
オリンピック開催で人出が増え続けた結果、コロナの感染拡大に歯止めがかからない。
新聞には東京の感染「制御不能」の見出しが。
原子炉が水素爆発でメルトダウンして、核反応の暴走を引き起こした福島の原発事故を想起させる事態を思わせる。
しかも、「医療機能不全」「自分で身を守る段階」と人々の意識を啓発する見出しも。
「自分で身を守る段階」とは棄民政策と同じ意味に思う。
「感染しても自己責任だから面倒見ません」「家で寝ていてコロナと闘いなさい」「どうなろうと知りません」と同じに受け取れる。
既に入院も出来ない「自宅療養者」は、東京都で2万人(8/12)に迫っている。
自宅療養では家庭内感染も広がる。
的確な治療が受けられないので一気に重症化もする。
都内では8/1~8/4の4日間で8人の自宅での死者も出ている。
自宅療養とは別の言い方をすると、医療行為が放棄されて自宅で放置されていると同等だ。
それほど医療現場はひっ迫しているが、重症になっても直ぐには入院出来ない。
適切な治療が受けられないのは医療制度にも問題がある。
コロナに感染しても基本は自宅待機だ。
病院に直行は感染させる可能性があるのでダメで、37.5度以上の熱が2日以上続くとか、呼吸困難があると医療機関に電話で相談することになる。
そこで医師は他の医療機関を紹介する、保健所に連絡などするが、その保健所に電話が繋がらないことが非常に多い。
東京都の自宅療養者は2万人に迫っているので、限界を超えた対応に保健所も機能不全状態だ。
あれこれしているうちにどんどん病状は進んでいく。
何時急変するか分からない不安や命の危険を抱えて、入院できることを待つことになる。
しかし、40度の高熱が一週間続いても入院出来ず、救急搬送されても120の医療機関が満床でダメだった例もある。
つまり、重症化しないと病院に入れないが、それすら無理、困難な状況下と云うことだ。
「医療機能不全」は適切な表現なのかと思うが、医療従事者は不眠不休状態で患者を受け入れ献身的な努力をしている。
政府はそうした努力に応える政策を取らずに、思い付き的な対策しかとらないから感染拡大が止まらない。
例えばコロナに感染したら保健所を通さずに、医師が直接治療行為に対応出来るように制度を変えれば重症化しないで済む。
また、いま問題なのは病床数が圧倒的に少ないからで、受け入れる臨時の設備を早急に作れば良いだけの話だ。
体育館に病床を確保し必要な医療機器を揃えて、当面の危機を乗り越える最善策を取れば良い。
福井県は無症状者を含め、全陽性者を病院や宿泊施設で受け入れてきた。
さらに県内の体育館に軽症者向けの100床の臨時病床を設置した。
医師と看護師が常駐し対応している。
臨時病床の設置は海外でも行われ、タイではドムアン国際空港に1800床、イギリスでは
「エクセル展覧会センター」に4000床設置して感染拡大の危機をしのいだと云う。
東京オリンピックでは7000人もの医療関係者を確保していた。
出来ないことはない。
決断すればよい知恵が出てくる筈だ。
有効な感染対策も取らずオリンピック期間中に感染拡大させ、医療崩壊と国民に命を失う危険性を招いた罪は重い。
菅首相は責任を取って即刻辞めるべきだ。
<提言する「根なし草」>