☆2009年11月27日追記☆
「記事を書いた当時の私の考えであり、
現在とは異なる箇所もあります」
1.肥大型心筋症(HCM)とは
肥大型心筋症(HCM: hyperthrophic cardiomyopathy)とは、
心臓の左心室の壁となる筋肉が異常に厚くなる疾患です。
左心室の壁の肥大がみられ、それが他の疾患(例えば腎臓病に伴う
高血圧など)によって二次的に引き起こされたのではない場合に、
HCMと診断されます。
2.HCMの進行による機能障害
左心室の壁が厚くなることで、左心室の容量が縮小し、
その結果として、心室に入る血液の量が減る。
左心室の壁が硬化することで、左心室が十分に弛緩できなくなり、
心室に血液を効率よく満たせなくなる。
左心室の弛緩期に心室内の圧力が増加することで、血液が肺の血管に逆流し、
鬱血性心不全(肺水腫や胸膜滲出:血液や組織液が
肺や胸膜にしみだす)をひきおこす。
☆テンは2006年9月末に元気がなくなり病院に連れていった際、
発熱があり、肺の血管が太くなっている=心臓に負担がかかっていると指摘され
その後、レントゲンで胸水が発覚しました。
左心室の容量が縮小して、心室内の血液の量が減ると、
心臓が1回に体全体へ送り出すことのできる血液量が減少する。
体の重要な臓器へ流れる血液量が十分でないと、
これを補うために心拍数が上昇します。
左心室の筋肉が硬化し心房から十分に血液を受取れなくなるために、
左心房内の圧力が上昇し、その結果として心房が拡大することがある。
左心房が拡大すると、血流が遅くなるため、心房内で血栓ができることがある。
心臓から循環器系に流れ出した血栓は、血管に付着し、そこから先の
血液の流れを止める(血栓症)。
典型的な症状である後脚の麻痺は、
後脚へと分かれて降りてくる動脈に血栓ができた場合に起こる。
3.HCMの症状
HCMを持つ猫は全く臨床的な症状を示さないことがある(無症状)
臨床的な症状としては、例えば呼吸困難の兆候、心臓発作、
脚の麻痺(血栓症)など。
ひどい場合には、突然死といった激しい症状を示すこともある。
呼吸数のわずかな増加は、症状としては
非常に軽いためほとんど気付かれることがない。
HCMの猫の多くは疾患が進むにつれて、心拍数の増加、
心雑音、余分な心拍音などがみられる。
☆テンの場合、いつもに比べて遊ばなくなったり、
ひとりでじっとしていることが多くなり
念のため病院に連れて行ったことで心筋症が発覚しました。
その時、テンの食欲は通常通りありました。
「食欲だけが体調の異変のサインだ」という思い込みを覆されました。
「季節の変わり目で眠たいだけなのかな」と思っていた自己判断も
危険だと思いました。
HCMはしばしば無症状なので、気付いた時には病状がかなり進行していて
手遅れになってしまっているということが多々あります。
4.HCMの原因
HCMの診断は、左心室の心筋肥大が、他の病気の
二次症状としておこったのではない場合に
確定される。(HCMに似た左心室の心筋肥大は、腎臓病に伴う高血圧や
甲状腺機能亢進症などの疾患によってもおこるが、
このような場合は正式にはHCMとは呼ばない)
HCMの原因は、発症の年齢が5歳以下の猫の場合、
先天的にその病気を持っていた可能性が高いとされる。
HCMの疾患が家族間でみられること、および両親の片方が疾患をもっているだけで
疾患を持つ子供が生まれることから、遺伝性の疾患であることが強く示唆されている。
☆テンは出会った当初、推定1歳だったので、HCMの発症は約3歳の時でした。
5.HCMの診断方法
最も信頼できるHCMの診断方法は心臓エコー(心臓の超音波検査)である。
心臓エコーでは、心臓の物理的な構造と心臓の機能の双方を確認することができる。
心電図やレントゲン検査は、追加的な情報としては有益だが、
決定的な診断を下すものではない。
さらに、心筋肥大がほかの疾患によるものかどうかを判断するために、
その他の検査もおこなわれる。
他の原因がなければ、HCMの診断が確定する。
HCMにかかった家族がいる猫は、HCMを持っている危険性が非常に高くなる。
このような猫は、定期的に心臓エコー検査をおこない、
状況をモニターすることが薦められる。
☆テンは触診の後、レントゲン検査を受けました。
最初のレントゲン検査で胸水がわかり、
まずは水を抜くための治療(利尿剤による)を始めました。
その間、同時にフィラリア等の伝染病の検査も受けました(いずれも問題なし)
2週間で胸水が消えたのち、レントゲンによる心臓肥大、
エコーによりHCMの診断を受けました。
~つづく
次回はHCMの治療や薬についてまとめます。
<参考文献・参考サイトなど>
もっともくわしいネコの病気百科(学習研究社)
日本ベェツグループ より
猫の心筋症
CAT network 猫と暮らす100のアイデア より
猫の肥大型心筋症(HCM)
Feline Hypertrophic Cardiomyopathy
ねこの病気について知らないことばっかりだと
よく思うのでうれしいです。
実は昨日麦太をつれて病院に行ってきました。
やっぱりあのブランケットぜ~んぶ食べてたんです!
結局レントゲンでは毛布は写らないので
レントゲンは撮らず、様子を見ることになりました
が、もし腸につまったら手術しかないそうです。
今のところ元気なので、よかったです~
supitenさんが詳しく説明していただいた肥大心筋症、
覚えておこうと思います。ありがとうございます。
猫たちも私たちも生きている間、
健康で元気に楽しく生活したいですもんね!
ずっとずっと前から病気について書こうと思っていて
こんなに遅くなってしまいました。
私も詳しく調べたのは初めてでした。
この病気については調べるほどに辛くなってしまうのですが…。
以前、rinkoさんも膀胱炎やストルバイト結晶について
詳しく書かれていましたよね。
ブログを始めてからいろんな方から
いろんな情報を得ることができて
それにたくさん応援もして頂いて
本当に助けられます。心強いです。
麦太くん、コメント頂いて心配でしたが、
とりあえずはほとんど吐き出してくれて
ほんとによかったですね!
安心しました!
読んで下さってありがとうございます。
防ぎようがない病気なのですが、
早期発見できるとゆっくり付き合っていくことが
できる病気なので、
少しでも気になることがあれば早めに病院に
つれていかなければいけないなぁと
私も実感しています。
そう!少しでも元気で少しでも楽しく!
一緒に暮らしたいなぁって心からそう思います。
実は、supitenさんのこの記事を読んではっちを病院に連れて行く気になりました。
やっぱり何か変だなと思ったらちょっとした事でも聞いておくに
越したことはないですよね。
おかげさまではっちのストルバイトも早期に発見できました!
supitenさん、テンちゃん、ありがとうございました!
いえいえ、これも同じ病気でこれまで勉強されてきて
様々な方法でサイトやブログを立ち上げて下さった
みなさんのおかげです。
はっちちゃんのストルバイトには本当に驚きました。
でも早期発見できてよかったですね。
rinkoさんの手作りご飯の試行錯誤の様子は
とても勉強になります。
私も土曜日にテンの少し気になることがあったので
病院に相談に行きました。
でも何にもなかったの♪よかった!
テンのことがあってから3にゃんずには
ますます目を光らせています(笑)
rinkoさん、こちらこそ本当にありがとうございました!