高野バーのとし子さんに拾われたキョーちゃんの成長物語。
集団就職で15歳のときから工場で働くも、あまりの過酷さ、特に、食べ物の酷さが辛くて逃げ出してきた女の子。
疎外感や卑屈さ。響子の悩みは尽きないけど、言動はあっけらかんとしていて愉快。
ウェイトレス響子の指導役“配膳の鬼”真澄さんの銀座空襲の話は、響子と同じく、その境遇の過酷さに驚きました。
小巻のたくましさや、仕事と向き合うようになった勝の変化が響子を成長させていく。
プリン、世代は違っても、何歳になっても好きな甘味。
内容紹介
人って、ご飯って、 こんなにあったかかったんだ……。
昭和37年の古き良き東京・浅草。平日の昼間から多くの人が集う、下町の社交場「洋食バー高野」を舞台に描く、17歳の少女の上京物語。
オリンピックまで2年、昭和37年の東京。17歳の郷子(きょうこ)は、2年前に集団就職で上京したものの、劣悪な労働環境から工場を逃亡した。
そのまま上野駅でうろうろしていたところを、浅草にある「洋食バー高野」のおかみ・淑子(としこ)に拾われ、郷子はそこで働くことに。
工場での食事のトラウマからずっと食べられなかったカレー、初体験! 揚げたて熱々カツサンド、心に沁みわたる感動のプリン……。
美味しく温もりあふれる絶品料理と人びとに出会い、郷子は新しい“家族”と“居場所”を見つけていく。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます