ザイルと焚火と焼酎と

ザイルを使う登山にちょっぴり憧れ、山中に泊まると焚火を囲み、下山後は焼酎でほのかに酩酊。いい加減なのんびり登山の日記です

天覧山平日岩トレ№10 ――― 経験したことのない寒さと岩の冷たい日でした

2023年06月30日 | 岩登りトレーニング

HTさんの下山報告にもあったように、この日の天覧山は「とってもとってもとっても寒かったです」。長年ここに通っている僕の記憶にもないほどの寒さでした。麓の池が凍ることは昔はよくありましたけれど、岩場がこの日ほど寒かったり、岩が冷たかった記憶はありません。この日程度に気温が低いことはよくあることです。しかし、滅多にないことがありました。日本海にある低気圧に吹き込む南風のせいで、天覧山は南風が強かったんです。それじゃあ、暖かい風が吹くはずなのではと思うのですが、さにあらず。強力なクリスマス寒波が関東にも入っていましたから、南風でも強烈に寒い! その南からの寒風のせいで、「とってもとってもとっても寒かった」んです。普通に北風が吹いてくれていれば、南向きの天覧山の岩場ですから、風も遮られてポカポカと暖かいんですけどね。そんな悪条件の中、HTさんは日没まで頑張りました。

 

2022年12月23日(金) 天覧山平日岩トレ№10

▲11:14。陽射しはあっても猛烈な寒さの中、HTさんはいつも通り最下部岩場のトラバース10往復をスタート。

 

▲11:39。最初は最下部岩場のトラバース10往復。結論から言うと、32分1秒94。1往復平均は3分12秒19。前回の記録よりも1往復あたり30秒以上遅くなっています。でも、これは仕方ありませんね。まずは岩が手が痺れるほど冷たいんです。しかも岩が凄く乾ききっていて、とても滑り易くなっているんです。いつも以上に丁寧にゆっくりと行なうしかありません。

 

▲12:12。中央の小ハング4級+。僕がリードして、HTさんがフォロウすることに。まずは僕のリードですが、岩の冷たさと乾燥の激しさを実感することになりました。核心部のハングでヌンチャクをセットするのに苦労したんです。冷たくて指の感覚が衰えて来ますし、滑りやすいので岩から手が離れそうなんです。それでも、4級+レベルなので何とか突破はしましたけれど、これまででいちばん不安なリードでした。写真はフォロウするHTさんの確保システムです。Y山さんから教えてもらった方法を早速使ってみました。

 

▲12:14。HTさんがフォロウしましたが、岩を長く持っていることが難しいので、核心部のヌンチャクは回収せずに残してしまいました。(僕が懸垂下降して回収)

 

小ハング右のフェースルート4級+もリードするつもりだったのですが、岩が冷た過ぎるので断念。鏡岩へ行きました。

 

▲13:09。鏡岩の方が風が弱く、したがって岩も最下部岩場ほど冷たくはありません。それでも冷たいですけどね。トップロープをセットして、HTさんが2回、僕が1回登りました。僕は久し振りに1回ザイルにぶらさがりました。岩が冷たいから、としておきましょう。HTさんは2テンくらいでしょうか。もう少しでテンションなしで(ぶら下がることなく)登れるようになると思います。

 

「足の指先も冷たい」と、HTさんが言うので、時間的には早いのですが、トラバース岩へ行くことに。

 

▲13:55。ここも風があって寒かったんですが、陽当たりはいいので岩自体はさほど冷たくはありません。風さえなければ、岩も温かいくらいなんですけどね。ふたりとも気分は日向ぼっこです。

 

最初に僕が1往復。岩は同じく乾燥していますから、滑りやすいですね。前回同様、4つの関門があります。

最初の関門がHTさんにとっては最難関ですね。両手大ガバの状態から、右手を幅2cm弱の斜めホールドに移すのです。両脚はそれなりの大きなスタンスなんですが、何となく滑ってしまいそうな感じがあって、安心できません。その状態から、最後に左手を下のホールドに移すのですが、HTさんにはそれが出来ません。「怖い!」と言います。トラバースの中では高さもある箇所なので、ここで落下するのは嫌ですし、危険です。僕がHTさんを支えることにしても、やっぱり落下してしまいます(支えていますから、実際には落ちませんが)。最後の頃に、「左手から先に下ろしてみたら」と僕が提案して、その方法で試してみました。左手を下ろすのは、まだ右手がガバを持っていますから、問題ありません。右手を斜めホールドに移すのですが、やっぱり「怖い」と言います。「支えてるから、やってみな」と言っても、「怖い」と言って元に戻ります。でも、勇気を振り絞ってトライしました。1度目は落下、2度目のことでした。僕が少しは下から支えましたが、落下するような感じではありません。さらに3度目、僕の掌にはまったく負荷がかかりませんでした。HTさんにはこのムーブが合っているようですね。でも、まだやっぱり怖さが残っているようです。

 

▲14:44。第2関門は前回も解決済みでした。今回さらにより簡単な方法を提案してみました。前の週に10往復した際に僕が工夫したやり方です。右足と左足を踏み替えることをしないで、左足を置くスタンスを見つけたんです。この方法もHTさんはすぐにマスター。写真はその第2関門のホールドです。ガバなので、まったく心配のないホールドです。

 

▲15:02。第3関門も確実な足さばきを僕は見つけていました。それを伝授します。以前よりはやり易くなったと思います。HTさんは何度も何度も何度も繰り返します。他人事ながらよくこれほど腕や指の筋肉が持つなぁ、と感心します。筋力はさほど使わずに、バランスだけで行なっているのか、それとも筋持久力がとっても優れているのかどちらかでしょうね。どちらかと言うよりも、両方なのかもしれませんね。最終的にはこのコーナーも確実に出来るようになりました。

 

第4関門はコーナーを回ってからアンダーホールドを掴むまでのパワー系ムーブです。ここはムーブ自体は問題ありません。パワーの持久力の問題です。だからと言って、力任せと言う訳ではありません。パワーをセーブするバランスだったり、足の運び方だったりします。こんなパワー系の箇所もHTさんは何回も繰り返しトライします。本当に持久力がありますね。最下部岩場10往復の賜物なら嬉しいです。最後のあたりでは何回か成功しました。

4つの関門、すべては解決しています(不安が残るのは第1関門のみ)から、遠くない時期に左から右への片道トラバースは完成するでしょう。

 

▲15:34。陽が傾いて来ると、トラバース岩にも樹の陰がかかります。

 

▲16:06。コンディションは良くなかった天覧山平日岩トレ№10でしたが、終わってみれば充実した1日でした。もうすぐ陽が沈みますが、HTさんはまだトラバース練習し続けています。

 

▲16:27。太陽はもう山の端に沈んだのでしょうね。富士山もシルエットになって見えています。

 

平日岩トレの反省会では飯能の居酒屋さんの新規開拓を行なっています。毎回異なる居酒屋さんに寄るのですが、まだこれぞと言う居酒屋さんは見つかっていません。チェーン店でない地元の居酒屋さんを回るつもりです。この日は『でん』という小さな焼き鳥メインの居酒屋さんだったのですが、お勧めできませんね。料理はまあまあなのですが、酒が良くない。銘柄を書いていません。僕は日本酒の燗を頼んだのですが、たったの2合なのに、帰宅してすぐから翌朝まで頭が痛かったです。どこの酒を飲んでいるのか分からないのは嫌ですね。それに、すべてに値段が書かれていません。料金は普通でしたけれど。カウンターだけで7席くらいだったかな、地元の常連さんばかりのようでした。


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