サンチョパンサの憂鬱

昼下がりのサンチョパンサ(2)……集団就職ってあったよね?

最近よく……吉田拓郎に出会す事が多い。
久し振りに……73年、アルバム『御伽草子』に収録されてた『制服』を聴いた。

✳~✳『制服』の中の一節

✳ ラッシュ・アワーが 疲れを吐き出してる

人の多さまでが ものめずらしげに見えて
東京駅地下道の人ごみの中 
ひと群れの制服の娘たちがいる

真新しいスーツ・ケースを提げて
集団就職で今着いたらしい……

……家を出る前の晩は 赤飯など食べて
家族揃って泣き笑いしたのかい
里心だけは まだ田舎の家に置き
それでも家を出てくる魅力に負けて

……どうですか東京って奴の御挨拶の仕方は
みんな押し黙ったままの この人ごみは
そう これが都会って奴の御挨拶の仕方なんだよ……

……駆け引きのうまい男ばかり出世して
きれいな腹の男はもう拗ねてしまってる
……悲しみの唄がなぜ街に流れるかも判ってきて 使うのに容易く 稼ぐのに辛い 
そんな給料の苦さも知ってしまうんだろうね……

今度きみが故郷に帰ってゆくまでには
親に語れない秘密のひとつやふたつは
できてしまって嘘もついてしまうんだね 
騙された男のことはきっと話さないだろうね

ぼくはこれから大阪へ行くところ
いちばんきれいだった女の子の顔など
思いだし制服が人ごみの中に消えてゆくのを
振りかえりながら ぼくは見送っている……✳

少年少女達は……誰もが一度は東京で!と夢見てた時代。
実際、東京は新しい文化や暮らしかた、刺激的な様々の快楽を少年少女達に提案し夢を見させる力があった……?
当時も……東京の現実はカネが無きゃただの酷い地獄……しかし、そんな事は想像だにさせない魅力を放っていたんだろう……。

やっとここに来てコロナもあって……『幸せって何?』てな本気の疑問を抱く人達が増えた。
ソレと共に地方の理屈抜きの『東京信仰』って奴が鎮静化してきた様な気がする。

テレビやネットで日々『東京の今』を浴び続け
……東京の人の数と欲望が多いっていうアドバンテージは色褪せていく。

地理的、数量的な条件はあんまり自分の幸福度に対する影響が無くなりつつあるな……?
歌を聴きながらふと、そう思った。

要は……自分が何を考え何を行うか?
そして、ソレをどう?感じるのか?……幸福の在処(ありか)はソコにしかないんだな?…と。

集団就職……負の面は多々あったろう?
しかし、兎に角……地理的に東京へ移動し住み着けば!と……少年少女達が『何かの希望とチャンス』を夢想する事が出来た時代……。

二万円、三万円で自分の身体とプライドを脂ぎったオッサンに切り売りする少女達は居なかった様な気がする。

自分の心と身体と引き換えに得たカネで何かを買いその日を終える少女達の幸福……マッチが燃え尽きる数秒間の幸せの光景に見入ったマッチ売りの少女見たいだな?……と思った。
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