1月27日、
B0Y's水戸ボクシングジムの奈良嵜(ならさき)義隆プロ選手の試合がありました。
僕は平日で駆けつけることが出来ませんでしたが、
試合速報を中島会長から頂いたり、
応援に駆け付けたジムの練習生から、
試合感想などを聞いてみたりしました。
熱い後楽園ホールだったと思います。
1/29に同じジムの田口さんから、
試合のDVDを頂きました、
DVDを拝見して改めて感想を踏まえ、
再更新させて頂いております。
非常に緊張感のあるプロのリング!!
リングの中に居る奈良嵜プロは、
普段ジムで、
屈託のない笑顔を振りまいている「明るい奈良嵜ちゃん」ではありませんでした。
その顔は、
プロの厳しいリングに覚悟を持って立っている、
決意が表れていました。
僕は、
人間がココ一番で決意沁みた魅せる顔が好きです。
惚れ惚れしますね。
一瞬一瞬に「生」を脈打つ、
生きている証がソコに感じられます。
極限まで研ぎ澄ました感覚を武器に、
触れれば切れてしまうであろう鋭敏なパンチ、
お互いにその剃刀を交錯する場に立つのです、
覚悟がないと立てない場所です。
惹かれない理由など何一つもありません。
あの明るい人が、
どれだけの気持ちで心を武装して挑んでいたのか?
外野の僕には想像もつきません。
ひょっとしたらもっと普段着で戦っていたのかも知れません。
緊張してなかったのかな?
でも僕から見るだけで、
その気持ちの1/10程度、
もしくはそれ以下かも知れないけど、
リングに立ったと言う経験から嫌でも過剰に反応してしまいます。
そんなちっちゃなグローブで当たれば倒せるけど、
当てられたらひとたまりもない、
お互いに条件は同じな訳ですから。
恐ろしい交換条件を双方有しています。
1R~2Rは、
完全に奈良嵜プロのスピードが、
相手選手を上回っていました!!!
凄いスピードで相手を翻弄、
凄い凄い!!
かなり切れています。
頼もしい戦うボクサーがいました。
しかし、
相手選手は打たれても全く「効いた」様子も出さずに、
余程ハートが強い選手のようです。
普通は「効いて」も顔に出さないタイプと、
更には「効いて」も体のバランスにも出さない、
何と言うか風にも当たったくらいの反応。
今回の相手選手は有効打が当たっても、
顔すらブレませんでしたね!!
余程ハートが強いか、
打たれることについての衝撃が許容範囲だったのか?
想定の範疇だったのか?
恐ろしいほどまでに顔の軸が動きませんでした。
その辺りを垣間見ただけでも、
相手選手が相当な修羅場をくぐって来たであろう、
壮絶な練習に耐えて来たであろう、
その強靭な強さもうかがえました。
3R終盤にスタミナに陰りが出てきた様子が見れます、
相手選手が勝機と見たか?
嗅覚を感じたのかも知れない。
終盤になると相手選手が、
手数を一気に増やして来ました。
その厳しい終盤の中でも奈良嵜プロは、
時折鋭い「返し」を入れたり、
相手にペースを持って行かれないように踏ん張っていました。
さて最終ラウンドへ突入。
中盤から相手選手の怒涛の手数、
奈良嵜プロも有効打を喰らわないように必死のディフエンス。
何かが効いてしまったのか?スタミナがきつかったのか?
直接の理由はわかりませんが、
最終ラウンドの後半からは、
相手選手の攻めの『意志』は前に前に、
強く圧しだされていました。
奈良嵜プロにとっては、
それはそれは「永い時間」だったのかも知れませんね。
同じ1Rの3分間、
たった3分間なのに、
こうにもどうにも体感時間が変わってしまうこと、
見ている側にも緊張感が伝わって来ます。
録画されているDVDにも応援の声が強く響きます!!
戦っている本人も必死、
応援している人も必死。
まさに人生の縮図を見させられているような錯覚に陥ります。
勝つか負けるか、
結果ひとつで、
正に天国と地獄です。
試合結果はドロー。
3人のジャッジ、
1人は奈良嵜プロに付きましたが、
2人はドローの為に「1-0」でした。
攻めきれなかったことに奈良嵜プロも悔やんでいるようでした。
終盤の印象点が、
2人のジャッジに「ドロー」に付けさせたこと。
終盤の勢いの「ポイント」が、
当たっていようが当たっていまいが?
どちらが「明らかに」攻めているか?に加点されてしまったのでしょう。
この展開が逆だったら、
たられば?はご法度ですが、
1.2Rの支配力が見事だったが故に・・・・・・・・・・・!!!
しかし、
僕からすれば凄いことだと思いましたよ!!!
会社員で普通に働いて、
試合に挑むこと。
凄い過酷な練習も経て、
それでもサラリーマンやりつつ、
決して近くないところに住んでいる訳だし!!!
そして試合に挑むのです。
ジムのホームページを見て、
夜に見学に来てくれた時のことを今でも覚えています。
数多くの見学者の中から、
唯一プロボクサーになった人です。
それだけの練習も自ら消化して、
自己管理出来るハートの強さ、
凄いですよほんと!!
僕が中島会長にお世話になり始めた頃に、
良く聞かされた言葉があります。
赤ちゃんが生まれた時に、
既にボクサーになる人は決まっているんですよ。
「おぎゃあ」って言った時に、
ボクサーになる人は決まっているんですよ。
と。
つまりどれだけ練習しても、
ボクサーになれる人となれない人が決まっていて、
強いて言えば、
ハートの強い人じゃないとボクサーに向かない。
単に身体能力だけが優れている人が、
ボクサーになれるわけじゃないと。
ハートの強さ、
ナチュラルな闘争心、
勤勉な練習姿勢、
創意工夫、
身体能力、
どれ一つが欠けても成し得ないものだと思いますが、
やはり一番は、
ボクシングはハートだと言うこと。
僕も強く思っています。
ボクサー。
なるべくしてなった人。
決して遠回りでもなくて、
大成すべき適齢期があってのこと。
遅いか早いか、
それはその競技に適した適齢期があると思います。
人によって適齢期は様々じゃないでしょうか!!
◆奈良嵜義隆プロ◆
2戦1勝1分。
ジム練習生が憧れるサラリーマン現役ボクサー!!!