ザイルと焚火と焼酎と

ザイルを使う登山にちょっぴり憧れ、山中に泊まると焚火を囲み、下山後は焼酎でほのかに酩酊。いい加減なのんびり登山の日記です

久し振りにハイペースな山行をヤケト尾根で 1/2 ――― 前半はザレやガレの急登、後半は雪のヤケト尾根

2016年04月12日 | ハイキング/奥多摩

2016/3/27  前々日にS子と榧ノ木山へ登ってすぐの、今度はヤケト尾根からの日陰名栗山1725mです。体調は万全なのですが、何しろこれから入会しようと考えている山岳会の体験山行ですから、いろんな意味で緊張します。ちなみに会の名前をYYDと表記します。

ヤケト尾根は日陰名栗山の北尾根で、明瞭な踏み跡乏しく、けっこう奥多摩の中では体力勝負の尾根。昔、雪の多く残る中を終始トップでラッセルし、山頂に着いてゆっくりと座った途端に脚が攣った記憶があります。

今日のメンバーはYYDの会長のS原さんと女性会員のN本さん。HPを見るかぎり、S原さんは強そうな方ですし、この山行に参加する女性ですからN本さんも強い方なんでしょう。
S原さんには電車の中で合流。HPの写真で見るよりがっちりした体躯の方です。N本さんとは奥多摩駅で合流。 大柄な女性です。


▲終点の東日原バス停にこれから到着です。8:46ころ。


▲いつも迎えてくれる稲村岩。8:59ころ。


▲八丁橋の先のゲートが立派になっていました。S原さんとN本さん。9:33ころ。

コースタイム1時間のところを40分ほどで来ています。写真を撮る暇もありません。


▲もうヤケト尾根取り付きへ向かう入り口に到着です! 東京都水道局の看板が立っていて「通行禁止 この先、危険のため通行を禁止します」と書いてあります。僕たちにとってはそんな看板は逆効果ですね。ますます行ってみたくなります。9:45ころ。


▲「通行禁止」の看板の横を素通りし、しっかりした踏み跡を辿ります。トップはN本さん、僕が続いて、ラストがS原さんです。9:50ころ。


▲小尾根を右に回り込み、沢床へ下降していくと、吊り橋が見えて来ます。9:54ころ。


▲か細い踏み跡が急な山肌にジグザグについています。枯葉も多く乗っていますから、踏み外しは厳禁。滑落すると谷底へ真っ逆さまです。9:57ころ。


▲高度計を持って来ていませんでしたから、このコル状の地形がどこなのか? 特定できませんでした。僕は860mのコルだと思うのですが。S原さんはまだそこまでは来ていないのでは、という考えでした。確かにまだ吊り橋(標高750m)を渡ってから10分も経っていませんから、810m付近なのかもしれませんね。10:03ころ。


▲踏み跡が尾根の左側(下から見て)に付いていましたが、途中で急なザレ場をすぐ上の尾根へジグザグに登って行きました。尾根に踏み跡がしっかりと付いています。その踏み跡がこの写真の先で再び尾根の左側へ回り込みます。一瞬、ここは踏み跡から離れて尾根を直登した方がいいのではないか? とも考えましたけれど、しっかりした踏み跡があるとどうしてもそちらを選んでしまいますよね。
この写真の左上に写っているコルが860mのコルかもしれませんね。10:19ころ。


▲案の定、その踏み跡は尾根からどんどん離れてしまい、どこかから尾根へ戻らなければならない羽目になってしまいました。尾根へ戻る斜面はどこもすごく急です。そんな中で比較的緩やかそうな斜面を選んで登りましたが、やっぱり急です。枯れ木を掴まないよう、浮石に乗らないよう、細心の注意を払いながら、時には大胆に一歩を踏み出して登って行きました。10:26ころ。


