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フレッツ光ネクスト網(NGN)とOCNのIP網の構成

2012-07-14 01:09:58 | ひかり電話
 自分の加入しているネットワークサービスについて、そのサービスを提供しているネットワーク構成は実際にはどのようになっているのだろうか?
 この基本的な疑問に答えるため、NGN網とOCN網の構成を公開されている資料から調べてみた。実際のネットワーク構成とは、異なるかも知れないが、その概要レベルまで理解できれば良いと考えている。

【フレッツ光ネクスト網:NGN】
 参考文献[2]の技術参考資料には、NGNはIP通信網と記されている。参考文献[3]のNext Generation Networkには、電話や映像通信サービスをSIPを使って統合的に実現するIPネットワークと記載されている。また、アクセス回線は光ファイバが前提となるため、ONUが利用者宅に置かれると記載されている。
 具体的なNGNの構成は、参考文献[6]の"当社の次世代ネットワーク(NGN)の概要"に下記のように記載されている。この構成図より、その概要が理解できる。

NGNのネットワーク概要[6]
Ngn

 家庭からインターネットへの接続は、NGNの収容ルータ、中継ルータ、網終端装置を経由して、OCNなどのISPへ接続され、さらにインターネットへ接続することになる。
 家庭から電話網への接続は、NGNの収容ルータ、中継ルータ、インタフェース変換装置を経由して、IGSへ接続され、そこから他事業者網へ接続することになる。
 インターネットも電話もその接続は、瞬時に安定的に実現できるので、当たり前かも知れないが、凄いと言えば凄いと言える。

【OCN IP-backbone】
 OCN[7]は、日本最大規模のISPであり、日本唯一のTier 1[8]プロバイダである。そのIPバックボーン[9]は、次のような構成になっている。

OCNのIPバックボーン[9]
Ipbackbone

 その伝送帯域は、500Gbpsクラスであることがわかる。
 現在の家庭内LANが1Gbpsクラスになっていることから、IPバックボーンとしての500Gbpsの帯域は、想像していたよりも小さいように感じた。
 また、OCNと国内網のNGNとの接続は、どのノードで行っているのだろうか。おそらく、OCN東京やOCN大阪といった地域のノードとの接続で実現しているのだろう。
 参考文献[12]には、平成20年3月時点のNGNとISP接続のためのPOIビル名は、東京都では大手町FS、丸の内、東渋谷、霞ヶ関、八王子明神の5カ所、神奈川県では保土ヶ谷の1カ所、千葉県では船橋の1カ所、埼玉県では草加の1カ所、大阪府では大阪北、大阪中央の2カ所と記載されている。従って、OCNとNGNとの接続も前記のいずれかのPOIビルで接続されているものと考えられる。

参考文献:
(1)フレッツ光ネクスト
(2)フレッツ光ネクスト 技術参考資料
(3)Next Generation Network
(4)Internet Protocol
(5)Session Initiation Protocol
(6)総務省情報通信審議会 電気通信事業部会 接続委員会(第99回)へ提出した説明資料 当社の次世代ネットワーク(NGN)の概要
(7)OCN-Wikipedia
(8)Tier 1 network-wikipedia
(9)OCN IPバックボーン
(10)OCN逆引きホストによる回線種別/地域割当表
(11)2012年、2000万ユーザーのアクセスが2カ所の接続ポイントに集中するのか?
(12)次世代ネットワーク(IP通信網・LAN型通信網)との接続条件について
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フレッツ・テレビのしくみ

2012-07-13 08:07:33 | ひかり電話
 光回線を引くとインターネットとテレビ(地デジ)と電話が同時にできるようになる。これは、いったいどのようなしくみで実現できているのだろうか?この疑問に答えるべく、まずはフレッツ・テレビについて調べてみた。

 NTT東日本のフレッツ・テレビのサイト[1]では、サービスと料金の情報はあるが、その仕組みについてのわかりやすい説明は見当たらない。フレッツ・テレビの技術参考資料[2]を見てみたが、その内容は登録一般放送事業者(たぶんテレビ局のことだろう)から映像通信網(単に「網」)を経由して周波数多重信号(たぶんテレビの電気信号のことだろう)を受信するサービスであると簡単に記載されているだけで、テレビは受信できることはわかっても、なぜテレビとインターネットと電話が同時にできるのかという基本的な疑問の解消にはならなかった。
 疑問が解消されないので、Wikipediaで"フレッツ"[3]を調べてみた。そこにはフレッツ・テレビ伝送サービスの記載があり、そこにはIPを用いないRF下り片方向伝送サービスと記載されていた。また、"パススルー送信"というキーワードも記載されていたので、それについて検索サイトで調べてみた。"パススルー送信"については、Wikipediaの"ケーブルテレビ"[4]に記載があった。またそこを調べていくと"光放送"[5]にたどりついた。"光放送"を調べていくと、さらに、"V-ONU(Video - Optical Network Unit: 光回線終端装置)"や"WDM(波長分割多重)"という技術キーワードにたどりついた。さらにインターネットに使う通信系の光回線("B-PON: Broadband Passive Optical Network"など)とは、別波長の光を用いて通信していることもわかってきた。
 少々遠回りしてしまったが、どうもフレッツ・テレビは、光CATVの技術を利用しており、インターネットでよく使われるIPを用いた通信とは別の波長の光を用いた下り専用の映像信号配信サービスであることがわかってきた。このように、フレッツ・テレビは、インターネットや電話の通信に使われる波長の光と別の波長の光を使っているので、ネットや電話とテレビが同時に使えるわけである。
 1本の光ファイバの中に波長の異なる光が通っていた点は、当たり前かも知れないが、新鮮な驚きであった。
 それでは、現在使用している光通信回線では具体的にどのような波長の光を用い、どのような装置構成で通信を実現しているのだろうか?もう少し掘り下げて調べてみた。
 参考文献[6]"FTTHによる放送と通信の同時配信技術の実用化について"に詳細が記載されていたので、下記に紹介する。フレッツ・テレビのシステム構成とは明記されていないが、内容は同一と考えられる。さらに詳細な内容については、参考文献[7]に記載がある。

波長多重による放送と通信の同時配信[6]
Bonu_wdm

放送用下り回線の光波長:1.55μm
通信用上り回線の光波長:1.3μm
通信用下り回線の光波長:1.49μm

光映像配信システムの概要[6]
Photo

 家庭に設置してあるONUは、図のWDMとV-ONUとB-ONUが一体化した装置である。

参考文献:
(1)フレッツ・テレビ
(2)フレッツ・テレビ 技術参考資料
(3)フレッツ-Wikipedia
(4)ケーブルテレビ-Wikipedia
(5)光放送--Wikipedia
(6)FTTHによる放送と通信の同時配信技術の実用化について
(7)FTTH発展に向けた光アクセスの動向 シンプルでスマートな光アクセスの動向
コメント (3)
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