江戸川教育文化センター

「教育」を中心に社会・政治・文化等の問題を研究実践するとともに、センター内外の人々と広く自由に交流するひろば

5年ぶりの沖縄スタディツアー

2023-10-25 | 江戸川区教組
 8月18日から東京教組主催の「沖縄スタディツアー」に参加した。

昨年組合の先輩であるFさんが「沖縄に行ってきた」というので話を聞いたら「TTU沖縄スタディツアーに行ってきた」とわかり「よし!来年は参加するぞ!」と思ったので、情報はいつだ?と身構えていた。
すると今年5月の沖縄平和行進で沖縄に行っているまさしくその時に、実行委員の平林さんから今年の日程についての情報をもらったのだった。

さて、前回参加したのは、まだ、学校に勤めていた5年前の2018年。
今はそのころとは比べ物にならないくらい自由がきくのでツアーの前後に那覇で泊まることにして、本隊より一日早く那覇に入った。
おまけの日程については置いておくとして、18日の朝、先乗り組の平林さん、外山さん、田中さんと合流して那覇空港に向かい、本隊の到着を待った。


11時過ぎメンバーがそろってジャンボタクシーに乗車し南部戦跡の見学が始まった。
沖縄平和行進で南部戦跡はたびたび訪れているのだが、今回のツアーで見学した「南風原文化センター」「沖縄陸軍病院壕群20号」を見学するのは初めてだ。

南風原文化センターは、展示物がリアルで見ごたえがあった。
病院壕20号は、前後に扉があり、ボランティアの方の案内に従って見学する。
扉があるのは、内部が乾燥することで壕の壁が風化して崩落することを防ぐためだそうだ。
平和行進では「海軍壕」を見学しているが、つくりの違いなどに日本軍の対応の差が見えて興味深かった。

その後「魂魄の碑」「韓国人慰霊塔」「平和資料館」「平和の礎」を見学して、一日目を終えた。

平和資料館では、沖縄学習に活用できる資料を売っていた「ミュージアムショップ」が跡形もなくがらんとしたままになっているが、受付の方に聞いたところ「復活の予定はない」とのことで、残念でならない。


ツアー二日目、高速道路で「辺野古」へ向かう。
グラスボートで、大浦湾の豊かな海を覗く。
貴重な青サンゴの群落があるのに、基地建設で埋め立てを強行している政府に改めて怒りを覚える。
キャンプシュワブゲート前での座り込みは、短時間になってしまった。

辺野古をめぐっては、政府の強硬姿勢と司法の機能不全がひどいことになっている。
10月4日に沖縄県の玉城知事は国に対し「軟弱地盤の埋め立て工事についての『設計変更』について承認することは困難」と回答した。
これに対し国は、県に代わって国が設計変更を承認できる「代執行」を求めて福岡高裁沖縄支部に提訴した。
憲法に規定された「地方自治」をないがしろにする国の強硬姿勢とそれを追認する司法の機能不全を許してはならないと思う。

午後、今回のツアーで楽しみにしていた「佐喜真美術館」を見学する。
先祖の墓の土地を含めて、アメリカから返還させた土地(あの「普天間基地」の一部だ)に丸木夫妻の「沖縄戦の図」を展示することを目的に美術館を建ててしまったという佐喜眞さんの熱意に圧倒されてしまう。
気になったのは、一番大きな「沖縄戦の図」が劣化をして、あちこち絵の具が剥離していたことだ。
スタッフの人に伺うと「もう、40年くらいたっているので。補修にはお金もかかるので、なかなか」とのことだった。







ツアー三日目、伊江島に向かう前に「対馬丸記念館」を見学する。
教員になりたての頃、「親子映画の会」で「対馬丸の遭難」というアニメ映画の上映会のお手伝いをした記憶がある。
なので、疎開のはずの子どもたちを乗せた貨物船がアメリカ海軍によって沈没させられたことは知っていたのだが、「疎開」すらも、実際は「口減らし」だったとは。
さらに、3月10日の「東京大空襲」に先立つ5カ月前の10月10日に「那覇大空襲」があったことを、初めて知った。
10月10日は自分の誕生日でもあるので、二重にショックだった。

見学の後、高速バスで本部港に向かった。
本部に近づくにつれて、前方にはまっ黒な雨雲が迫って来た。
本部港につく前から降り出した土砂降りの雨の中をフェリーターミナルに飛び込んだことも、忘れ難い。

伊江島では、阿波根さんの「団結道場」の壁面が塗り替えられて、きれいになっていた。
もちろん、あの「米軍に告ぐ」を言うメッセージは、しっかりと記されている。




5年前にも登った「城山(タッチュー)」に、今回も登り、360度のパノラマを楽しんだ。
翌日、腿の筋肉痛になったが。


最終日は、実行委員にお誘いいただいたシュノーケリングで、伊江島のサンゴ礁を楽しむことができた。
こうした沖縄の自然は、沖縄の宝であり、日本の宝であり、世界の宝だと思う。

せっかくなので、那覇行きの高速バスを、沖縄北インターで降りて、タクシーで「道の駅かでな」を訪れた。
平和行進では、嘉手納基地の休日にしか嘉手納に来られないので、平日の様子を見てみたかったのだ。
時間切れで展望台では見られなかったが、嘉手納のバスターミナルに向かって歩いていると、耳をつんざく轟音を立てて戦闘機が離陸していった。
数分の間隔を置いて、滑走路への侵入と上昇の訓練をしている。
そのたびにとんでもない轟音があたりに響き渡る。
これが嘉手納の日常なのかと改めて実感した。


今回のツアーも、とても有意義だった。
平和センターの平和行進派遣は、来年以降もあるので、今回の見学先も参考にさせていただこうと思う。
計画頂いた実行委員の皆さん、ありがとうございました。

(本文は「東京教組沖縄スタディツアー実行委員会」に送った感想文を一部修正したものです。)




<k.H>

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