命のカウントダウン2(健康余命961日)

camperのブログにアクセスできなくなりました。それで今しばし、こちらに引っ越します。

胸部レントゲン写真のAI診断装置

2023-12-18 19:59:14 | 外来診療

写真で上に載っている直方体の箱、大きさは18㎝×6㎝×4㎝程度の小さなもの
これがトヨタカローラGあたりの値段するのであります。
下は無停電電源です。おまけであります。(全然まけてくれなくて、おまけに着けてはくれなかったけど!)

小さな黒い直方体の正体はフジフィルムのCXR-AID
「AI技術を活用し、健診・診療時の胸部単純X線画像診断を支援」と言うものです。これ、なかなか使えます。
胸部レントゲンって、なかなか難しいのですよ。
病院務めであれば、難しいなぁと思った時には先輩や同僚などに意見を求めることが出来ます。でも、開業医はほとんどの場合一人で仕事をこなしています。迷ったときにすぐに相談できる相手がいないのです。
このAI診断装置は、一人開業医の相談できる頼もしい相手になってくれます。時間外でも深夜でも、文句ひとつ言わないのです。




3人の方の胸部レントゲン写真を連続であげました。
何か違いが分かりますか?一番上は男性、真ん中が女性、そして下が男性です。女性は乳房の下側のラインで判別できることが多いです。

この中におひとり、肺癌疑いで大病院に紹介した方がおられます。その方はどなたでしょうか?
それは一番上の写真の方でした。この方の場合、私も一目で「あらあら」と、思ったのでした。でも、AIソフトで94% の確度で怪しいと言われると「ふむフム俺の思いと一緒や!」とニンマリし、さっそうと紹介状を書いたのでした。
下二人の写真は、AIでスキャン後の物です。写真の下に小さくLOW SCOREと出ています。そして写真の左上に虹色のようなバーが出ていますよね。これがスキャン済みであり異常が認められなかった(LOW SCORE)というマークなのです。

異常を見つけ出すソフト、感度を高くすると擬陽性が増えてしまいます。=小さな異常も見落とさない様に設定すると、異常かもしれないので、再検査または精密検査を受けてくださいという 念のためにもっと検査してくださいという答え=異常ではないのに異常かもしれないとひっかけてしまう例(擬陽性)が多くなってしまいます。
感度を高く設定して擬陽性が多くなると、「オオカミが出るぞ~」と叫び続けて実際にオオカミが出たときに、いくら叫んでも信じてもらえなかった逸話のようなことになってしまいます。かといって見落とすのは絶対に避けたいですよね。そのあたりの調整が難しいのですが、まあ、何とか実用レベルに落とし込んでいると感じています。要は使う人次第です。   

身近にAIがやって来ました。AIは使えます!!10年後いや、5年後には、今の携帯電話の様に生活を変えてくれるなくてはならないものになっていると思います。私はどんどん取り入れていくつもりです。





連休明け、明日も日曜!!患者さん集中してしまいました。

2023-11-04 22:56:41 | 外来診療
坂根医院、木金と、連休でした。そして、明日日曜ももちろん休みです。
今日の土曜に混むかなぁとは思っていました。それで、受付も看護師も人数を増やして対応したつもりだったのですが・・・・

現実は想像を超えておりました。
大体、11月、12月の開業医は忙しいのですよ。寒くなると風邪をひく方も増えるし、インフルエンザのワクチン接種の時期ですし、特定検診という自治体主体の健康診断の締め切りも12月末までです。そして、今年はインフルエンザ感染自体が11月から多いですし、新型コロナは下火とはいえ、疑い患者さんはやはり来院されますし、新型コロナワクチン接種の方も来られます。