▲N本さんも慣れないこんな斜面をしっかりと登って来ます。10:31ころ。


▲もう、あのあたりまで来ると安全です。10:35ころ。


▲尾根に出るとピンクのテープがありました。最初から尾根を歩いているようです。ここからも時折かすかな踏み跡があることも。基本的には地形的に楽なコースを選んで歩きます。後ろに見えている山は何でしょう? 山座同定する時間もありませんでしたから、よく分かりませんね。タワ尾根なのか、長沢背稜なのか? その両方なのか? 10:37ころ。


▲予報は曇りメインでしたが、思いのほか好天です。10:43ころ。


▲この傾斜がずうっと続くとなかなかに大変です。10:49ころ。


▲後方は長沢背稜でしょうね。カラマツが多くなってきました。11:10ころ。


▲今度はブナの木が現われ始めましたね。11:26ころ。


▲S原さんもブナを写真に収めています。11:37ころ。


▲ときおり雪も出て来ました。11:40ころ。


▲本格的に雪が多くなってきました。11:58ころ。


▲こんな感じ。12:03ころ。


▲見事な太い馬酔木の木が出現しました。12:20ころ。


▲馬酔木の木がたくさん。この辺りの馬酔木にはたくさんの蕾があります。今年は表年のようですね。12:29ころ。


▲とうとう石尾根ニ到着です。あと10mくらい。ずっとN本さんがトップを歩いて来ました。12:45ころ。

ヤケト尾根の取付きから石尾根まで約3時間。東隣りの稲村岩尾根のコースタイムが3時間5分ですから、とてもいいペースです。しかも、休憩込みの時間ですし。途中、2回ほど休憩したのでしょうか? 1回だったかな? 僕がリーダーなら、途中で2回は行動食をとる休憩をすることでしょう。YYDはペースが速い! S原さんが速いのかな? ゆっくりとは意識的に歩けますが、いくら頑張っても速く歩けない人は歩けませんから、速く歩けることはいいことですね。


倉戸山、榧ノ木山はまだ冬でした 2/2 ――― 水根沢林道を雪降る中、下山しました

2016年04月08日 | ハイキング/奥多摩

2016/3/25  S子にとっては今年になって初の標高1000m越えです。(あっ! 僕にとってもそうでした)。倉戸山に到着したときに様子を見て、もし無理そうだったら熱海へ下山しようと思っていました。最初の急登ではさすがに時間がかかりましたが、その後はほぼコースタイムとほとんど変わらないスピードで歩けています。 


▲榧ノ木山から見える山並み。中央に連なっている山塊は大菩薩連嶺でしょう。13:16ころ。


▲中央左に見える山頂がギザギザした感じの山は黒川鶏冠山だと思います。だとすると、中央遠くに見える山は南アルプスの仙丈ヶ岳なのでしょうね。13:19ころ。


▲中央の黒川鶏冠山の右に仙丈ヶ岳、さらにその右にはよく見ると黒々とした山容で甲斐駒ヶ岳が見えます。となると、左側に薄っすらと見えている山々は北岳や間ノ岳でしょう。13:23ころ。


▲雪が1~2cmも積もったんですね。13:40ころ。


▲榧ノ木尾根から水根沢林道への分岐を過ぎると、途端に雪の量が増えました。谷あいの道ですから、日当たりも悪いですし、気温も低いでしょうから、最近の降雪だけではなく、この冬の残雪まであるようです。13:47ころ。


▲ここまでは水根山の巻き道みたいなものでしたが、ここから水根に下って行きます。道標には「通行注意」の札もかかっています。13:49ころ。


▲ところどころで、残雪も多くあります。14:14ころ。


▲前にも休憩したことのある作業小屋。今回は小屋の中で休憩させてもらいました。14:18ころ。


▲どんどん標高が下がると、雪もなくなってきます。この沢は三本ケヤキノ沢だと思います。15:09ころ。


▲小雪が舞う状況から、本格的な降雪となってきました。15:10ころ。


▲水根沢の本流に近づいて来ました。15:22ころ。


▲水根沢本流を渡ります。15:24ころ。


▲水根沢林道が左岸を通っていますが、この沢は大堀沢。遡行したことがありますが、六ッ石山西の大堀へ突き上げます。15:31ころ。


▲細い木の枝に今降っている雪が積もっています。15:33ころ。


▲ハンノキ沢を渡るとき、上流にちょっと大きな滝が見えました。写真に撮ったのですが、降雪でかき消されそうです。15:43ころ。


▲アシダキ沢を通過するS子。まだ雪は降り続いています。15:59ころ。


▲水根集落が見えて来ました。雪もここでは降っていません。16:27ころ。


▲登山道終了。16:30ころ。


▲面白い焼き物が置いて(展示して?)ありました。宇宙人? 16:31ころ。


▲ミヤマキケマンが何故かここにだけ咲いていました。しかも満開! 不思議ですね。16:35ころ。


▲水根のバス停。17時台のバス時刻は調べていたのですが、予定外に早く下山できました。嬉しい誤算ですね。16:44ころ。

バスはすぐに来ました。天益へ直行しましたが、残念無念! 今日は金曜日ですから、カウンターも座敷も地元で働いている人たちの予約で一杯。水道局と消防だったかな? 仕方ありませんよね。天益は山屋にだけではなくて地元の方々にも愛されている店ですから。


倉戸山、榧ノ木山はまだ冬でした 1/2 ――― 女の湯を歩き始めたころは快晴だったのですが・・・・

2016年04月04日 | ハイキング/奥多摩

2016/3/25  3月16日、21日とS子は順調に山行を積み上げて来ました。それで、今回はちょっと長めのコースです。前回2回のコースタイムは昭文社の地図では3時間前後。今日は5時間30分ほどです。最高地点の標高も約500mから800m、今日は1500mと上がって来ています。もちろん、登山口の標高も上がって来ていますから、最高地点の高さほど標高差はないとは思いますが。でも、いちばん大切なことはいつも山を歩いていることです。

3月も下旬になりましたから、山には春が訪れていることでしょう。この時季、春を探すのが楽しいもの。今日は天気もいいですから、きっと春の兆しと出会えるはずです。 


▲奥多摩湖畔の女の湯(めのゆ)バス停で下車しました。ここから倉戸山に登ります。以前の様子と何となく変わっているように思うのですが、どうでしょう? 駐車している車の右の施設は鶴の湯の汲み上げ施設です。奥多摩湖の湖底に沈んだ源泉を汲み上げてこの場所に貯めているのです。ここから幾つかの旅館に配湯しています。9:09ころ。


▲まずはバス停から南へ奥多摩湖畔沿いの山道に進みます。今日は快晴! 9:11ころ。


▲湖畔の道から離れ上へと登って行く場所に道標が立っています。「登山者の皆さんへ」と注意事項が書いてありました。「倉戸山の登山道は大変急峻で、不明瞭な場所が多く、遭難事故が多発しています」。そんなに急峻だったかなぁ? 今日で3回目くらいですけれど、そんな記憶はありません。9:12ころ。


▲尾根の右側面をジグザグに登山道は登って行きます。尾根自体は確かに急峻ですね。いつまでも奥多摩湖の湖面が真下に見えていました。9:51ころ。


▲三頭山や月夜見山だと思うのですが、比較して調べられる写真を撮っていませんでしたから、山座同定は出来ません。それにしても、まだ湖面が見えています。10:03ころ。


▲ここで休憩し、S子はちょっと靴の微調整。10:07ころ。


▲標高はまだ900mあたりでしょうか? 痩せ尾根が続きます。10:32ころ。


▲やはりどれがどの山だかよく分かりませんね。三頭山や月夜見山方面でしょう。10:36ころ。


▲馬酔木が咲いていました。この辺りの馬酔木は今年は裏年なんでしょうか? 蕾もほとんど見られませんでした。10:40ころ。


▲大寺山の仏舎利塔がよく見えます。10:48ころ。


▲倉戸山への最後の急登。S子は木の枝を拾って杖としました。11:21ころ。


▲倉戸山1169.3mに到着です。11:36ころ。

このころになると、雲がだいぶん広がって来ていました。


▲山頂で小休止し、榧ノ木山へ向かいます。最近降った雪が残っていました。11:57ころ。


▲徐々に雪が多く見られるように。12:16ころ。


▲歩く音がザクザクと鳴っていました。霜柱です。12:21ころ。


▲木の幹や枝に付いている白い線のようなものは雪です。それと、写真が何となく白くぼけているように見えますが、小雪がちらついて来ました! 12:24ころ。


▲不思議で楽しい光景! 木の陰による微妙な温度差でこんな模様が完成。太陽だって移動しているのにね!? 12:36ころ。


▲南向きの榧ノ木尾根の中でもちょっと下り坂の北斜面ではこんなに雪が残っていました。12:47ころ。


▲日当たりのいい斜面はほらこんな感じ。12:59ころ。


▲榧ノ木山1485mに到着です。13:15ころ。

女の湯から榧ノ木山までコースタイムは3時間くらいだと思いますが、休憩込みで4時間かかりました。S子としてはまずまずのペースでしょう。

それにしても今日の天気は驚きでした。最初は快晴のポカポカ陽気でしたのに、雲が多い、ときおり小雪が舞うような天気になるとは! 春を見つけに来たのに、冬との再会です!


沢井駅から岩茸石山(惣岳山は割愛)へ登り、名坂峠から下山しました

2016年03月31日 | ハイキング/奥多摩

2016/3/21  世間も僕も三連休! S子とのんびりと雪山で幕営を楽しんでくる予定でした。

ところが、10日ほど前から咳が止まりません。とりわけ、夜布団に入ると酷くなります。咳ゆえに1~2時間も布団の中で寝付けない日が続いていました。数日前、前回の山行後にやっと病院へ。お医者さんは「風邪でしょう」とか「インフルエンザかもしれません。検査してみますか?」などと適当なことを言います。「熱もないですし、疲労感もありません。山に登ってもぜんぜん疲れませんし」と言っても、「体力のある人はそういうこともあるんです」とかおっしゃる。
自分の体のことは自分がいちばんよく分かりますから、風邪でもないし、ましてやインフルエンザであろうはずがありません。

とは言え、雪山のテントの中、シュラフにくるまれてゴホゴホ咳をし続けるのも嫌です。そんなこんなで結局、日帰りのハイキングとなりました。
前回が青梅丘陵ハイキングコースで最高標高494mでしたから、それよりも少し標高の高い、高水三山の岩茸石山793.0mへ登ることとしました。
せっかくですから、あまり登山者の利用しないコースを登りと下りに選びます。


▲沢井駅から惣岳山へ登るコースを選びました。昭文社の地図では赤の破線コースです。登山口がよく分からないので、とりあえずは登山口近くにある青渭神社を目指します。9:23ころ。


▲線路沿いに進むと、青渭橋が現われました。9:36ころ。


▲お地蔵様が祀ってあります。お花や鏡餅やお茶、お賽銭に千羽鶴、そして何の意味があるのか丸い河原の石がたくさん、供えてあります。9:46ころ。



▲青渭神社です。東京の多摩地方にある神社で、稲城市と調布市、そして青梅市にあります。どうも水神らしく、稲城市の青渭神社は多摩川の氾濫原、調布市の社地内には水の湧く大池があります。青梅市の青渭神社は惣岳山の山頂にあるものが大元で、山頂近くには真名井の霊泉があるのです。この写真の青渭神社は里宮として造られたようですね。
ところで、昭文社の地図の神社の位置がちょっと納得がいきません。もう2ミリほど左だと思うのですが。それはともかく、神社からは山沿いの道路を沢井駅へ戻るように歩きました。9:50ころ。


▲途中、ミツマタの花が咲いていました。9:58ころ。


▲標識のようなものがまったく見当たりませんから、家の外に出ていた一家に聞いてみました。登山口はすぐそこでした。写真中央部に標識のポールが小さく見えています。10:02ころ。


▲標識のポールのところから山道が始まります。10:03ころ。


▲スミレです。毎度のことですが、何スミレかは不明です。10:05ころ。


▲エイザンスミレ。10:07ころ。


▲この赤の破線ルートは分かりやすいしっかりした山道です。道標もときおり出て来ますし。10:15ころ。


▲送電鉄塔がふたつ並んでいます。標高420m付近かと思います。10:23ころ。


▲巨木が何本か倒れていました。風の吹き抜ける場所なんでしょうか? 10:55ころ。


▲標高600mあたりだと思いますけれど、南東から北西に走る尾根筋に出ました。すぐに新しめの社がありました。札に「皇紀二千六百年紀念」と書かれています。10:59ころ。


▲なだらかな尾根道が続きます。11:25ころ。


▲珍しい表示が貼ってありました。共有山と言うのは村や集落などが共同で所有している山のことです。入会山、入会地などとも言います。中風呂という地名は地図で見ても載っていませんでした。ただ、沢井駅と御嶽駅との中間あたりに中風呂踏切という名前の踏切があるそうです。おそらく、そのあたりの集落のことでしょうね。
また、その共有山のことをカイト(垣内)山とか仲間山、モヤイ(催合)山、総持山、込山、村山などと呼ぶそうです。他にもなんとなんと! 惣山(そうやま)とも呼ぶそうですから、ここを登った山が惣岳山と言うのも、何かしら共有山との関連があるのではないでしょうか? 11:47ころ。


▲その惣岳山へ登る登山道は今回はパスしました。写真の左上が惣岳山山頂なのですが、そこを巻くコースを歩いています。右に見えているピークが目指す岩茸石山793.0m。11:56ころ。


▲左上から惣岳山からの登山者たちが降りて来ました。高水三山のメインコースになりますから、ここからは登山者がひっきりなしに通ります。11:58ころ。


▲アップダウンのあまりない尾根道を歩き、岩茸石山の直下になると今度は岩場の急登になります。12:25ころ。


▲岩茸石山山頂広場です。登山者がたくさんいます。12:35ころ。


▲中央は川苔山1363.3m、左端は本仁田山1224.5mだと思います。12:36ころ。


▲岩茸石(いわたけいし)山793.0mでの記念撮影。12:37ころ。


▲左端は川苔山です。中央の少し右には棒ノ折山969mや黒山842.3mが見えるはずなのですが。12:40ころ。


▲山頂はあまりにも人が多いので、ゆっくりと休む気分にはなれません。そそくさと退散し、名坂峠へ向かいました。12:43ころ。


▲名坂峠です。十字路にはなっていますが、あまり峠っぽくない地形です。12:52ころ。


▲アブラチャンだと思うのですが・・・・ 13:25ころ。


▲名坂峠から大丹波に下る山道沿いはずうっと植林が続きます。13:42ころ。


▲山道の橋なのに、ガードレールが付いています。何故必要なのでしょう? 13:53ころ。


▲この橋もガードレール付きですが、橋を渡ると舗装道路になりますから、許すとしましょう。14:02ころ。


▲のんびりと歩き続け、川井駅に到着です。その直前に登り電車が行ってしまったのは残念でした。14:56ころ。

この冬、山を歩くことがいつもより少なかったので、山体力も低下気味だったS子ですが、次第に戻りつつあるようです。もちろん寄る年波にはなかなか勝ち目はなさそうですから山体力が戻ると言っても程度ものですが、その時その時でいちばん楽しめるだけの体力をつけておけばいいのだと思います。それは僕も同じですが・・・・


青梅丘陵ハイキングコースに春を探しに行きましたが・・・・

2016年03月26日 | ハイキング/奥多摩

2016/3/16  報告です。前夜に某山の会の例会を見学させてもらいました。HPがあって、会員募集をしていて、沢登りを楽しんでいる会を探していたのです。それに、あまり沢登りの難度が高くても困ります。奥多摩や丹沢で日帰りの沢を楽しむ程度が僕にはちょうどですから。

