旅する心-やまぼうし

やまぼうし(ヤマボウシ)→山法師→行雲流水。そんなことからの由無し語りです。

太宰 治からの連想~津軽旅行~

2007-05-02 23:22:01 | 地域魅力
多摩川~玉川上水~太宰 治~リンゴの花という連想からのこと。


(多摩川:東京都世田谷区)

リンゴの花を見ると、決まって高校生時代に読んだゴールズ・ワージー作『林檎の樹』の悲しい少女の物語を思い出してしまう。そう、田舎の少女が思いを寄せる学生(主人公)に見捨てられ、自殺。自殺した人は普通の墓所には埋葬されず、墓は辻に作られ、道行く人に踏まれる運命にあるという。少女の墓はまさにそのようにあった・・・。

庭の鉢植えの姫リンゴの木が花をいっぱい付けた、それはもう随分と昔のことになる。

ピンク色の蕾(つぼみ)から真っ白な花びらに変化していくリンゴの花の向こうに岩木山を急に見たくなった。
   (参考)岩木山観光協会は⇒こちら 
辻に立てられた墓、青空と白い花と岩木山。それらがつながり、思い立って5月3日に弘前に出かけた。


ところが現地は桜が満開。弘前城では沢山の花見客。リンゴはと見れば蕾(つぼみ)どころか、整枝剪定の作業がされているような状態。とても「花の向こうに岩木山」などというものではない。

「この際、いっそのこと龍飛崎まで行ってみよう!」と覚悟を決め、その夜は弘前市郊外のリンゴ畑の中にやっと宿を見つけ、泊まった。※泊まるには覚悟がいるような宿。

翌朝は、岩木山のふもとを回り、次のコースを走り抜けた。

鯵ヶ沢(あじがさわ:特大イカのゲソ焼きは旨かった)→ 木造(きづくり:遮光器土偶で有名な縄文時代の亀ヶ岡遺跡、縄文館に立ち寄る)→ 車力(しゃりき:七里長浜を遠望)→ 市浦(中世の都=安倍氏~安東水軍と連なる十三湖(じゅうさんこ)畔を散策)→ 小泊(こどまり)→ 龍飛崎(たっぴざき:風力発電用の風車を横目に青函トンネル記念館で休憩。青函トンネル竜飛斜坑線には乗れず。)→ 金木(県立芦野公園=太宰 治文学碑、津軽三味線の演奏と桜まつりを鑑賞。なんと吉 幾三『津軽平野』の石碑もあった。)→ 斜陽館(太宰 治の生家を見学。もうここまで来ると時間切れ。ゆっくり中を見る余裕もない。)

この後は一路、花巻へ。何せ宿など取っていないのだから、親戚を頼るしかない。しかし、その夜はお土産に買った特大イカのゲソを酒の肴に、大いに話が盛り上がったというわけ。

無鉄砲な旅ではあったが、とても思い出に残るいい旅であった。以来、今も津軽ファンを自称している。


(鉢植えの姫リンゴの花)

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