス。
その事実を信じるか、信じないかは、あなた次第なのだ。

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