秀山の俳句写真日記

日々の生活、旅先での出逢い・思いを俳句、写真、文にした徒然日記です

信心と古仏の再生

2022年10月31日 13時03分07秒 | 日記
信心が バラバラ古仏 再生す
     金剛力士立像
        東博創立150周年記念国宝展
 
 
 
 
 
 今回の展示会で撮影可なのは、この金剛力士立像と菱川師宣の見返り美人図だけでした。
 この金剛力士立像は今から900年前の平安時代に作られて滋賀県栗東市・蓮台寺の仁王門に置かれていましたが、昭和9年の室戸台風で門もろとも倒壊しバラバラになってしまったそうです。この散乱した部材を30年以上保管した地元の方々のお蔭で、美術院(仏像を修理する機関)が今回2年かけて修理し、元の姿に戻ったとのことです。
 仏を敬う信心が900年、脈々と今に生きる地元の人々と仏師に受け継がれ、この古仏が蘇った、そう思えてなりません。
 立像とその壁へのシルエットを意識したであろう東博のレイアウト&ライトワークにも暫し感心していました。

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埴輪の美男美女

2022年10月31日 01時38分06秒 | 日記
東博で 観る古の 美男美女
 
 
 写真左から、 「盛装の男子」、「盛装の女子」(重要文化財)、「挂甲の武人」(国宝)です。このように人の埴輪を比較してみますと、国宝、重文の指定基準が分かりませんが、いずれも今から1500年ころ前の古墳時代に作られた素晴らしい作品で、生き生きとしています。
 万葉集に載っている歌は今から1350年から1250年前のものとのことです。
 この埴輪の人と万葉の歌を掛け合わせますと、遠い昔の人々の生活に想いが馳せます。

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端正 国宝埴輪兵

2022年10月31日 01時00分10秒 | 日記
時空超え 端正 国宝埴輪兵
      東博創立150周年国宝展
 
 
 この「埴輪 挂甲の武人」は国宝でガラスケース越しに観てきました。少しひ弱な感じの美男子という印象でした。今から1500年くらい前の古墳時代に作られたものですが、埴輪は不思議なもので、何故か、遠い昔が今あり、この人が今生きているように思えます。

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1300年前の写経が・・・

2022年10月28日 17時32分37秒 | 日記

天皇の 個性あふるる 写経眼前
       東博 伝聖武天皇筆 賢愚経残巻

 この経典は今から1300年前のものです。あの聖武天皇の直筆と伝えられているものです。この紙も墨の字も1300年の時の流れをまったく感じさせない新鮮さです。
 文字の線は太く繊細、撥ねは美しく、且つその時の心の緊張、気分の爽快感さえ感じます。文字は形よくデンとしています。
 聖武天皇は歴史書や古代小説でしか知りませんでした。この「字」、「字の並び」を通し、聖武天皇のイメージが変わりました。
 1300年前の聖武天皇を今、イメージしています。1300年間、この写経を残し続けてくれた人々に感謝です。


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国宝絵巻を眼前に・・・

2022年10月28日 15時56分31秒 | 日記
表情の 活写 国宝絵巻かな
     東博 平治物語絵巻(六波羅行幸巻)
 
 
 
 今から800年もの前の絵巻を眼前にし、しかも、単眼鏡で詳細をじっくりと観ていますと、その時の制作者の息遣い、筆遣いまで伝わってくるように思えます。
 この絵巻物の場面は、1159年の平治の乱で、二条天皇が源義朝らにより幽閉された内裏から脱出をはかり,清盛の六波羅邸に逃れようとしているところです。武士たちが簾をはね上げてのぞいた中には、女房姿に変装した天皇の衣装の一部が見えます。
この絵巻物が描いている歴史を少し紐解きますと、平治の乱は保元の乱(1156年)に続いて起こりました。
保元の乱では、第77代後白河天皇と崇徳上皇とが対立。後白河天皇が勝利し治天の君(ちてんのきみ)として実権を握りました。
後白河天皇は1158年に二条天皇に譲位し上皇となり、院政を敷きます。
 その後、後白河上皇と二条天皇が対立し、公家、武士も加わる権力争いとなり、平治の乱が勃発しました。上皇、天皇は生き残ったものの、両派の公家・武家の側近はほぼ壊滅し、清盛率いる平氏一門の一人勝ちだったようです。この乱以降、後白河院政の下で、「平家にあらずんば人にあらず」(平家物語・平時忠の言)の世になっていきます。
 歴史は粋なもので、「驕れる者久しからず ただ春の夜の夢の如し」も、また真なり。(同じく平家物語冒頭・祇園精舎の鐘の声、・・・)

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