「必要最小限の実力行使にとどめること」とあるが、事態は国の存立が脅かされ、国民を護るため他に適当な手段がない時に、どやって必要最小限の実力行使の兵力しか使用できないのか。先の大戦であの苦いガダルカナル攻防戦逐次投入を繰り返し、一木支隊も川口支隊も相次いで敗退、半年にわたる死闘苦闘の末、遂に「ガダルカナル」を放棄し数万の人命と多数の海軍舟艇、飛行機、船舶を失い作戦は終わった。今日の日本には、強力なアメリカが守ってくれると思っていていいのか。侵攻で立ち向かってくる敵軍は日本の国内法など眼中になく、レーニンがゴーリキーに「殴り合いのとき、必要な打撃と余分な打撃とどん物差しで測るつもりかね」と伝えられている通り必要最小限などと、合理的必要限度の判定は不可能である。小刻みな自衛隊の投入は厳に慎むべきである。70年にわたり我が国の平和と安全が確保されたのは、自らの適切な規模の防衛力とアメリカとの安全保障体制により外部からの武力侵略が未然に防止されたからではない。いかなる事態において適切規模の防衛力がやくだったか。そのような事態が発生しなかったという僥倖に過ぎない。