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西ノ京にある2つの寺院 唐招提寺と薬師寺へ

2022年05月03日 | +奈良

奈良町でお豆腐料理のお昼をいただいた後は、近鉄奈良駅から西ノ京へ。西ノ京駅から歩いて行けるところに、唐招提寺と薬師寺があります。どちらの寺院も中高の修学旅行で行ったはずですが、ほとんど覚えていません。新鮮な気持ちで訪れました。

まずは駅から歩いて15分くらいのところにある唐招提寺を訪れました。途中は奈良市内とは思えないのどかな住宅街を歩きます。道を横切る小動物がいて、猫にしては大きいと思ったらなんと狸でした。えさが豊富にあるのか丸々と太っていましたよ。

唐招提寺は、唐からはるばるやってきた鑑真が759年に創建したお寺です。南大門から入ってすぐ正面に見える金堂は、奈良時代に建立した現存唯一の建築で、国宝となっています。堂々として端正な佇まいに圧倒されました。

荘厳な木造建築ながら、正面に並ぶ8本の柱は、遠くギリシャの神殿に見られるエンタシスの柱がシルクロードを渡って伝えられた建築技法で、その壮大な文化の伝来に思わずため息がこぼれました。

広大な唐招提寺の境内にはさまざまな伽藍がありますが、緑が豊富で、まるでひとつの村のようでした。正面奥に見えるのは開山堂。今は御影堂に安置されている鑑真和上座像の身代わり像が置かれ、公開されています。

左に見える階段を奥に進むと石塀に囲まれた御影堂がありますが、ふだんは公開されていません。中には国宝の鑑真和上座像の他、東山魁夷画伯の筆による、みごとな襖絵があります。この襖絵は以前、国立新美術館で鑑賞する機会がありました。

生誕110年 東山魁夷展 (2018-11-16)

境内にはこのようなのどかな風景も見られ、気持ちが安らぎました。道のわきには細長くはす池が続いていて、燕子花(かきつばた)の緑の葉が目に鮮やかでした。今頃は青いきれいな花が咲いていることでしょう。

戒壇。かつて僧となるための授戒が行われる建物がありましたが焼失し、今は石段だけが残っています。その上にインド・サンチーの古塔を模した宝塔が築かれています。

経蔵。奈良時代に建てられた、唐招提寺で最も古い建造物。日本最古の校倉です。

ほのかにピンク色に染まった愛らしい桜。

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さて、この後は駅までもどって駅前にある薬師寺を訪れました。薬師寺もほとんど記憶にないのですが、修学旅行の時にお話上手なお坊さんがおもしろおかしくお寺を紹介してくれたのを覚えています。生徒たちが退屈しないよう工夫してくれたのかな?

薬師寺は、天武天皇により680年に創建された寺院です。もとは橿原の藤原京に建てられましたが、平城京への遷都にともない、この西ノ京に移されました。

正面の建物は、薬師三尊像(国宝)を祀る金堂(1976年再建)。左奥に東塔(国宝)、右奥に西棟(1981年再建)。

東塔は創建当時の奈良時代から唯一残る建物です。大小の屋根が6段ありますが、1・3・5段の小さい屋根は裳階(もこし)という庇(ひさし)に類するもので、正しくは三重塔となっています。黒くきりりとしまった姿が凛々しかったです。

金堂などを擁する白鴎伽藍から通りをはさんで、玄獎三蔵院伽藍があります。こちらは玄獎三蔵の遺徳を伝えるために1991年に建立されたばかりの新しい伽藍です。

平山郁夫画伯により奉納された「大唐西域壁画」を見ることができました。

西ノ京駅前に咲いていた桜。

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