サンチョパンサの憂鬱

軽い口は人の心を重くさせる

軽い口の持ち主……一杯居ます。
そもそもこの国の多数派ですからね……。

『信頼』なんて人は軽く口にするけれど……口に出さなきゃ確かめられない信頼は『口約束』っていう範疇のものである。

何かあって条件が変化すると失われる信頼なんぞ只の妄想と同んなじだけど人は寂しいからついついそれにもたれかかっちゃうものです。

えっ?そんなものなの?なんて後の祭り的に狼狽するのは……哀しく寂しい人間特有の性である。となれば出来る事は思いっきり自分の間抜け振りを笑い飛ばしてやる事くらいしかない。

大体にして自分を信頼出来ないくせに人を信頼するなんぞ大言壮語そのものなんじゃね?
と僕は……何度も自分で自分を笑い者にしてきたなぁ……。

落とし前着けるだけでウンザリする『信頼ゴッコ』の残骸を前に自嘲の笑いを浮かべ……
『アホの地』と一言で表現するっきゃない空っぽの境地に一人立ち尽くす。

悪意以外なーんも残されてない雑草繁る地に何時もの茫然自失って奴が押し寄せる。

『さあ、行けよ……』此処に居たって過去の妄想しかない。ここに止まれば彼等と同じ人種になっちまう。
前に歩を進める事だけが違いの証明書を手にする方法なのだから……。

軽い口から発せられる言葉は他人の事だけで出来ている。
まさに……その存在の耐えられない軽さである。自らの事はその軽い口にさえ乗せるモノが見当たらないのだろう……。

彼等は自らを語らない。
当たり前の話である。語るべき自分を持たない事だけが……彼等の強みなのだから……。

口さがない彼等の心が僕を見た風景はまさしく彼等の口によって語られた僕の姿、在り様に違いない……。

彼等に取って僕はその様な醜悪な存在だったという事だ。
それは『どの様なあなた方』が見たのですか?と聞きたくなるは当然だけど……しかし、そう聞く事は叶わないのである。

人の心に『その様な色』として見えた自分を内省し自分のこれからに活かすしかないのである。
軽い口はどんな 問題も軽く切り刻みながら語り進む。

自らの後ろめたさに耐えられない彼等はそれを被害者としての立場によってかわそうとする。軽い口から軽く発せられる言葉は……その話題の相手に取っては耐えられない改竄が施されるのである。

それはとても深刻な話だが……彼等はそんな『重い罪』を全て『無邪気な悪意』によって軽~くクリアしてしまうのである。
自らへの不注意と無理解は当然、他者と対する時のレベルとイコールだからである。

故にその口と言葉は何処までも軽く、彼等は『耐えられない存在の軽さ』を人生で表現し続ける事となるのである……。

軽~いお口の人間に神経を削り取られる暇があるなら前を見て進むしかない。
もどかしくもそれが一番の策なのである。

長い時間が過ぎ去った今となってはその一言一言に傷付いた自分が微笑ましくさえ感じられる。
自分の弱さから逃げなかった事だけがプライドとなり今の僕を支えている……。
正直僕はとても怖くて怯えていたのだから……
立派なもんだと思うのである。
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