晴れのち平安

源氏物語を中心に平安な日々♪
※写真の無断転載禁止!!

【京都・風俗博物館~よみがえる源氏物語の世界~】 2010年3月撮影 花の宴~あざれたる大君姿~

2015年11月14日 | 京都・風俗博物館
 京都市下京区にある風俗博物館のこと。

六條院四季絵巻~卯月 灌仏会(かんぶつえ)~ に引き続き、
2010年3月に撮影した風俗博物館の展示の様子です。

東の対 東廂・北廂では
『源氏物語』<花宴>より
「花の宴~藤花に競う源氏・あざれたる大君姿~」
の場面が展示されていました。



舞台は右大臣邸に見立てられています。

<博物館レジュメより>
源氏20歳の3月20日過ぎ、世の中の権勢を我がものとしようとしている右大臣家で弓の競射(きょうしゃ)に続く藤花の宴が催され、多くの上達部や親王が招かれた。



右大臣。布袴(ほうこ)姿。
桐壺帝の弘徽殿女御の父であり、
東宮(=のちの朱雀帝・源氏の異母兄)の祖父にあたります。
六の君こと朧月夜の父でもあります。



上達部・親王。布袴(ほうこ)姿。



源氏と四位少将。

複雑な人間関係を煩わしく思い、物思いに沈む源氏は、右大臣邸の藤花の宴の招きを受けても参上しなかったが、派手好みで贅美を尽くした右大臣邸の藤花の宴に風流を極めた源氏の来訪が無いのは興ざめだと思う右大臣は子息の四位少将を源氏の御迎えに参上させ、ようやく源氏は装束を調えた。
すっかり日も暮れ、右大臣が待ちあぐねた頃、桜がさね直衣に葡萄(えび)染めの下襲(したがさね)を長々とひいた高貴な身分に相応しい略礼装の大君姿(おおきみすがた)で参上した源氏の姿は、礼装の布袴姿(ほうこすがた)で参上している人々には許されない、王者の風格を備えた姿で、右大臣邸の見事な遅咲きの桜や今を盛りの藤の花の美しさも霞むほどであった。






源氏。直衣布袴姿。

『源氏物語』本文より
 “皆人は袍衣(うへのきぬ)なるに、あざれたるおほきみ姿のなまめきたるにて、いつかれ入りたまへる御様、げにいとことなり。
 (訳:他の人はみな正装なのに、しゃれたおおきみ姿の優雅な装いで、かしずかれてお入りになるご様子は、なるほどとても素晴らしい。



女房と藤の花。
当時、藤は松の木に絡ませて成育していました。




几帳の奥には朧月夜の姿もありました。


朧月夜は4月に東宮(=のちの朱雀帝)への入内を控えています。






 局~女房の日常「身嗜み・髪の手入れ」「もう一つの装束・伏籠」「暗闇を照らす燈台」~ へ続きます。







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【京都・風俗博物館~よみがえる源氏物語の世界~】 2010年3月撮影 六條院四季絵巻~卯月 灌仏会~

2015年11月14日 | 京都・風俗博物館
 京都市下京区にある風俗博物館のこと。


朱雀院行幸・放島(ほうとう)の試み~夕霧艱難辛苦の立身出世~ その2 に引き続き、
2010年3月に撮影した風俗博物館の展示の様子です。

東の対 東廂・南廂において
『源氏物語』<藤裏葉>より
「六條院四季絵巻~卯月 灌仏会(かんぶつえ)~」
の場面が展示されていました。





<博物館レジュメより>
源氏39歳(太政大臣)の4月8日、六條院において釈迦の誕生を祝う法会である灌仏会が盛大に執り行われた。
この日を迎える前日には、長年にわたり政敵であった源氏と内大臣(若き頃の頭中将)の確執ゆえに、許されなかった夕霧と雲居雁の婚礼が成立しためでたさの中で迎える灌仏会であった。







源氏の私邸である六條院において執り行われた灌仏会は、寺より誕生仏を借り受けて宮中通りの作法で行われ、宮中清涼殿においては昼に行われていたが、六條院では灌仏会の導師を務める僧侶がおそくに参上したので、日が暮れてからの始まりとなった。



灌仏会のために寺から誕生仏を借り受けています。



写真左側に写っているのが源氏です。


写真右側から
源氏、内大臣、柏木、夕霧。



夕霧。
結婚二日目を迎え、気もそぞろです。






各御殿から使者として訪れた女童たち。
季節の花などで美しく飾られた僧へのお布施の料紙を
台盤の上に献じています。




母屋の奥には
紫の上(写真中央)と明石の姫君(後ろ姿)もいました。






花の宴~藤花に競う源氏・あざれたる大君姿~ へ続きます。






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