江戸川教育文化センター

「教育」を中心に社会・政治・文化等の問題を研究実践するとともに、センター内外の人々と広く自由に交流するひろば

「子どもの交通事故死」の報道を受けて考えたこと

2021-01-05 | 随想
 新しい年が明けてもうすぐ1週間だが、3学期の始業式を前に痛ましい交通事故の報道があった。

今朝の東京新聞によると「3日午後10時ころ、世田谷区上用賀の(環八)交差点で、横断歩道を渡っていた小学校4年生の男の子が左折してきた乗用車にはねられて死亡した」という。
もちろん青信号で渡っていたとのことだ。

同じ今朝の新聞には、昨年2020年の全国の交通死者数は、2839人で最少だったとの記事もあるのに、なんとも痛ましい。
ましてや、この男の子は母親の目の前で事故に遭っている。
どんな心持ちか想像すらできない。


 さて、この事故はいわゆる「左折巻き込まれ事故」だ。
こうした事故は、いろいろなところで発生している。
私がかつて世田谷区の小学校に勤務していた時にも、母親の目の前で小学生の女の子がコンクリートミキサー車に巻き込まれてなくなっている。

こうした事故を防ぐには、信号を「歩車分離方式」にすることが必要だ。
つまり、歩行者の信号が青の時、左折する車の信号が赤になるように設定しておけばいいわけだ。

しかし、車両側の赤信号が伸びることになり渋滞が発生するなどの理由で、「歩車分離信号」への切り替えはなかなか進まないらしい。

信号を管轄する警察署には(警視庁か?)少しでも早い対応を臨みたい。


 もう一つ、以前の事故の経験から言っておきたいことがある。
以前の事故の後、世田谷区の教育委員会から、各学校に対して「交通安全教育の徹底を求める」文書が出された。

しかしである。
事故にあった子どもたちは「信号を守っている」ではないか!
これは、死者に対する冒涜だと思う。

教育委員会がなすべきは、行政・警察署と連携して「危険な交差点」のリストアップや、一日も早い「歩車分離信号」への切り替えを求めたり、切り替えまでの暫定措置として交通警察官の配置を要請することではないだろうか。

 もしもまた、学校に対し前回と同じような通知を出して「事足れり」とするなら、世田谷区教育委員会は、「経験から学ぶことができない組織」との批判を受けることになるだろう。

-K.H-

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