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マンマ・ミーア! ヒア・ウィー・ゴー

2018年09月04日 | 映画

ABBAのヒットナンバーで繰り広げられるミュージカル「マンマ・ミーア!」(2008)の続編。前作のキャストにリリー・ジェイムズが加わり、「マリーゴールド・ホテル」シリーズで脚本を手掛けたオル・パーカーが監督・脚本を務めています。

マンマ・ミーア! ヒア・ウィー・ゴー (Mamma Mia! Here We Go Again)

ギリシャ・カロカイリ島。ソフィ(アマンダ・サイフリッド)は、母ドナ(メリル・ストリープ)との夢だったリゾートホテルを完成させ、オープニングパーティの準備に追われていました。そんな折、ニューヨークにいる夫のスカイ(ドミニク・クーパー)から、いっしょにこちらで暮らさないかと誘われ、心が揺れ動きます..。

前作「マンマ・ミーア!」は映画もブロードウェイの舞台も見ている大好きなミュージカル。続編の本作は、シアターで何度も予告を見る機会があり、そのたびに音楽に合わせて体をゆらしながら楽しみにしていました。私はABBAを聴いた世代なので、ヒット曲はだいたい知っていますが、当時は健全すぎるサウンドがあまり好みではなかったのです。

でも今、ストーリーにのせながら聴くと、メロディにも歌詞にも自然と感情移入するのを感じます。時代を経ても色あせない魅力があるのはすごいことだと、ただただ感服します。思いっきりハッピーになれるすてきな作品でした。

 

映画は、ソフィがホテルの準備に奮闘する現在と、ドナの若き日の物語とが、リンクするような形で進行していきます。若き日のドナを演じるのがリリー・ジェイムズ。本作ではメリル・ストリープは陰にまわり、アマンダ・サイフリッドとリリー・ジェイムズのダブル主演となっています。

そして、ソフィにはどうして3人のパパがいるのか? ドナは3人とどうやって出会ったのか? その秘密が明らかになります。3人のパパと、ダイナモス(ドナが若い頃に結成したボーカルグループ)の3人は、現在と若い頃とそれぞれ2人の俳優が演じていますが、雰囲気をよく似せていてびっくり。

たとえばハリー(コリン・ファース)は、若い頃から理屈っぽくて生真面目だったし、ビル(ステラン・スカルスガルド)は気ままな遊び人風といった感じ。サム(ピアーズ・ブロスナン)の若い頃を演じていたのが「戦火の馬」(2011)のジェレミー・アーヴァインだったのもうれしいサプライズでした。

リリー・ジェイムズもすごくチャーミングでした。メリル・ストリープにそれほど似ているわけではないのに、陽気で人懐こくて生命力にあふれていて、きっとドナの若い頃はこんな感じだったんだなーと思わせる力がありました。アマンダ・サイフリッドの美声は「レ・ミゼラブル」で知っていましたが、どの俳優さんも歌と踊りがすばらしかったです。

冒頭からノンストップでノリノリの音楽が繰り広げられますが、一番盛り上がったのはやはりダンシング・クイーンの場面です。

ホテルのオープニングの準備がすっかり整った時に、嵐がやってきてすべてが台無しになってしまいます。船も欠航し、誰もパーティに来てくれない...とソフィが涙ぐんだところに、満艦飾の船。そして全員によるダンシング・クイーン! ここは予告で何度も見たシーンなのに、感動してほろりとしてしまいました。

そしてパーティが始まるころ、満を持してソフィの祖母が登場。演じるのは歌姫シェール! シェールのラスボス感が半端なく、彼女が歌い始めたとたん、これまでのストーリーが全部持っていかれるほどのすさまじい破壊力でした。^^;

やがてソフィに赤ちゃんが生まれ、洗礼式の場面も感動的でした。祖母から母、そして娘、孫へとつながっていく命のバトンに胸が熱くなりました。

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