臨済宗南禅寺派圓通寺

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経典とは何か

2022-07-30 | 


〇仏教の経典『一切経』は8,000巻以上あります。禅ではさらに大自然も含まれます。鳥の声や虫の音、風の音もみな経典を読む声であると説きます。そのような教義は禅の他にはありません。

無念の念を念として謳うも舞うも法の声 「白隠禅師坐禅和讃」より 

〇講演会の後、次のような質問をいただくことがあります。
「キリスト教の経典は『バイブル』1冊で、本当の理解ができるかどうかは別として現代文に翻訳されているので読んで理解できます。仏教の経典は膨大な量で、しかも難しくて理解できない。もっとやさしい経典はないのですか」と。そのようなときはこのように答えます。「禅の経典は難しいといえば難しいが、鳥の声や虫の音も仏陀の説法だと言えばこんなにやさしい経典は他にないのではないでしょうか」。

〇前の動画「延命十句観音経」で「霊元上皇が霊空和尚に「やさしい経典を示せ」といわれ、一切経の中から探しておしめしした」と紹介しました。そのような経緯がなかったら、「延命十句観音経」は今のように知られていなかったでしょう。そこで「観世音と不二」と申しました。「見聞覚知するものと不二、一つである」それが「禅の経典の意味」です。

〇 6月中ごろ、京都の哲学の道や賀茂神社周辺にはホタルがでます。日本中の大都会でホタルを見ることができるのは京都だけです。でも近年その数は少なくなりました。鳥の声や虫の音を仏陀の説法といえば理屈の様ですが、心静かに坐ればそのように感じることができるはずです。そのように自分で感じるというところをたいせつにするのが禅の教えです。
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