江戸川教育文化センター

「教育」を中心に社会・政治・文化等の問題を研究実践するとともに、センター内外の人々と広く自由に交流するひろば

アンネ・フランクの魂は?

2024-05-31 | 随想
時々、自宅近くの区立図書館に足を運ぶことがある。
購読していない新聞記事で気になったものなどを調べたり、コピーをとったりするのだ。

図書館のすぐ隣は区立の中学校だ。
おととしの5月に図書館に立ち寄った時、隣の中学校に「アンネのバラ公開中」という看板が出ていた。

「アンネのバラ」ってなんだ?と思って校内に入り、花壇に咲いているバラとともに、資料を見学した。
すると、今から40年ほど前に当時の中学生たちの「平和学習」がきっかけで、アンネ・フランク財団からバラの苗木3本が贈呈され、
それを代々の中学生が大事に育て、株を増やしてきたものだとわかった。
(詳しくは「高井戸中のホームページを見てください。)


(高井戸中学校ホームページより)

この中学校には、ずっと昔に組合の教育研究集会で行ったこともあるのだが、そのころは全くこの事実を知らなかった。



おととしと言えば「ロシアのウクライナ侵攻」が始まってまだ2か月ほどのことだ。
国際社会の「平和維持」の仕組みの脆弱さ、大国の思惑により犠牲になるのは一般市民だということがあからさまになっていたころだ。

そして、あろうことか「イスラエルのガザ侵攻・ジェノサイド」が昨年10月から始まり、半年以上が過ぎてもなお停戦に至っていない。


先日、地元で「憲法改悪反対!」の街頭宣伝をやっていた時、ちょうどこの「アンネのバラ」のことを紹介した。
街宣の場所がかの中学校の最寄り駅だったこともある。

考えたのは、もしもアンネ・フランクの魂がこの世に存在し、ガザの状況を見たとしたらどう思うのだろうか?
ということであり、世界中で「アンネの日記」を読んで「ホロコーストはあってはならない!」と思った人々は、
このジェノサイドが終わらないことをどう受け止めればいいのか?ということだ。



アンネ・フランクの物語や、収容所におけるユダヤ人大量殺戮にまつわることは、様々な形で伝えられてきた。
(「ハンナのカバン」という本が夏休みの「課題図書」になっていたという記憶もある)



そのことが、40年以上にわたり「パレスチナ」の人々に対するイスラエル政府の残虐行為を不問に付してきたことにつながっているのではないか?

もちろんそれだけではない。
戦争の裏には様々な利権も絡んでいるが、少なくとも、アメリカやヨーロッパの学生たちは「このままではいけない!」と声を上げ、行動し始めている。


私たちは、少なくとも「子どもを殺すな!」の声を上げるべき時だと思う。




-K.H-


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