福島第一原発の労働者は、使い捨てなのか?
東京電力福島第1原発の事故処理の最前線で4カ月間働き、放射線被ばくが原因で、がんになったとして労災申請した!
札幌市内の男性(55)は、
「線量計はピーピー鳴き続けた!」
「赤いバツのついたがれきを手作業で運んだ!」
56・41ミリシーベルトが、厚生労働省の「特定緊急作業従事者等被ばく線量等記録手帳」に記された2011年7月から10月までの4カ月間の男性の被ばく線量です!
しかし、現場の作業員たちは、
「本当は、こんなもんじゃない!」
と異口同音にいう!
放射線量の高い現場に到着すると、5分もたたずに胸の個人線量計の警告音が鳴りますが、
「まずいな!」
と現場責任者のつぶやきを合図に作業員全員が線量計を外してしまいます!
現場の放射能対策マニュアルでは、線量が高ければ現場から退避することになっていますが、実際は放射線を遮る鉛を張った車中に線量計を隠すなどして作業を続けさせられたようです!
この男性は、重機オペレーターとして道内外の工事現場を渡り歩いたが、原発は初めてだったが、大手ゼネコンの下請けで、月30万円近い基本給に1日1万円の危険手当が付いたので喜んで参加したという。
男性の作業は、主に重機の遠隔操作だが、コンクリートの破片を手作業で取り除く作業も多かったといいます!
線量の高い現場では、遠隔操作のロボットも使うが、ロボットが通る道を確保するためには、どうしても人の手が必要だったようです。
水素爆発で建屋が吹き飛んでしまった3号機の周辺には、1時間いただけで20~30ミリシーベルトを被ばくしてしまう場所があちこちにあり、特に線量の高いがれきには、赤いスプレーで「×」と印が付けてあるようです。
前線基地の免震重要棟での朝礼で
「赤い×には近づくな」
と注意した現場責任者自身が、最前線に行くとがれきを手作業で運んでおり、作業員も黙って手伝うしかなかったようです。
「言っていることとやってることが、まるで違った!」
防護マスクのあごの部分に、びっちりと汗がたまり、放射線対策の鉛が入った重さ15キロの防護服を着て原子炉近くで作業したこともあるともいいます。
命懸けで作業したのに、使い捨てにされた!
男性は今、そう思っているそうです!
膀胱(ぼうこう)と胃、大腸で癌が発見された!
転移したわけでもなく3カ所でがんが見つかったのは被ばくと関係あるはずだと考え、今年8月に労災を申請したという。