アブリル - どこにでもあり、どこにもない

岡崎平野を中心とする 植物 と カメラの対話

グミ、ゆすらんぼ - もうすぐ梅雨入り

2024-05-29 17:00:00 | みんなの花図鑑
初出 2021-05-20


雨の中の散歩で出会った(昔よく食べた)果実たちです。


グミ

表面のツブツブから、グミということは分かるのですが、ちょっと種類が分かりません。



ナツグミでしょうか?



時期からいって、アキグミではないし・・・
葉の感じから ナワシログミでもないだろうとは思うのですが・・・



ナツグミとトウグミはよく似ているので、葉を拡大してみないと分かりません。
(葉の表面の毛が鱗状毛ならナツグミ、星状毛ならトウグミと言われてます)






ゆすらんぼ(ユスラウメ)

まだ5月なのに・・・と思ったら、ユスラウメは「梅雨の初めごろ」が収穫期なんだとか。



今年は もう梅雨入りなので、ゆすらんぼが実っていても何の不思議はない、ということ?



よく似た木に ニワウメがあります。



ユスラウメの葉は楕円形で、葉っぱに毛が多く、葉脈に沿って凹凸があるのが特徴です。






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モチノキ科 - 雌雄異株というけれど

2024-05-29 06:00:00 | みんなの花図鑑
見出し画像は 上段が雌花で、下段が雄花。左から順に クロガネモチ、ウメモドキ、イヌツゲ、ソヨゴの順です。

クロガネモチ



クロガネモチは雌雄異株で、この株は雌花が咲いている雌株です。









クロガネモチの雄花を見たいのですが、なかなか出合えません。

▼以下は、過年度に撮った雄花です。



クロガネモチは実のなる雌株が植栽されることが 圧倒的に多いのです。
でも、雄株が無いと受粉することが出来ませんから、どこかに雄株はあると思うのですが・・・
雌株だけで赤い実ができるという話(★)もあり、雌雄に関しては ややこしいです。

(★) 「植えられているクロガネモチの雌の木の近くには雄の木はないのに・・・
 雌花だけで実ができていくのはじつに不思議だ」(神戸の花と木(今の花と木の様子)「クロガネモチは不思議だ」)




ウメモドキ



ウメモドキの雄花です。どこを見ても雄花ばかりですので、この木は雄株だと思います。





別の株です。花弁が白いので、より原種に近い種類のようです。
この木もどこをみても雄花ばかりですので、株は雄株だと思います。



ウメモドキ(雄花)



さらに別の種類のウメモドキです。ピンクがかっています。


ウメモドキ(雌花)





同じようなピンクの花弁ですが 雌花ばかり咲いているので雌株です。





イヌツゲ1





つぎは イヌツゲです。まず 雄花の咲いていた雄株。
場所は北山崎町(← 自分の覚えです m(_ _)m)



イヌツゲ2
つぎは 豊田安城自転車道の植栽のイヌツゲ。たくさん植わっています。









ここまで雄株。
実は たくさん植わっているのですが、8本中 7本の割合で雄株のほうが圧倒的に多いのです。

つぎは雌株の雌花。







とても小さい花ですが、雌花は中心に緑色をした大きな子房があり、そのまわりに(退化した)おしべが付いています。モチノキ科の花はよく似ていますね




イヌツゲ3



別郷町の生垣のイヌツゲです。雌雄両株が植わっていますが、雌株の雌花だけピックアップしてみました。




花弁と雄しべが脱落し、子房が成長して果実になりつつあります。




イヌツゲ4





最後にもう一か所、山崎町のイヌツゲです。雌雄ありますが、写真は雌花だけピックアップしました。
小さな花ですが、子房の周囲にしっかり蜜が付いています。
そういえば、ほとんどのモチノキ科は赤い実をつけますが、このイヌツゲだけは例外で黒っぽい実をつけます。






ソヨゴ1



名古屋市平和公園の献体の塔にてコンデジで撮影(5月23日)。



ソヨゴ2



つぎは 上条町の集合住宅前のシンボルツリーとして植えられているソヨゴ。
雄花が咲いています。(← 後述しますが、このことは重要です。)





同じく雄花です(同じ木なので 当然です "(-""-)")





ところが同じ木に 果実の赤ちゃんがもう出来ているのです。
実をいうと、ここのソヨゴは秋になると 赤い実をつけ、それがきれいなので毎年撮っている木なんです。

(2019-01)
だから私は去年までこのソヨゴは当然 雌株だとばかり思っていました。
だから今年この木に雄花が咲いているのをみてびっくりしました。

確認のため、「ソヨゴ 雌雄」で検索すると、通販サイトのカタログに
 ソヨゴ (雌雄同株)
という表示があるものが売られていることが分かりました。
何だか自然を逸脱しているように見えますが、雌雄同株のソヨゴが売られていることは事実のようです。







