サンチョパンサの憂鬱

繋がって分断される寂しさ……

十何年間でスマホとネットが生活に根付いた……けど。

以前にこれもネット関連の弊害として『トンネルビジョンとエコーチェンバー』について書いたことがある。

同じ傾向を持つ人が集まり易いという『ネットの特性』故に『極端に情報が限定的になる』……その結果間違った情報が喧伝されひいてはネット殺人事件まで引き起こすに至った事例もある(メキシコで嘘の誘拐犯人に仕立て上げられた人が……殺された事件)……と。

エコーチェンバーとは自分と似た意見ばかりを繰り返し聞かされると、自分の意見が強化されたと勘違いが起こり盲信に至るというものだ。

トンネルビジョンとはその名の通り、トンネルの中の様に……限られた視界で事象を眺め続ける様に……なる事。自分と似た意見以外を跳ね退けて狭い範囲の情報ばかりを見る様に……なる現象。

成る程、IT技術は進化し続け世の中に利便を供給し続けるけれど……しかしその新しいツールに対する『人間の処理能力』がついて行けてないんじゃね?……て事だと思う。

エコーチェンバー、トンネルビジョンなんて愚かしい環境に身を置く様になるなんて……ネットによって人間が自らの思考力、判断力を恐ろしく劣化させてしまってる事を物語っている。

ITはおカネに似ている……と思う。

自分の人間的能力(当然知力も含めて) 以上のモノを与えられても使いこなせない。
そのオーバーフロー分は結局身に付かず、悪銭として自分を堕落させてしまう要素になるのだ!……という点に於いて。

ITの処理能力の進化に見合うだけ、自分の目的設定力を進化させないと使いこなせないだけじゃなく、『ITにこき使われる』様になり……ただ使う為に使っているという超無駄を生む事になってしまうのである……。

一つ一つのスレッドには、そのスレッド特有の言い回しや隠語が定着している。
見事な迄に同一化され統一されているのである。

自分が同化を望む場合以外にソコに割って入る意味もなし……状態。
彼等と異なる意見なんぞ即座に集中砲火を浴びて撃沈となる。

凄く醜い差別用語であれ、そんな『同行の志の集まり』ではそれこそが身分証明と恭順の意を表す『会員証の如く機能』しているのである。

『ある一つの考え方』でガッチリ固められ異論、異見を許さない?(というよりメンバー一人一人に強く自己規制が働いてる)……そんな組織、グループには『薄気味悪い違和感』が強く漂う……。

それは一つ一つの個性の違いを越えてコンセンサスが得られてない『不自然さが原因』なんだと思う。
先ず優先されているのはそのメンバーなり組織の『会則ありき』で……人間の『自然な個性の差違』というものが『意図的に消去されている』のである。

『他人の為になる事』一つ取り上げても人によって様々な方法が存在する筈だけど……。

何故?そんな愚かしい現象が起こるのか?……それは『中途半端に寂しい人』というのは『そんな強い縛り』を自ら好み、その歪な帰属意識によって自分の慰めとしてるからに他ならない。

本当の自分の弱さや悪徳を知らない限り、本当の自分の強さや正義には出逢えない……。

冷徹な数学で出来ているITに対応するには極めて人間的な『哲学』と向き合わなければならないとは……難儀で不思議な時代ではある。
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