映画「ウエスト・サイド・ストーリー」に登場して、とても懐かしかったのがクロイスターズ (The Met Cloisters)。マリアとトニーが、最初で最後のデートで訪れた場所です。
クロイスターズは、ニューヨークのメトロポリタン美術館の別館です。場所はマンハッタン島の最北端に近い、ハドソン川を見下ろす高台にあります。
全体としては中世ヨーロッパの修道院の建築様式を模していて、フランスから移築された修道院の5つのクロイスター (回廊) から構成されています。
ニューヨークであることをしばし忘れてしまいそうな静かな佇まいに、心が洗われるような気持ちになります。トニーがマリアをここに連れてきたのは、ここが日常の争いとは無縁の世界だからかもしれません。
トニーとってマリアは、平和な世界で生きていくための道しるべとなる、まさに聖母のような存在だったのでしょうね。
よろしかったら、過去記事もどうぞ。
クロイスターズ(メトロポリタン美術館別館) 2007-05-23
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スピルバーグのウエスト・サイド・ストーリーは、悲劇的なストーリーや、圧倒的な歌やダンス、フレッシュなキャスト、臨場感あふれる映像もすばらしかったですが、バーンスタインの音楽の力を改めて実感しました。
曲の中にさりげなく取り入れられている、長調でもなく短調でもない、かといって不協和音でもない独特の音階は、不穏な空気に包まれていて、結末の悲劇を予感させます。
名曲揃いの中で、私が今回取り上げたいのはマンボ! 映画では高校のジム (体育館) で開かれるダンスパーティで演奏されます。学校のジムというのがいかにもアメリカン。敵対するチームが来るとわかっていて、どうしてわざわざ行くのか謎ですが。^^;
下にリンクする動画は、ピアノのラベック姉妹が演奏するマンボです。ラベック姉妹のこの演奏が大好きで、映画を見る前からよく聴いていました。ピアノ2台で繰り広げられるオーケストラのような迫力の演奏を是非聴いてみてくださいね。
Katia & Marielle Labèque: West Side Story