すがわらの工房日記

東北は岩手県一関市の呉服屋。こつこつと友禅染めをしています。

誂えの名古屋帯(過去作品)

2010-11-11 23:31:49 | 作品紹介

本日も過去作品の紹介をしましょうか

前回に引き続き

これもお客様のご要望でお誂えした品物です

名古屋帯なんですが

この時の事は絶対に忘れることは無いでしょう

時節も確か今時分…

その方は猫柳か何かの小枝に結び文をしていらっしゃって

「これでお願いします。」と一言

その結び文を解くと詩が詠まれているんですが、

その歌のイメージで帯を描いて欲しいというご依頼でした。

ドラマチック!!

ちなみにその歌はご主人が詠まれた歌だそうで、

ロマンチック!!

  

しかしこりゃ責任重大ですね

それで、制作するに当たっての条件が

地色は限りなく白に近い練り色で、

基本的に歌の中で詠われている内容のみでデザインする事。

太鼓には紋白蝶を2頭舞わせて雌雄を描き分ける事。

蝶の触覚等は実物に忠実に再現する事。

…と、まあ大体こんな感じで…

うぅむむ、これは、これはちょっと難しいんじゃないでしょうか

すぐに昆虫図鑑で紋白蝶について勉強する私

次の日には紋白蝶博士になっていた私。

みんな、紋白蝶について何か分かんない事があったら何でもオイラに聞くと良いよ!

ちなみに歌には

土筆、蓬、田の畦、が詠まれています

ちょっと材料少ないですね、どうやって色使おうかな

それはそれは悶絶する毎日でした

夢見ましたからね、その歌の事ばっか考えてたから。

そして出来たのがこちら

20101110134911931

何とか無理言って福寿草を描き足させて頂きました

でも、締めたとき太鼓にはぎりぎり出ません、垂れに二輪描いてあるって事で

一応歌の邪魔はしてませんね

「2頭の蝶の距離は私と主人のように付かず離れずの丁度良い距離で。」

と言うことでしたが、これも合格。

全てバッチリ合格。良かった!!

前はこんな感じ

201011102

どうせだから歌を会長の書で書いてもらいました

続きはもう片方に

101011103

うん、頑張った

私、よく頑張ったと思う。

  

お客様には本当に喜んで頂けて、私は腰が抜けるほどホッ、としました。

  

  

こちらは岩手県一関市京呉服すがわらです

すがわらの工房らくぜんではどんなものでもお誂え致します。

私が誠心誠意、精一杯、全力で手掛けますので、興味のある方は

一度試しに注文してみたら良いんじゃないかな。

  

  

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする