パソコン作業が続いたので、目を休めるために外に出てみた。
いつもの緑道に、雨上がりのアジサイが咲いていた。
この花を見るたび思い出すのは、三好達治(1900年~ 1964年)の詩と我が亡き母。
乳母車
三好達治『測量船』から
出典:集英社 日本文学全集51 三好達治 中原中也 伊藤静雄 昭和43年5月12日発行
母よ――
淡くかなしきもののふるなり
紫陽花(あじさい)いろのもののふるなり
はてしなき並樹のかげを
そうそうと風のふくなり
時はたそがれ
母よ 私の乳母車を押せ
泣きぬれる夕陽にむかって
轔轔(りんりん)と私の乳母車を押せ
赤い総(ふさ)ある天鵞絨(びろうど)の帽子を
つめたき額にかむらせよ
旅いそぐ鳥の列にも
季節は空を渡るなり
淡くかなしきもののふる
紫陽花いろのもののふる道
母よ 私は知っている
この道は遠く遠くはてしない道
いつもの緑道に、雨上がりのアジサイが咲いていた。
この花を見るたび思い出すのは、三好達治(1900年~ 1964年)の詩と我が亡き母。
乳母車
三好達治『測量船』から
出典:集英社 日本文学全集51 三好達治 中原中也 伊藤静雄 昭和43年5月12日発行
母よ――
淡くかなしきもののふるなり
紫陽花(あじさい)いろのもののふるなり
はてしなき並樹のかげを
そうそうと風のふくなり
時はたそがれ
母よ 私の乳母車を押せ
泣きぬれる夕陽にむかって
轔轔(りんりん)と私の乳母車を押せ
赤い総(ふさ)ある天鵞絨(びろうど)の帽子を
つめたき額にかむらせよ
旅いそぐ鳥の列にも
季節は空を渡るなり
淡くかなしきもののふる
紫陽花いろのもののふる道
母よ 私は知っている
この道は遠く遠くはてしない道
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