本日2023年11月4日(土)は、午前診療だけでした。9時に医院を開けた当初は普通だったのですが、10時前くらいからどうも様子がおかしい、患者さんは多い様なのに、診察室にカルテが回ってこないのです。カルテが来ないと、私は診察が出来ません。何だかおかしいなと思って見に行ったら、いつもはゆったりと数人が座っているだけの広い待合室が立っている方で一杯です。
どうなっているのかなと思ったら、数人の新患さんの受付に手を取られている間に、患者さんが溜まってしまったようでした。受付で渋滞しているので、そこから進まなくなっているのでした。ワクチンの患者さんや、発熱の患者さんだけでも先に回すように言って、何とか患者さんが回り始めましたが、何しろ患者さんの数が多くて、20台程度止められる坂根医院の駐車場なのですが一杯になってしまって、外の堤防沿いにも何台も車が並んでいる時間がありました。
結局午後2時前になって漸く外来診察は終わったのですが、患者さんには本当にご迷惑をおかけしました。そのあと反省会をしてどうすればこんな混雑を回避できるかアイデアを募ったのですが、結局、この季節の「混雑が予想される日」には受付や看護師の人数を増やしたり、受診される時間帯や日付を分散していただくよう努力するくらいしかないなぁという事になりました。私、計画的な予約診療が好きじゃないのです。それで、インフルエンザ予防接種も予約なしで希望者が来られたら、どんどん打つという方針でやっております。それでこれまでは上手くいっていたのですが・・・今日はちょっと読みが甘かったです。それに、受付や看護師の数は増やせても、医師の数を増やすことは容易ではありません。どんなに読みが当たっても、対応が困難になることもあり得ます。

開業医という仕事、流行っても、流行らなくても、どっちにしろ結構大変です。引退したいなと思う頃にこんなことになってしまうっていうのが、この世の常というものなのでしょうねぇ。ありがたいことではありますが、患者さんにご迷惑をおかけしてしまうのは困ったことであります。
外来診療が終わっても、訪問診療が待っていますから、どこまで仕事が好きなのか・・・遊びも好きですけどねぇ!!

今日は、受付、看護師、医師、いずれもたーいへんな一日でありました。
終わってみれば来院患者数130人超。半日でこれはきついです~~
来週も火、木と休みです。どうなりますことやら!!!

胸部レントゲン写真の読影補助にAI導入することにしました

2023-10-12 23:57:39 | 外来診療

11日水曜日は第二水曜日でありまして、坂根医院が最も混雑する日なのでありました。

というのは、魔法使いの様な凄腕の超音波診断が可能な超音波専門医の北村いずみ先生が来て下さる日なのです。

これまでに肝癌や腎癌、膀胱癌、前立腺癌は勿論、胃癌、大腸癌、甲状腺癌など多数見つけていただいています。紹介先の大病院が、「えッ、エコーでなんでこれが分かったのですか?」と言われたことが何回もあります。普通のレベルではないのです。「見ようとしないから見えないだけよ。」と、おっしゃるのですが、私、いくら見ようとしても見えませんです。

昨日も自覚症状がない方のスクリーニングを依頼して、膀胱癌疑いを見つけていただき、大病院に紹介させていただきました。ほんと、魔法使いレベルです!!

 

超音波診断装置(エコー)は使う人次第なのではありますが、胸部レントゲンも全くそうなのであります。

見えない人には見えない。

私は、呼吸器を専攻してきた内科医師なのでございます。

専門医の資格は面倒で取得してはおりません。何でも屋の内科医師ではありますが、呼吸器出身なので、肺のレントゲン読影でミスしてたくないです。超音波診断では後れを取っても仕方がないとは思っておりますが、胸部レントゲンで後れを取りたくはないなぁと思うのであります。しかし、視力も低下してきたし、判断力も低下してきたみたいです。(認めたくはないけれど)

それで、胸部レントゲンの読影補助に、AIシステムを採用しようと思っています。

北村 いずみ先生が「良いわよ、後悔しないわよ!」と、おっしゃいます。
「判断ミスしないために240万払う事を惜しいと思おうの?」と、言われたら、購入するしかないですよね!

本当に、患者さんのために働いておられる素敵な先生です。尊敬しています。

 

と、いう事で、一か月ほど経ったら、坂根医院に胸部レントゲン写真のAI診断が入ります。

楽しみにしてください!!