授業を例に、教員と子どもたちの関係性の中で展開される学びの現象を見てきたが、次は子ども同士の関係性を考えてみたい。
黒板に提示された資料に積極的に反応した子どもたちだが、これは友だちが発言したから自分も…という刺激効果の表れであり、あんな内容で良いのか…という安心感が広がったとも言える。
更に子ども同士が絡むのは、それぞれの予想を発表し合う段階だった。
担任は個別に予想を書かせた後に、3〜4人の小グループで発表し合うことを指示した。
リーダー(輪番?)が司会をして順番に言わせるのだが、このリーダーの資質によって活発に話し合いができるグループから書いたことを読んで終わるグループまで色々な様子が見られた。
活発なグループは既に書いた内容を超えて、投票率低下の具体的要因まで意見を言い合っていた。
この様に小集団で話し合わせるのは、全ての子に自分の意見を話す機会を与えるためだが、互いに発表し合う中でさらに発展した考えが持てるかもしれないという可能性にも期待しているからだ。
例えば、A・B・Cの3人がそれぞれ自分の意見(予想)を言うだけなら全体の場を単に3人にしたにすぎないが、いったん発言した後に何らかの話し合いが続くとしたら、ここには学びが存在する可能性が大である。
授業はこの後、各グループのリーダーにそれぞれのグループとしての考え(予想)を発表させた。
メンバーが似たような意見を出したグループは簡単に発表できたが、一つにまとまらなかったグループは全てを発表していた。
さらに進んだリーダーは、個別の考えを引き合いに出しながらも自分の考えを中心にまとめて発表していた。
ここまで行くと、大人顔負けのリーダーシップぶりである。
(つづく)
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