<再生球>ボロボロの球に再度、命を 球児支える障がい者
毎日新聞 7月30日(水)21時52分配信
送られてきたボロボロのボール(左奥)がいくつもの工程を経て、真新しいボール(手前)に生まれ変わる=山形県新庄市のユニオンソーシャルシステムで2014年7月28日、山中宏之撮影より
<再生球>ボロボロの球に再度、命を 球児支える障がい者
毎日新聞 7月30日(水)21時52分配信
新庄の企業、新品の半額から4分の1で
ボロボロになった野球の硬式球にもう一度、命を吹き込む--。障がい者の自立を目指して積極的に従業員として採用している山形県新庄市の「ユニオンソーシャルシステム」が、硬式球を復活させる事業を行っている。障がい者ら約300人が月約1万個製造する再生球「RETRY(リトライ)」は、新品の半額から4分の1程度の値段。全国400~500の高校に納品し、練習を支える貴重な存在になっている。
硬式球は糸が切れたり革が破れたりすると、テープを巻いて補強して使うか、捨てるしかなかった。同社の加藤秀幸社長(63)は、同県立新庄北高の元野球部監督との何気ない会話をヒントに2011年秋、再生球事業を始めた。
ボロボロのボールの革をはぐことから、修復は始まる。出てきた球に綿糸を巻き付け、ボールの形や硬さ、大きさを整える工程が最も重要。その上から新しい白い牛革2枚を張り付け、赤い糸で縫い上げる。すべて手作業だ。取締役の加藤葵(あおい)さん(26)は「単純な作業だが、真面目さ、正確さ、反復能力の高さが求められる」と語る。
公式戦で使われる新球が1球400~1000円台なのに対し、再生球は1球230円(送料別)。さらに、再生球を注文すると古いボールを無料で引き取るため、予算が限られる学校側にも大きな利点がある。
これまでに、昨夏の甲子園で4強入りした日大山形(山形)のほか、甲子園出場経験のある仙台育英(宮城)、青森山田(青森)など沖縄を除く46都道府県の高校からの注文実績がある。広陵(広島)と岩国(山口)は今夏の甲子園出場を決めた。
年500~600球を購入している新庄北高野球部の大沼泰史監督(35)は「これまでは自分たちでボールをテープでぐるぐる巻きにして補強してきた。質の良い再生球を安価で使えるのはありがたい」と話す。
同社は、高齢者や仕事に就きにくい人なども積極的に採用。現在は山形県内と神奈川県の9カ所に作業所を構える。新庄市の作業所で働く障がいのある男性(18)は「野球をしている人のために、少しでも良いボールを作りたい。ボールを使っている高校が活躍するとうれしい」。加藤さんは「従業員には、選手たちの役に立っていると感じてもらいたい」と話す。【山中宏之】
※ジジイのたわごと
高校時代、縫い糸が切れたボールを自宅へ持ち帰り、ボール専用の縫い糸と針を使って、ボールを補修したのを思い出す。練習用のボールとして、充分使えた。
上記画像のボールは、新品同様のボールに仕上がってるようだ。
※本日最後のブログです