サンチョパンサの憂鬱

昼下がりのサンチョパンサ(2)……知らないことは悲劇ではない

何故か?昨日の夜、お客様は……二十代の若い人達ばかりが集中してやって来た。

その中に以前学生時代にアルバイトしてくれていた女性を含めた三人組がいた。
中々の食べっぷり、呑みっぷり……お見事!である。

人を観る時に……食欲旺盛か?否か?は『信頼感を計る』時に極めて有効な情報となる。
店が終わるまで残っていたので彼女達と様々な話をする事が出来た。

元アルバイト君は岡本太郎の本を今日買ったと見せてくれた。
読んでいると……不思議なのは貴方がバイト時代に様々話してくれた事と『かなりの部分が被る』のだと言う。

例えば?……自分の中にある強い毒の必要とか?

ある程度本気で生きたら?……大切なポイントは同じ様な事になるんだと思うと僕は言った。

君達はずっと……何故かは分からないけれど……『根拠のない怯え』を抱えて生きて来たんでしょ?……隣の人達がどうするのか?何を言うのか?そればかり気にして……。
それを確認してから、自分がどうするか?決めるという順番でね?

三人ともみんな……ウンウンと深く頷く。
どうしたら良いか?自分じゃ分からないから?
……ウンウン……。

ねぇ?……君達は分からなかったんだろうか?
それとも、自分で考えようとしなかったから?……ウ~ン???

何かについて知らないことが罪じゃなく……何かについて自分が知らないということを知らないことが『無思考状態を作る』んだと思う……と僕は言った。

例えば?……僕達はもしかしたら?近い将来『昆虫食』をしなきゃならない確率がとても高いかも知れない?……。
ソレをテレビが取り上げてる位、現実性が高い事を『自分は知らない』ことを知ったら?

そうしたらやっと自分で考える。
そんなの御免だ!とか?理屈抜きに自分の感性が反応を始める……。もしかしたら?農業を目指す発端となるかも知れない?

『何を演ったら良いか?』……自分は分からないことが分かると『自分で考える』ことが始まるかもよ?……と僕は先日のテレビのニュースの受け売りを例にして話した。

彼女達はかなり興味深く聞いている。それがよく分かった。
恐らく?……世の中は分からない事だらけだ!という『世の中のホント』の話だからだと思った。

『そんな事もこのオジサンは言ってるんです!』……と本を片手に元アルバイト君が言う。

君達はヒタスラに『分かっている振り』して生きて来たんでしょ?
ホントは何が?分からないのか?さえ分からないのに……?

このオジサンも言ってあげる。

分かった風な顔して生きてる奴は殆ど詐欺師の領域の人間だ……と。
分からない事だらけの世の中を必死に掻き分けながら生きるのが人生だと思いなさい。

一つ分かれば、新たに十も二十も分からない事が…やって来る。
ソコが人生の楽しさなのだと……。

『分からない事をどれだけ沢山頭に刻むか?』それが人生を楽しむってことなのだ……と。

『リスキー』じゃ駄目!それは想定であって現実じゃない……。何〜んも味わってないでしょ?
『リスク』と現実で対面すれば誰でも分かる。
コレが?『充実感』なのだと……。

今日帰って一人になったら……中に何も入ってない若くして『完成品の自分』を壊すことから始めて欲しい!……ウンウン!……彼女達は強く頷いた。

『何も分からない!というホントの話』は年代関係なく楽しめると思った。





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