美の五色 bino_gosiki ~ 美しい空間,モノ,コトをリスペクト

展覧会,美術,お寺,行事,遺産,観光スポット 美しい理由を背景,歴史,人間模様からブログします

大阪・箕面公園の滝道 ~誰もが気軽に大自然を楽しめる散策路

2018年08月01日 | 観光スポット

大阪府箕面市(みのおし)は、関西に多い難読自治体名の代表例です。大阪北部の閑静な住宅街に豊かな自然が近接するエリアとして知られています。市の中心にある阪急箕面駅から続く渓谷沿いの道は滝道(たきみち)と呼ばれ、手軽なハイキングコースとしてとても人気があります。終点にあるのが箕面滝です。

滝壺のすぐ間近まで行くことができ、夏の間は水しぶきが天然のシャワーとしてとても清々しく感じられます。滝道は言わずと知れた紅葉の名所でもありますが、四季を通じてそれぞれの輝きを見せてくれるため、一年を通じて人手が絶えません。

梅田からも1時間と少しで行けます。とても気軽な自然体験が満喫できます。



箕面滝に至る渓谷沿いの道は、古くから修験道場として知られています。道の途中にある瀧安寺(りゅうあんじ)は、修験道の開祖・役小角(えんのおづの)に起源があるとされ、現在では芸能関係者を中心とした弁財天信仰と富くじ発祥の地として多くの参拝者を集めています。

渓谷沿いの道一帯が大阪府営箕面公園と明治の森箕面国定公園に指定されており、東京・八王子の明治の森高尾国定公園と、大都市近郊の国定公園として対を成しています。また両公園は東京~大阪間にまたがるハイキングコースとして名高い東海自然歩道の起終点にもなっています。

高尾山も修験道場として著名であり、滝はないものの山頂からの雄大な眺めが楽しめます。両公園とも
日本を代表する大都市近郊の公園であることは間違いありません。


滝道

滝道と呼ばれる舗装された「遊歩道」は、昨年2017年10月の台風被害で一部区間が通行止めになっており、川の対岸にある舗装されていない山道の「散策路」に迂回しないと滝へはいけません。散策路は、車いすやベビーカーは通行できません。今年の紅葉シーズン前の2018年10月を目途に遊歩道の復旧工事が進められています。

【公式サイト】 遊歩道の通行止めと散策路への迂回について

渓谷沿いの道からは水の流れがよく見えます。濃厚な緑に覆われており、夏には天然のエアコンの涼しさを体験できます。もちろん水と植物のイオンをたっぷりと吸収することができます。6月には大阪でも有数のホタルの名所としてにぎわいます。それだけ大自然がのこされています。



滝壺の上にある駐車場から滝へ降りる道は通常通り通行できますが、週末などは駐車場が混雑します。滝を見るために歩く途中の大自然を味わうためにも、箕面駅から歩くことをおすすめします。遊歩道が復旧すれば、箕面駅から滝壺まで車いすやベビーカーで行くことができます。それだけなだらかで歩きやすい道です。



途中には箕面名物の「もみじの天ぷら」が各所で売られています。かりんとうのような甘い味わいが人気です。紅葉した楓の葉を一年以上漬け込んでから油で揚げたもので、通年で販売されています。浜松のうなぎパイのように“忘れられない味”になること間違いなしです。食べ歩き、お土産にぜひどうぞ。

こんなところがあるのです。
ここにしかない「美」があるのです。



街と山の距離が近い関西は、山歩きがとても手軽に楽しめます


箕面大滝(箕面公園)
【箕面公園サイト】ご利用案内
【箕面市観光協会サイト】

※公園・滝は、いつでも無料で利用・見学できます。



おすすめ交通機関:
阪急箕面線「箕面」駅下車、徒歩35~45分
JR大阪駅から一般的なルートを利用した平常時の所要時間の目安:1時間20分
大阪駅(梅田駅)→阪急宝塚線→石橋駅→阪急箕面線→箕面駅

【公式サイト】 アクセス案内

※この施設には有料の駐車場があります。
※休日や観光シーズンは渋滞と駐車場不足により、クルマでの訪問は非現実的です。
※滝壺付近のタクシー利用は事前予約をおすすめします。

【公式サイト】 大日駐車場


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カップヌードルミュージアム大阪池田 ~夢があふれる体験型博物館

