江戸川教育文化センター

「教育」を中心に社会・政治・文化等の問題を研究実践するとともに、センター内外の人々と広く自由に交流するひろば

給食カレーに漂白剤混入事件は何故起きたのか?④ ―学校は超ブラックな労働環境―

2022-10-13 | 随想
若い教員が困って悩み相談したくとも、周りは自分のことで精一杯で声も掛けにくい。

勤務時間内はフル稼働状態で、かつては20分休みや昼休みには、教員の殆んどが職員室にきてお茶を飲んだりして子どもの話や簡単な打ち合わせをしていた。
それが全くない。
誰も職員室にはいないし、何らかのことをしている。

要するに子ども達や教室から離れられない事情があるのだ。

放課後だって自由な時間ではない。
研修だの会議があれこれあり、子どもの補習も年間何時間とか位置づけられている。

時間を生み出すために時程もA・Bの2パターンあり、B時程だと午後の5校時が50分も早く始まる。

要するに早く始めて時間を切り詰めて、会議の時間を生み出す「工夫」だが、児童や教員の健康など考えていない。
B時程は休憩などなく、とにかく忙しく余裕が全くない。


最近は個人の出退勤がPCで管理されて、週当たりの超過時間を超えると指導されるから、管理職は早く帰るように指導する。
中には、PCでは退勤したことにして、仕事を続ける人もいる。
そこまでして夜遅く学校に残っていることは問題ではあるが、その日のうちに処理する仕事だと残らざるを得ない事もある。
勤務時間を守って直ぐ帰宅しても仕事は残り解決にはならないからだ。



さて、カレーに漂白剤を混入した事件だが、「カレーに漂白剤をもし入れたらどうなるだろうか」と推測する筈だ。
希望するクラスの担任になれなくて悔しかったから、直ぐに「漂白剤を投入」にはならないと普通は思う。

しかし、決行した。
漂白剤を入れた瞬間異臭がしたので、はっと気付いて「食べてはいけない」「気付いて欲しい」と思い全部投入したと云う。
この担任は、異臭で我に返ったと思う。
それまでは普通じゃない意識に支配されていたのかも知れない。

それにしても、発覚もするし事件にもなる。 
世間にさらされてこれからの人生は閉ざされてしまう。
身内や周りへの迷惑や影響は計り知れない。 

誰しも良からぬことを思っても、実行に移すまでに時間的な経過や再考の余地があるはずだ。
逮捕される、報道されることを推測したのだろうか。

それらを通り越して、思ったことを即実行して良い結果が得られたのだろうか。
悔しいと思う気持ちは晴らせたのだろうか。
悔しさを解消する手段としてはあまりにも稚拙すぎる。

社会性・常識的な判断に欠けており、実行してから後悔しても遅すぎて取り返しが出来ないのだ。








(続く)


<デラシネ>

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