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若年性アルツハイマーに襲われる中堅広告代理店の
営業部長の話。
なんか近い気がした。
硫黄島からの手紙で見た渡辺謙の迫力もすごかったが、
この映画の中ではある意味それ以上に、出来る男から
記憶がなくなるに連れて、なにか優しさあふれる目になっ
いく過程を見事に演じていて役者としての凄みを感じた。
夫の病気を逃げずに受け止めて、一緒にあたらしい記憶
をつくっていく妻役の樋口可南子も素晴らしい演技をして
おり、悲惨な内容ですごく現実的な受け止め方をしてしまっ
たのにも関らず、最後には悲壮感よりも何か言葉にできな
いすがすがしさに近い感覚も生まれていた。
単純に泣くには同じような内容だったら、私の頭の中の消し
ゴムの方がいいかもです。