江戸川教育文化センター

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安倍氏の銃撃の裏にみえた統一教会とは

2022-07-31 | 随想
安倍元首相の銃撃事件から一カ月がたった。
実行犯は山上徹也(41)容疑者だ。
これまでの数多くの情報や報道から、事件の本質を見極めるのは容易ではないが大まかに整理してみた。

犯行動機は旧統一教会(現・世界平和統一家庭連合)と安倍氏に対する強い恨みと云う。
母親が教団一辺倒の生活で子育てを放棄、父親はウツ状態になり自殺(1984)する。
母親は一層教団にのめり込み、父の生命保険5千万円など1億数千万円以上を献金し、一家は困窮し家庭崩壊に至る。

当時山上容疑者は4才、容疑者は大学には進めず、海上自衛隊に入隊する。
ここで自殺(2005)を図るが未遂に終わる。
障害を抱えている兄(小児がんで片目失明)と生活困窮している妹に死亡保険金を渡したかったと云う。

その後、治療よりも寄付優先の母親に絶望した兄は自殺(2015)をする。
容疑者は精神的な支えでもあった兄の自殺で絶望感が一層増大したと云う。

生きる全てを失った山上容疑者は、統一教会への強い恨みと怒りを持ちつつも矛先を「韓鶴子総裁に敬意を表する」
とビデオメッセージを送った安倍氏に向かって行く。
祖父の意志を受け継ぐと云う安倍首相によって、統一教会との相互協力関係はより一層強固なものになっていた。


統一教会とはどんな宗教団体なのか。
韓国文鮮明によって1954年に創設。
1968 年に反共主義の「国際勝共連合」を設立した。
安倍氏の祖父岸信介氏は統一教会と密接な関係を持ち続け、教会員を激励する講演を1970 ~73年と継続的におこなっていた。

80年代になると「文鮮明」が決めた信者同士で結婚する「合同結婚式」に参加する日本人も多くいた。
歌手の桜田淳子はこの広告塔で有名だ。
さらに、印鑑やツボを高額で買わせる霊感商法や高額な献金が社会問題化した。

弁護士や消費者センターが受けた旧統一教会に関する相談は、1986から2021末までの35年間で3万4537件、
被害総額は1237億円で昨年末までの5年間に限っても580件の相談と54億円の被害と云う。(7/13 朝日新聞)

「全国霊感商法対策弁護士連絡会」(全国弁連)代表世話人の山口広弁護士によると、
安倍元首相や多くの自民党国会議員に教団と関わりを持たないよう再三要請してきたと云う。

1995年秋に警察庁幹部が「オウム真理教の次は統一教会を摘発する」と語っていたと云う。
96年には「オウム真理教」の解散命令が出された。
全国弁連は「統一教会」にも解散請求を何度も申し入れたが、当時の文部省文化庁は認めなかった。

97年統一教会は名称変更を文化庁に求めていた。
これに全国弁連は「名称変更を認証」しないよう求め、文化庁は認証しないと応じた。
この時の文部省文化庁庶務課長が後の事務次官になった前川喜平氏である。
統一教会は、いくつも訴訟され社会的に問題ある宗教法人であり「申請しても認めない。以後申請しないで欲しい」と断ったと云う。 




(つづく)


<フウチソウ>


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