彼岸太郎という俳句の季語がある。彼岸の第一日目が晴天だとその年の稲の実りがよいのだという。擬人化した日本的な表現である。他にも「土用三郎」といって土用の三日目が晴天だと秋は豊作だという。異常気象の近年ではこれが当たるかどうかは定かではない。
戦前の宮中では彼岸の中日のころに皇霊祭といって皇室の先祖を祀った。これが戦後になって自然をたたえ生物を慈しむための国民の祝日になった。もともと神道において農事始めに神事を営むころであり、平安遷都以降に仏教が法会を営むようになって彼岸会が定着した。
彼岸会は日本仏教の習慣であって他の国にはない。彼岸会は摂津の四天王寺で始まった行事であるだとか、桓武天皇(在位781~806)の怨霊払いが始まりなど諸説あるのだが、先に述べたように農耕社会の日本だから仏教行事として受け入れられたといってよい。
彼岸とは、此岸(煩悩の世界)に対し「彼の岸」つまり「悟りの岸」という意味である。仏教では煩悩を「海」や「大河」に喩えるのでそのように呼ぶのである。ではどのようにして彼岸にわたればいいのか。坐禅、写経、念仏など色々あるが、日常生活の中で仏教徒として何をすべきか。
それは先ず合掌である。合掌の功徳は大きい。合掌をしながら他人の悪口は言えない。もちろん盗みもできるはずはない。合掌をすれば仏戒はいらないのではないか。合掌を生活習慣にしたい。そこに彼岸があると信じてやまない。
坐禅会 毎週土曜日午前6:25~8:00
久留米市宮の陣町大杜1577-1圓通寺
初心者歓迎 参加費無料
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初回参加者は6:15までに来てください。
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