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何やら聖書の話になりそうですが、そうではありません。地域資源を見直す際の心構えといったような話です。
今年の2月4日に仙台市郊外の秋保温泉で開催された【利島椿】工芸品展示会記念フォーラムでのこと。利島(としま)は、
・伊豆諸島に浮かぶ島々の中でもとりわけ小さな島。人口約300人、面積4K㎡。
・椿とさくゆりと漁業が主産業。
・江戸時代以来、200年の椿づくりの伝統を持ち、椿油の生産量日本一の島。
と利島村のパンフレットでは紹介されています。この工芸展は、利島の伐採された椿の木を加工し、新たな地域特産品にしようとする実験的取組を紹介するものです。この加工に当たり一役買っているのが、「秋保工芸の里」の匠たちというわけです。
記念フォーラムの中で、秋保工芸の里の「茶器 埋もれ木」の小竹孝さんが話したのがタイトルの“神は隠れたところに宿す”というもの。その言わんとするところは、「隠れたものにこそすばらしいものがある」「石油やダイヤモンドももとは地下にあったもの」「見えないところを見ることが大事」「地域づくりはその土地の皆で行うもの」ということ。
なるほどうまい表現をするものだ。確かに、何の地域資源も持たない地域はない。掘り下げてみること、多面的に良く見ること、そうすればその地に脈々と流れている歴史や伝統、文化、技術、風景や自然環境などのすごさが見えてこようというもの。とりわけ、生き抜いてきた人びとの智恵というものがある。隠れているものを掘り起こし、磨きをかけていくこと、しかもその地に住んでいる人々が生業や年齢、性別などを越えて主体的にかつ皆で取り組んでいく、これらの一連の行為の総合こそが地域を作っていくのだという考えにはまったく同感。
地域の未来や観光振興などを語る上で欠かせない視点をとてもうまく言ったものだと、椿材で作られた小竹さんの風雅に満ちたすばらしい作品とともに、いま改めて思い起こしています。
●利島村(東京都) http://www.toshimamura.org/
●広域連携事業による地域活性化の展開について~秋保工芸の里事業組合と東京都利島 村との広域連携による地域活性化プロジェクト~ (財団法人 宮城県地域振興センター)
http://www.mrira.or.jp/mnavi/mnavi01.html
●秋保工芸の里事業組合(秋保・里センター) http://akiusato.jp/
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