2018年07月07日 | 観光スポット

インスタントラーメンの博物館が、その誕生の地、大阪の池田にあります。チキンラーメンとカップヌードルの歴史や世界中にあるその国ならではのカップヌードルの展示を楽しむとともに、チキンラーメンとカップヌードルを手作りできるコーナーもあります。

1999年のオープン以来、大人から子供まで連日の大人気です。カップヌードルが世界中で売られていることから、近年は特に外国人観光客が目立ちます。年間70万人の入館者数がある日本でも有数の企業博物館です。とても活気がある施設です。


インスタントラーメンの歴史

世界初の、お湯をかけるだけで食べられるインスタントラーメンであるチキンラーメンは、1958(昭和33)年に、日清食品の創業者・安藤百福(あんどうももふく)が開発し、販売が始まりました。現代の日本人はほぼ全員が子供や青年の頃から親しんだ食品であり、私も無性に食べたくなる時が定期的にやってきます。

戦後の闇市のラーメン屋台への長蛇の列を見て「もっと簡単に食べられるラーメンを」と思ったのが開発の原点となった。安藤百福は後に語っています。自宅に研究開発のための小屋を造り、たった一人で試行錯誤を繰り返しました。1年後、麺を油で揚げると長期保存ができ、湯戻りしやすくなるというインスタントラーメンの基本的な仕組みを完成させます。

【公式サイトの画像】 チキンラーメンの誕生と研究小屋

この研究小屋は館内で再現されています。ばねばかりなど、昭和のありふれた生活道具が目につきます。半世紀と少し前に過ぎませんが、現代のように専門用具が容易に手に入る時代とは隔世の感があります。

館に入ると最初に、このインスタントラーメンの誕生と成長の物語の展示があります。生みの親である安藤百福がいかに情熱を注いで育ててきたかがわかります。生産・宣伝・流通・ブランド保護と、新しいものを世に受容してもらうマーケティング活動の手本のような努力がそこには示されています。


世界中のカップヌードル

インスタントラーメンは世界中で年間1,000億職も消費されているそうで、確かにどの国のスーパーに行っても「ご当地カップヌードル」がおいてあります。

【公式サイトの画像】 インスタントラーメン・トンネル

日清食品が発売した800種類ものインスタントラーメンのパッケージをトンネルの壁に貼り付けた空間も圧巻です。出前一丁・どん兵衛・UFO・ラ王など「確かにこんなのがあった」と驚きの連続です。


チキンラーメンファクトリー

オリジナルのインスタントラーメンを作れる体験コーナー「チキンラーメンファクトリー」と「マイカップヌードルファクトリー」も大人気です。もちろん大人だけでも楽しめますが、大人だけだと少しこっぱずかしくなります。

チキンラーメンファクトリーでは、小麦粉をこねて麺を作り、揚げて完成させるまでの一連の工程を体験できます。パッケージには手書きでイラストを描けるので、世界で一つしかないチキンラーメンができます。

マイカップヌードルファクトリーでは、こちらは麺の手作りはしませんが、スープや具材を自由に組み合わせて作ることができます。カップももちろん手書きで自由にデザインできます。蓋をシール付けして包装してくれます。

チキンラーメン・カップヌードルとも、館内でイートイン、持ち帰り、どちらもOKです。チキンラーメンファクトリーは事前に予約が必要です。マイカップヌードルファクトリーは予約不要ですが、週末は家族連れで混雑するでしょう。

【公式サイトの利用案内】 チキンラーメンファクトリー
【公式サイトの利用案内】 マイカップヌードルファクトリー


ミュージアムの入口

ほぼ同じ施設は2011年に横浜のみなとみらいにもできています。こちらも大人気で年100万人の集客を誇る日本トップクラスの企業博物館になっています。いずれもミュージアムショップが大人気です。ひよこのキャラクターグッズは思わず手に取ってしまいます。

【公式サイトの画像】 ミュージアムショップ

2018年秋から始めるNHK朝の連続ドラマのヒロインは、安藤百福の妻です。きっと夢のある物語に仕上がるでしょう。こちらも楽しみです。

【公式サイト】 NHK_PR「まんぷく」

こんなところがあるのです。
ここにしかない「美」があるのです。



エッセイで語る即席袋めんの驚きのレシピ


安藤百福発明記念館(カップヌードルミュージアム)大阪池田
https://www.cupnoodles-museum.jp/ja/osaka_ikeda/

原則休館日:火曜日、年末年始
開館(拝観)受付時間:9:30~15:30

おすすめ交通機関:
阪急宝塚線「池田」駅下車、徒歩5分
JR大阪駅から一般的なルートを利用した平常時の所要時間の目安:30分
大阪駅(梅田駅)→阪急宝塚線→池田駅
【公式サイト】 アクセス案内
※この施設には有料の駐車場があります。


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大分・豊後高田「昭和の町」 ~よくぞ残っていた。よくぞ集めた。

2018年06月28日 | 観光スポット

大分県の宇佐神宮や富貴寺に近い豊後高田市は、「昭和の町」として知られています。昭和30-40年代の商店街がそのまま取り残されていたことを逆手に取り、観光客向けのレトロな街並みを再現したものです。いわゆる“地域おこし”の全国でも最たる成功例です。

現在50代以上の方には、子供の頃の記憶がよみがえるたまらない光景が広がります。30代以下の方は自分が生まれる前の時代のサブカルチャーに目を見張るでしょう。

よくぞ残っていた、よくぞ集めた、観る者を本当に驚かせるパワーがこの町にはあります。


昭和の夢町三丁目館のスバル360

国東半島の北側の付け根に位置する豊後高田市は、江戸時代から大阪との水運で栄え、国東半島で最も栄えた町でした。しかし鉄道や幹線道路のルートから外れていたこともあり、昭和30年代をピークに町は活気を失い始めます。全国のいたるところで見られたように、郊外の大型店に客を取られ、町の中心商店街は“シャッター通り”になっていきます。

しかし2001年、そんな商店街の中の7店が昭和30年代を再現した外壁にし、昭和グッズの展示を始めます。少しずつ評判が広がるとともに、賛同する店も増えます。現在は44店が昭和の町の店として認定され、観光客は年間40万に増えています。



商店街はまさに“昭和”です。店の業種にゆかりの昭和グッズが「一店一品」として展示されており、街歩きの楽しみを盛り上げます。冷凍機能がない冷蔵庫や白黒テレビが今にのこされているのは本当に驚きです。

昭和30年代に全国で活躍したボンネットバスが、週末に商店街を周遊しています。半世紀以上前の乗り物なので冷房がありません。しかし夏に窓を全開にして風にあたりながら昭和の町を眺めると、まさに五感を使って街並みを楽しんでいることに気づきます。かなり粋です。冷房が効いて閉じられた窓から見る眺めとは全く感じ方が違います。

【公式サイト】 ボンネットバスの運行スケジュール



昭和ロマン蔵は、戦前まで大分一の富豪と呼ばれた野村家の農業倉庫だった建物を、昭和グッズの展示施設とレストランにしたものです。よくぞこれだけグッズを集めたものだと度肝を抜かれます。


駄菓子屋の夢博物館

駄菓子屋の夢博物館は、駄菓子のおまけ、雑誌の付録、キャンペーンのプレゼントなど、ありとあらゆる玩具やグッズが展示されています。東京五輪や大阪万博などイベント関連グッズもものすごい数です。

日本一のおもちゃコレクターである館長が地道に収集した20万点ものグッズは当初、大宰府で展示されていました。昭和の町のスタッフが館長の姿勢にほれ込み、博物館を昭和の町に引っ越してもらったものです。

「こんなものまであるのか」と、戦後のサブカルチャーの豊かさと奥の深さを楽しめます。


昭和の夢町小学校

昭和の夢町小学校は、木の床、木の机と椅子、木の壁、が再現されています。映画のセットのようで、記念撮影するにはばっちりのスポットです。

昭和の夢町三丁目館は、昭和時代の生活シーンが再現されています。居間のちゃぶ台、タイル張りの炊事台、スマートボールなど、まさに映画「ALL WAYS三丁目の夕日」の世界です。

【公式サイトの画像】 昭和の夢町三丁目館

訪れる前は、昭和時代を知らない30代以下の人は少ないだろうと思っていましたが、たくさんいたことに驚きました。老若男女いろんな人がいます。昭和時代を知っていても知らなくても、充分に楽しめます。見事な町です。