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地味だけどかわいい - ニシキギ科の花

2024-05-28 15:00:00 | みんなの花図鑑
初出 2023-5-14

ニシキギ科の花はとても小さくて地味です。あまり気付く人は無いでしょう。
地味だけど可愛い花と一緒に実を結んだあとの姿を添えて鑑賞してみましょう。

ツリバナ

ツリバナの花は5数性で、花弁は5枚、 花盤は5角形で淡黄緑色、おしべは5本で花盤の上につき、子房は花盤に埋もれ、花柱も小さいです。












2021-6-19




2022-10-22



2021-11-02







ヒロハツリバナ

安城デンパークにて

ツリバナに比べ、葉が広いのでこの名が付けられました。



ツリバナは5数性ですが、ヒロハツリバナは4数性のようで、花弁、萼片、雄しべはともに4個です。
ただし、翼には5つと4つが混ざっているようで、これは5つあります。



これも翼は5つ



これは 4翼






マユミ

マユミにはメシベが短い花(短花柱花)をつける個体があり、結実しにくい傾向があるため雄株と信じられ、かつては、マユミは雌雄異株とされてきました。


しかし、雄株と思われていた木が突然 実を付け出したと云う事例が幾つも見出されて、現在では雌雄同株とするのが定説となっています。



マユミは4数性なので、花弁、萼、雄しべが全て4個です。






若い果実



四角くなってきました。



2019-12-05
果皮は4つに割れます



2021-11-09






白花マユミ

安城デンパークにて


















22-12-03



19-12-22





中国オオバナマユミ

安城デンパークにて














2021-10-18






ニシキギ

ニシキギの花は4数性で、花弁は4枚で淡緑色、おしべは4個、子房は花盤に埋もれています。















ニシキギの果実です。花は4数性でしたが、果実は2数性?です。


つまり、果皮は2裂し、真っ赤な仮種皮が2つ見えてます。




ニシキギの枝にはコルク質のかたい翼がついています。理由は分かりません。



枝を割って出て来る様が・・・



マントルプレートの出発点すなわち中央海嶺からはじまるmagnetic band のようです。
図は「海嶺の両側で岩石の磁気が全く対称的に逆転を繰り返している」ようす





マサキ













果実です。果皮は4つに割れます。









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ドクダミ - 受粉しなくてタネができる

2024-05-28 06:00:00 | みんなの花図鑑

人家の周辺や溝などにドクダミの白い花がよく目立つ季節です。
私の家の北側もちょっと前までドクダミでいっぱいで、ネコも歩けないほどでした。




ドクダミのこの目立つ白い4枚の花弁のように見える器官は実は花弁ではないのです。本来の花はその上にある棒状の部分で、棒状の部分に雌しべと雄しべだけからなる小さな花が密生しています。





花茎周囲に花弁も萼片もなく、この目立つ白い4枚の花弁のように見える器官(小花をじてんでいるので用語を 総苞 といいます)が目立つので昆虫が寄ってくるかと思いますが実際はほとんど来ません。






花穂をみれば、黄色い葯をもたげた雄しべと花柱が3裂した雌しべを確認できます。
調べてみると、雄しべは 雌しべに対応して3個あるようです。これでひとつの小花のセットです。



ここからは後期の花穂です。



雄しべの葯は花粉を出し切って萎んでしまっていますが、雌しべの柱頭に花粉が載ってる気配がありません。これは先ほども述べたように、日本のドクダミは3倍体といって花粉が着かなくとも種子が出来る単為生殖をするのでその必要がないのだそうです。





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ユリノキ - 北野廃寺(岡崎市)

2024-05-27 15:00:00 | みんなの花図鑑
記事とは関係ありませんが m(_ _)m
長らく下降の一途をたどっていたコロナ感染者数が、先々週あたりから上昇に転じたようです。第11波のはじまりです。

初出 2020-05-22



学名: Liriodendron tulipifera
種小名 tulipifera は「チューリップ(のような花)をつける」の意。(wiki 「ユリノキ」)




5~6月ごろにチューリップのようなクリーム色とオレンジ色の花を咲かせることから、別名「チューリップの木」と呼ばれる。(庭木図鑑 植木ペディア > ユリノキ)




ただし、花は葉と葉の間に隠れるように咲く上、高い位置にあるため、あまり人目につかない。ユリノキの花の雄しべは、先端の「葯(花粉入れ)」が2センチもある。(同上)




・ユリノキは学名である「Liriodendron」の訳語からきており、日本人の感覚では百合のような花が咲くというわけではないが、ユリノキが渡来した頃はチューリップが今のように一般的ではなかったため、より馴染みのある百合に見立てたという。(同上)




アメリカでは花の色からイエローポプラと呼ばれることもある。(同上)






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