そして、絶対に外せない条件があります。それは会員の年齢が僕よりも若いこと。実は僕が長年所属していた山岳会では一人二人の例外はありましたけれど、常に僕が一番の若手だったのです。若いということは体力があって当然、荷物も一番重くて当然、頑張って当然、当たり前のようにそう思われていました。それが心地よい時代もありましたけれど、自分自身がそれなりの年齢になっても僕より若いメンバーが現われずに、やはり同様の期待をされるのは辛いものです。いつしか「労わってもらえるような山行がした~い!」と切望するようになったというわけ。

例会に参加させてもらったその山岳会はとても居心地の良さそうな会でした。二次会にも誘っていただき、帰宅したのは深夜遅くになっていたのです。

そんなことがあっては、翌朝は超遅い出発にならざるを得ませんよね。


▲軍畑駅をスタートしてすぐ、道路脇の石垣に今年初めてのスミレを見つけました。僕の大好きな花です。10代のころから自分に娘が出来たなら菫子と名付けようと決めていたくらいです。
今日は山に春を見つけたいと思ってきたわけですけれど、ここはまだ里。でも、スミレは別格です。10:14ころ。


▲車道脇に不動尊がありました。平成五年に寄付を40万円ほど募って新築したと書いてあります。材木一式は製材会社が寄付したようになっていますから、この不動尊のおられる小さなお堂を新築したということなんでしょうね。中央や左の像は不動尊らしいですけれど、右の像も不動尊なのでしょうか? 10:29ころ。


▲不動尊のお堂に並んでお地蔵様でしょうか? お堂に並んでいます。右の丸い石はどうしたのでしょう? 10:30ころ。


▲高水山への道と途中で分かれ、さらに進むと榎峠です。道がカーブする場所から右へ登山道が始まります。10:46ころ。


▲登山道を入ってすぐ左に石碑が立っていました。『榎峠開鑿工事紀念碑』とあり、壱円から拾五円までの寄付者の名前が刻まれています。ほとんどが三田村の人々のようです。ネットで調べるとどうやら明治33年の工事のよう。当時は丹沢の大山詣のために秩父方面の人々がこの榎峠を通ったようですね。この石碑の右側に峠越えの旧道が通っていました。こちらの方が本当の榎峠のようです。10:48ころ。


▲低くて里に近い山ですから、ずうっと植林が続きます。僕もS子もまだ花粉症を強くは発症していませんから大丈夫ですけれど、花粉症の人が歩くには辛い山道なのでしょうね。11:00ころ。


▲小さなアップダウンが続きます。11:18ころ。


▲雷電山494m。地元では雷電山で雷が鳴ると雨が降るという言伝えがあるそうですが、それが山の名前の由来なのでしょうか? 11:26ころ。

雷電山山頂で小休止。


▲北を眺めると、奥多摩工業の採石場がありました。11:26ころ。

山頂で少し休憩し、再び歩き始めてから17分ほどで辛垣(からかい)山への分岐になりました。このコースを以前歩いた際には、通らなかったので今回は辛垣山コースを歩くことにしました。


▲これまでもそうだったのですが、この山域には石灰岩が多くあります。石灰岩の礫も多く転がっていましたし、写真よりも大きな石灰岩の岩も多く見られます。12:12ころ。


▲辛垣山457mのピークは目立たない山頂らしくない場所です。それよりもこの写真の少し凹んだ場所の方が特徴的。「辛垣城址」との説明看板も立っていました。
どうやら大正時代末期までこの一帯で石灰岩採掘が行われていたらしく、その影響で山頂付近の地形も若干変わってしまったようですね。
それはともかくとして、中世にこの青梅地方を治めていた豪族三田氏が建てた山城跡なのです。1563年に八王子の滝山城主・北条氏照に滅ぼされたそうです。12:21ころ。


