江戸川教育文化センター

「教育」を中心に社会・政治・文化等の問題を研究実践するとともに、センター内外の人々と広く自由に交流するひろば

NHKスペシャル ーシリーズ「パンデミック 激動の世界(1)(2)」ーを見て

2020-09-03 | 随想
8月29日、30日
「第一波瀬戸際の攻防・当事者が告白する恐怖」を見て

日本のコロナ対策については 言いたいことはやまほどあるが、この番組で心に残った言葉は西村大臣の「このウィルスはそれぞれの国の弱いところを突いてくる」だ。

 日本の死者数が少ないのは世界に冠たる国民健康保険制度のおかげだろう。
東アジアに感染爆発が起こらない理由はまだよくわからないが、日本ではマスクをつけることを受け入れる、土足で室内に入らない、清潔好き、ハグをしない等々が挙げられている。

またいいこととは言えないが お上のいうことに比較的従う、それどころか自粛警察まで現れ、過剰な監視社会になっている。
人々は周りにどう思われるかを基準に行動し、自分の判断を後回しにする。

 日本の何よりの弱点は民主主義の弱さ、安倍という愚かな指導者を8年近くも居座らせ(8/28やっと辞意表明したが)憲政史上最長最悪の政権、忖度政権を許してしまった。

国民は情報公開に背を向け続け、平気で噓をつく政権を全く信用していない。
都知事も府知事も同じ事。
政府や自治体の情報を信用できないから、不安ばかりが募る。

そしてアベノマスクに象徴される政府の愚策を攻撃せずにコロナ感染者や、病院関係者、生きるために店を開かざるを得ない人を差別し、攻撃する。
普段でさえ息苦しいのに、どこかで見た萎縮社会になりつつある。


 日本は武漢からチャーター便で帰国した人を全員検査し、無症状の感染者がいたことを早くから掴んでいたという。
にもかかわらずその後の海外帰国者を当初症状のある人だけに検査を行っていた。
これを失敗と公表しただろうか。


 愚かな指導者は日本だけではない。
アメリカ、ブラジル、ロシア、インド・・・きりがない
また、ドイツなどでも「マスク強制反対」集会がかなりの人数をあつめている。
その国の弱点を突いてくるというならば、「自由を求める」という民主主義の根幹をこのウィルスは問うているのだろうか。

ロックダウンなど人々の接触を減らせば、感染を減らすことはできても行動の自由を行使すれば、たちまち再拡大する。
命か経済かという難しい選択を突き付けてくる。


 一方強権的に封鎖された中国の武漢は2か月後に感染者をゼロにして、今は日常を取り戻しているという。
個人商店など経済的弱者は取り残されているようだが・・・。
そして中国は香港の民主主義を殺した。


「このウィルスはそれぞれの国の弱いところを突いてくる」ので弱いところを認めて、それを補強して対処していくのは大事だが、中国のような反民主主義、強権的なやり方であってはならない。

幸い台湾やエストニアのような民主主義的な成功例を私たちは知っている。
わが日本がそうなるには道は遠いが 希望は見えている。
                                 (20.09.03 )


-K.O-

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