私より一回り下の彼は、食道ガンと肺ガンを患いながらも、毎日里山を登っている
首のリンパ腺を切除したので、首から上は他人の体のように感じると言ったことがある
「62歳まで生きられたのだから、手術を受けて体を切り刻まれてまで長生きしようとは思わない」
との判断だが、医師のたっての願いからやむを得ず切ったらしい
思い切りの良いあっぱれな選択だと私は思った
その彼は、私のことを「先生」と呼ぶのだ おそらく野鳥の鳴き声からその名前を
一致させたいとの希望があって、会うたびに質問攻めにあい、そのどれをも直ちに解答するからだろう
里山登りを日課としているから、これから先は彼のことを「里山さん」と呼ぼう
今日は朝から山には登らず河原の堤防に座った
二日前にシャッターチャンスを逸したベニマシコを撮影するためだ
里山さんがニコニコしながら近付いてきて、「今日は素晴らしい物を拾った」という
見れば一枚の枯葉だ 白い斑入りの、いわばどこにでもある枯葉なのだ
里山さんは、目を輝かせながら「この枯葉には文字が書かれているように見えます」
「きっとあのリスが私にくれたのに違いない」と言葉を続けた
「昔、リスがトンビに襲われているときに、木の枝を投げて、さらわれるところを
間一髪で助けたことがあります
先ほど山の中腹でリスが木登りしているときに、この葉がハラハラと舞い落ちてきました
よくよく見て下さい 文字が書いてあるように見えませんか?」と真剣な表情で言う
里山さんは、この枯葉を私に手渡しながら、こう言った
「これをあのリスからの感謝状だと思えば楽しいじゃないですか
私に代わって、これを素材として童話を一つ仕上げてください」と
だが、残念ながら私にはその力量がありません
下は、ベニマシコに代わって現れたトリたちです
雄のキジ
雌のホオジロ
雌のカシラダカ
アオジ
トップの枯葉のお写真にはそんなエピソードがおありなのですね。
それも飛びっきりのすてきな。
誰にとっても一度きりの人生、どう生きるか、その人生の質は
それぞれの人によって随分と違ってくるものですね。
教えられるものがたくさんあるエピソードでした。ありがとうございます。
目的のベニマシコは現れなかったようですが、代わりに現れた
鳥たちは多彩でしたね(^^) どれも素晴らしいお写真です。
今日のお話の後で拝見する鳥たちは、いつも以上に一刻一刻を
真剣に生きている、そう見えました。
今日は日中は暖かくてとてもよい天気でしたね。
この枯葉がリスからのお礼状ですか~
なんと素敵な話でしょうか!!
言われてみると枯葉の茶色のところに白い文字の
ようなものを感じることができます。
これを感謝状とは…
今日の鳥さんたちもたくさん集まってきましたね。
カシラダカ・アオジ・ホオジロなども
一緒にリスからの感謝状を見て、きっと
一緒に喜んだように感じます。
ベニマシコは現れませんでした。その代わり、キジを間近で見ることができました。上手く体を隠しながら移動していました。全身が見える状態にはなりませんでした。明日も、ベニマシコを追います。
彼は、リスがくれた感謝状で、文字が沢山書かれているのではないか、と言いました。私が「折角貴方が頂いた感謝状だから、大切に持って帰ってください」と言ったら、「貴方なら、童話が書けるでしょう」と言い残して、去って行きました。
里山さんの人柄が偲ばれて、私も是非じっくりと語り合いたい気持ちになりました。
不治の病の癌と闘う人のメルヘン物語、poloさんなら立派に仕上げること請け合いです。
心から楽しみにしております。素敵な写真有難う。
彼が私に依頼した童話の創作は、貴方ほどの文才があれば別として、私には到底できない相談です。枯葉を、彼の手に返そうとしたら、是非持って帰ってくださいと強く言うので、持ってきたのでした。
里山さんの想像力の豊かさと優しさに感動を覚えます。
その感謝状をこんなに綺麗な写真にされたpoloさん。
いろんな想像力をかき立てられる写真です。
どんな童話より雄弁に語りかけている写真だと思います。
カシラダカの写真、眼を細めて微笑んでいるようです。
まったく仰るとおり、カシラダカは目を細めて微笑んでいるように見えます。しかも柔和な顔です。
良いお話しですね。子供のころに帰ったみたい!
里山さんも身体がきついでしょうが頑張っていますね。大丈夫!
夫も食道がんでしたが10年元気にしていました。
ベニマシコという鳥に会えなかったけれどアオジ、雌のカシラダカ、雌のホオジロ、雄のキジいずれも素晴らしい姿です。
いつも素敵なお話しを挿入していますが今回はいつもと違う感動を受けました。
こう言うお話を読むと不平を言わずに生きて行こうと改めて思います。
枯葉の手紙、確かにそれらしく見えます。
残された時間を大切に生きているらしい里山さんに拍手を送ります。