✳~✳中島みゆき『悪女』の一節
付き合っている男に浮気(本気かも?)してる娘がいる❗?
鞘当てなのか?嫉妬なのか?意趣返しなのか?
再び男の興味を呼び戻したいのか?……愛想尽かさせて浮気相手に走る様に仕向ける複雑な女心……である。
反発するのも、素直になるのも……とても振り幅大きい力感溢れる力業の画策である。
1981年発売……コレもバブル黎明期の女心だ……。
当時……何処のスナックに行っても様々の年代の様々な女達がカラオケで唄ってた。
✳ マリコの部屋へ 電話をかけて
男と遊んでる芝居 続けてきたけれど…………土曜でなけりゃ 映画も早い
ホテルのロビーも いつまで居られるわけもない
帰れるあての あなたの部屋も
受話器をはずしたままね 話し中……✳
対する男もまた強かである。受話器を外しっぱして応戦している。
お互い……別れは相手から口にさせたい?のか男からは後ろめたくて?言い出せないのか?
✳……悪女になるなら 月夜はおよしよ
素直になりすぎる
隠しておいた言葉がほろり
こぼれてしまう 「行かないで」……
女のつけぬ コロンを買って
深夜のサ店の鏡で うなじにつけたなら
夜明けを待って 一番電車
凍えて帰れば わざと捨てゼリフ……
涙も捨てて 情も捨てて
あなたが早く私に 愛想を尽かすまで
あなたの隠す あの娘のもとへ
あなたを早く 渡してしまうまで ✳
隠しておいた言葉がほろり
こぼれてしまう 「行かないで」……
女のつけぬ コロンを買って
深夜のサ店の鏡で うなじにつけたなら
夜明けを待って 一番電車
凍えて帰れば わざと捨てゼリフ……
涙も捨てて 情も捨てて
あなたが早く私に 愛想を尽かすまで
あなたの隠す あの娘のもとへ
あなたを早く 渡してしまうまで ✳
二人の状況、情景を想像するに……お互いが、『時間と心に質的な余裕』を有している事に素晴らしい❗❗❗と驚くのである……。
一夜明けての朝帰りの演出に……実に微に入り細に入りの準備をするそのエネルギー。
このリズムとテンポでのストーリー運びならば結果はどうであれ、お互いの心の奥に確りと刻まれ色褪せることもないだろうなぁ……と。
逆に言えば、まどろっこしくもあり、何れにしてもその先に絶望的結果しか見えないのに、その拘りって何?……。
そう感じてしまうのは四十年後の現在を生きてる僕には様々の面に於いて余裕って奴がタイトなんだろうなぁ?……。
僕は……男。
頭でしか分かって上げられない。
それは女のプライドなのでしょうか?
あの年代の女は……打算や計算では持てない情念の領域の深く重い『思いを抱く事』が出来たんだね?
私ったら別れちゃったの❗……今度の彼はね……云々……と演ってるレベルではない。
今風に言えば『重い演り取り』なんだけど……令和になっても……女達から熱い支持を受けてるこの曲……女心の深い部分のツボをエラク刺激するのかもね……?
『男と女のお付き合い』ってモノに……男も女も『何か大きな意味』を求めていた。
少なくとも、女の男に対する判断が……顔とカネと勤務先だけで出来てはいなかったのである……。
昭和って……カネと心の塩梅って奴が程よくバランスしてたのかもね?
格差も……最低層と最高層が五倍の中に皆で居れた最後の時期の歌である。