皆さんこんにちは!
ドライ水洗に出していた製作中の振り袖が帰ってきましたよー
ほら、鮮やか~
ここは上前身頃の部分です
柄を大体合わせてみましたよ
そして これが袖
大胆絢爛
どうやら特に何も問題なく、無事帰って来たようです ほっ。
さていよいよ最後の仕上げ、箔仕上げを施します
これは言うなれば着物のお化粧ですね
何てったって振り袖ですからね絢爛豪華にいきます
まずは金箔の準備
箔を適当な大きさに切っておきます
この箔はある程度の厚みがあるので、あかし紙を使わなくても平気です
箔によって扱い方はそれぞれです
準備が整ったら箔を押す部分に糊をぬります
糊が付いたとおりに箔が付くので慎重に
模様の際やエッジ部分は特に気をつけます
一度糊を塗ったら乾く前に一息に箔を押していきます
まずは一枚ずつ手に取って
そーっと、ぺたり
慎重に、箔に皺や折り目が付かないようにとにかく慎重に
手早く、確実に、丁寧に、そして急げ私
流れるような手順で、止まる事なく進めます
糊よ乾くな 潤いをもっと!
とにかく慎重に、今風が吹いたら大変な事がおこります
風よ吹くな 今は誰も俺に近づくな!
…で、箔を押し終わったら糊が乾くのを待ちます
乾くと箔がしっかり生地に喰いこんで、こんな風になります
しっかり付いてますね、これなら大丈夫。
使用している糊は生地用の箔糊です。
乾いても堅くなりにくく、ドライや水にも強いんです
裏からも見て糊が乾いていることをしっかり確かめてから
余分な箔を取ります
筆などでガサガサ払うと簡単に取れます
ほら、糊が付いた通りに箔がつくんですよ
取れた箔はきちんと集めて保管し、別の機会に砂子として使用します。
とりあえず立て枠の部分に箔を押したところ
うん、ピリッと締まりましたね
もう少し箔を使いますが、まずはこんな感じ
箔と同時進行で金線を引きます
金線とは、金紛を糊で練って筒で糸目の様に線を引くことです
この様に金を練ります
この糊の調合が上手くないと後で金線が生地から剥がれて残念なものになってしまいますから注意が必要です。
これも経験が物を言いますよ
調整が出来たら線を引きます
全部には引きません
模様を選んで金線を引きます
模様の輪郭がきらきらしますよ
きれいに引けた糸目の線が金で隠れてしまいますが、ピリッと締まります。
これで模様の見え方に変化がつくので、奥行きがついて
仕上がりに厚みが出ます。
さて、これで仕上げは全て終えました。
湯のしをかけて生地を整えたら あとは仕立て屋さんの仕事です
仕立て上がりが楽しみです。早く見たいなー
京呉服すがわらの工房らくぜんでは
新しいものばかりでなく、お客様の古いお着物の修理も行っております
例えば、どうしても落ちないシミの部分に柄を足したり、
古い留袖や訪問着等に箔を押して豪華に蘇らせたりも出来ます
いつでも何でもお気軽にご相談下さいね。