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ウエスト・サイド・ストーリー

2022年03月06日 | 映画

スティーヴン・スピルバーグ監督による名作ミュージカルの再映画化です。

ウエスト・サイド・ストーリー (West Side Story)

ミュージカルが大好きなので楽しみにしていた本作、公開初日に見に行ってまいりました。スピルバーグ監督がこの名作を、現代にどのように蘇らせるのか興味津々でしたが、舞台となる時代やストーリー、バーンスタインによる音楽はそのままに

現代に生きる私たちにリアルに届くメッセージとなっていたのがすばらしかった! バーンスタインの音楽はもちろん、世界最高峰のダンス、そして歌もすばらしく、見た後もしばらく興奮の中にいました。お気に入りの一作になりました。

NYCの空撮から始まる1961年版に対して、2021年版は再開発のただなかにあるリンカーンセンターの工事現場から始まります。

都市の再開発のために弱者が居場所を失うこと。それによって引き起こされる人種間の縄張り争い、ヒスパニック系移民たちへの差別。劣悪な家庭環境のために、貧困から抜け出すことができない白人移民の若者たち。

彼らを見ていると、どうしてこんな馬鹿げた喧嘩にばかりエネルギーを使うんだろう、毎日をまじめに生きれば貧困から抜け出せるのに、と歯がゆい気持ちになりますが、ふと世界を見渡せば、こんな馬鹿げたことで争っているのは大人たちの方なのですよね。

ラストのマリアの叫びは、私たちの心の叫びでもあるのだと思いました。

ベビー・フェイスのアンセル・アルゴートは、トニーのイメージにぴったり。マリア役のレイチェル・レグラーの美しい歌声に聴き惚れました。ジェッツのリーダー、リフ役のマイク・ファイストのいかにもやんちゃでワルなキャラクターも魅力的。

ベルナルド役のデヴィッド・アルヴァレスは、ちょっとコリン・ファレルに似ているような。アニータ役のアリアナ・デボーズのパワフルなダンス。そしてドラッグストアのバレンティーナは、1961年版でアニータを演じたリタ・モレノ!

アンセル以外はほとんど知らない俳優さんたちでしたが、それゆえにフレッシュな魅力にあふれていてとてもよかったです。

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以前舞台版を見た時の感想はこちら。1961年版映画にもちょこっと触れています。。

東急シアターオーブ杮落し公演「ウエスト・サイド・ストーリー」(2012-07-31)

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