サンチョパンサの憂鬱

盗撮男の恐怖……

地下街から電車通りに上がるエスカレーターがある。
一階と地下街の終点をつなぐエスカレーター付近は都会のエアポケットというか、急に閑散とした雰囲気になる。

かなり急な傾斜は時折、若い女性達をピンチに追い込む。男の悪意無くともスカートからパンツが垣間見える場合がある。あくまでも偶然であり断じて故意にではなく……。

過去に二度若い男がスカートの下から盗撮する場面に出くわした事がある。

短めのスカートの若い女性が何段か上を登って行く。こりゃ見える?じゃねえか!
身体の向きを横に変えて壁を見ながら登る……見て堪るか!真っ昼間から隙を狙って若い女のパンツなんぞ覗き見るなんてのはプライドが……許さん。

一瞬の出来事だった。サッ!と僕の横をすり抜けて若い男がその女の後ろに立って素早く
スマホをスカートの下に入れて撮影した。

そういう奴はクズだのなんのという日頃の鼻息は何処へやら……悪寒と共に生理的な嫌悪感で僕は金縛りにあった様に固まった。
初体験の今まで味わった事のない恐怖だった……。レイプされる時の女の人の恐怖が少し理解出来た様な気がした……。

エスカレーターを昇りきった男は女の背後からサッと離れターンして逆方向に歩き去って行った。

スマホを覗きながら戦果?を確認しながら人混みの中に紛れて行った男の背中を見ながら暫し僕はそこに立ち尽くしたままだった。

自分のスケベ偏差値は70を越える位の立派なモノだと自認している。
しかし盗撮はそれとは分野を異にする問題だと感じたのである。
フェア度合いゼロの狡猾でおぞましい仕業なんだとつくづく……。

ウーン……例えば戦場での正面切っての撃ち合いの末での殺人と……戦場で投降した無抵抗の捕虜を後ろから騙し撃ち殺す行為との違い?とでもいうのかな?……。

エロスの勝負はフェアでありたいモノだと思う……。
多くのヤリマン、ヤリチンは『ヤル事』は一緒だと言うけれど……そりゃグロテスクって奴だからね?……と店で話した。

なーに言ってんですか?この意気地無しが!
と店長以下女性スタッフ達に一斉攻撃 されたのだった。

だってね……だって本当に怖かったんだもの……。フィジカル勝負ならその男に絶対勝てる事は、歴然としてた……。
なんというか……ナメクジは小さくても怖い。そんな感覚だったのである。
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