▲辛垣城址を後にし、再び本コースに合流しました。12:31ころ。


▲峠のような場所に着きました。南へ降りると二俣尾駅、北へは成木8丁目の正沢へ降りるようです。小さな石の祠があって、その前にはたくさんの小石が積み上げられています。何のためなのでしょうか? カップ酒の瓶と塩が盛られた小皿が2セット供えられていました。12:33ころ。


▲この峠はネットで調べると、どうやら名郷峠と呼ぶそうなのですが、道標の下にはこのようなペットボトルに入れられた水が置いてあります。「御神水」とありますから、神様に供える水、石の祠の前に置かれたカップ酒の瓶の中にはこの御神水が入ってるのだと思います。12:34ころ。


▲送電鉄塔を過ぎ、見晴らしのいいピークに到着しました。ベンチもあったので、ここで小休止。12:54ころ。


▲このハイキングコースは青梅丘陵トレールランニングが行われるコースでもあるようです。そのせいでしょうか、平日にもかかわらず数多くのランナーと出会いました。写真中央、向うから走ってくるのもランナーです。13:24ころ。


▲途中、見晴らしの良い場所がありました。誰が設置したのか、眺められる山々の山名を表示してありました。それを参考に幾つかの山名を示してみます。東(右)側からです。奥武蔵の山々が眺められるというのは当然ですが、日和田山までもが見えるとは新鮮ですね。空気が澄んでいたら、越上山の右側に男体山も見えるのだそうです。13:34ころ。


▲左側にも奥武蔵の山並みが続きます。秩父市の武甲山も見えるとは驚きですね。13:39ころ。


▲キブシです。13:45ころ。


▲倒木更新というのでしょうか? 倒木に生えた苔の上に杉でしょうか、針葉樹の芽生えとドングリの芽が並んでいました。どちらが生き残るのでしょう? 13:53ころ。


▲三方山で一本立てようと考えていましたが、どうやら登山道とは少し離れたピークだったようで、休憩できませんでした。S子は少し疲れてきたようで、ベンチが出て来たこのピークで久し振りの休憩です。14:07ころ。


▲変ですねぇ? 変でしょ! この木の根っこ、生きている根っこです。コンクリの路側とこの木の根っこの位置関係はどうやって成立したのでしょう!? 分かる人、教えてください。14:40ころ。


▲青梅市の中心街の街並みが近づいて来ました。14:47ころ。


▲こうやって拡大写真を見ると、なかなかに美しい花です。でも、実際は小さくて地味な花。僕はこんな花にこそ魅力を感じてしまいます。スゲの仲間ですが、名前の同定は難しくて分かりません。カヤツリグサ科だそうです。14:52ころ。


▲今年はあまり馬酔木(あせび)の花を見ていません。14:58ころ。


▲青梅市中心街です。15:08ころ。


▲山道がいつの間にか舗装道路になっています。15:42ころ。


▲青梅駅に降りずに、そのまま前に進みました。一度は見てみたかった青梅鉄道公園が。いろんな種類の蒸気機関車の実物が展示されています。鉄オタではないので、外観を見ただけで満足。15:46ころ。


▲勝沼山乗願寺が途中にありました。解説板を読むと、1300年に三田氏によって開山されたとも言われる由緒あるお寺のようです。15:59ころ。


▲勝沼公会堂がありました。レトロな感じの雰囲気のいい建物です。昭和初期に建てられた木造洋館で、地域の方々が維持、管理に努められているのだそうです。16:02ころ。

ここからは東青梅駅へはすぐです。まだ時間的に早いですし、昨晩のおかずがたくさん残っていたこともあって、通例になっている居酒屋での打ち上げはせずに、家へ帰りました。

最低限、週に1回くらいは山を歩いておきたいのですが、なかなか実現していません。山へ行く間隔が空いてしまうと、山へ行くこと自体が億劫に感じられることすらあります。S子と二人だけだと、どうしても相手の体調や気分などを気にかけすぎてしまいます。山へ行けば楽しく感じることは確実なので、とにかく出かけることが大切ですね。