こんなところがあるのです。
ここにしかない「美」があるのです。



昭和のデザインはよくできている


昭和の町
【豊後高田市公式観光サイト】
昭和ロマン蔵
【豊後高田市公式観光サイト】
原則休館日:毎年12月30日、31日

おすすめ交通機関:
JR日豊線宇佐駅から車で10分
JR宇佐駅から大分交通バス「豊後高田」「伊美」行乗車、「豊後高田」バスターミナル下車徒歩1分
大分空港から大分交通バス「中津・宇佐」行乗車、「豊後高田」バスターミナル下車徒歩1分
【公式サイトのアクセス案内】
※この施設には有料駐車場があります。


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和歌山電鉄・喜志駅 たま駅長 ~世界の人々の心をつかんだ猫がここにいる

2018年03月23日 | 観光スポット


駅舎の屋根が猫の目

和歌山のローカル線の駅に、日本で最も有名な猫がいます。JR和歌山駅から郊外の紀の川市を結ぶ和歌山電鐵貴志川線の終点・喜志駅の駅長を務める「たま」です。喜志駅の売店の飼い猫でしたが、ひょんなことから駅長に抜擢され、人なつっこく愛嬌のある表情で一躍全国にその名をとどろかせました。たま駅長に会うために和歌山電鐵の乗客は増え、厳しい経営のローカル線をよみがえらせました。

初代のたま駅長は2015年に逝去し、現在はII世の「ニタマ」が駅長を務めています。猫の目をモチーフにした喜志駅舎を見るだけでもとてもワクワクします。訪れるだけで元気が出ること間違いなしです。

【公式サイトの画像】 新しい駅長室の完成を喜ぶニタマ駅長と小嶋社長

和歌山電鐵貴志川線は2006年から両備グループが運行しています。両備グループは岡山県を中心にバス・タクシーなど公共交通を運営する会社です。グループ代表の小嶋光信は、地方公共交通の再生請負人としてメディア出演も多い著名な実業家です。その手腕を買われて大手私鉄の南海電鉄から経営を引き継ぎ、社長に就任しました。

初代のたま駅長は、南海電鉄時代から駅のアイドルでした。しかし和歌山電鐵が経営を引き継ぐにあたって駅舎の外にあった猫小屋が立ち退きを迫られます。困った飼い主が小嶋社長に駅舎内で飼えないかと相談すると、たまにほれ込んだ小嶋社長が駅長に抜擢する人事を決断します。「招き猫」になってほしいという思いを込めた人事です。

この人事には、喜志駅が無人駅で駅長ポストが空いていたという“運”も幸いしました。以来たまは終の棲家を得るとともに、駅長として勤務する(改札口で寝転んで乗客にかわいがられる)ことになりました。

駅長就任が全国のメディアで取り上げられ、たま駅長目当ての乗客と関連グッズの売り上げが増加します。海外メディアも報道したため、外国人観光客も増加します。その功績が評価され、初代たま駅長は和歌山電鐵株式会社の社長代理にまで出世します。


初代たま駅長の在りし日を駅舎内でしのぶことができます

駅長就任から9年後の2015年、16歳の大往生で初代たま駅長はこの世を去ります。和歌山電鐵は社葬を行ってたま駅長の功績を偲び、「名誉永久駅長」の称号を追贈します。この称号は和歌山電鐵の公式サイトに現在も掲載されています。また喜志駅にあった神社にたまの魂が祀られ、神様としてあがめられることになります。

【公式サイト】 和歌山電鐵株式会社>会社概要 代表者


たま神社

たまの死はイギリスBBCなど海外の主要メディアでも報道されるほどでした。和歌山電鐵はすばやく後任人事を行います。両備グループの地元の岡山で拾われ、2012年に「貴志駅長代行」に任命されていた「ニタマ」をII世駅長に昇格させます。2018年現在、喜志駅長としてかわいがられている猫は、このニタマです。

喜志駅の電車の運行はほぼ1時間に2本ですが、駅舎の中のカフェやグッズ売り場は常に人であふれています。ローカル線の駅とは思えないほど活気にあふれています。日本人よりアジアからの外国人観光客が目立ちます。


いちご電車

いちご電車、おもちゃ電車、たま電車といった、車体や内装をカラフルに塗り替えた車両も人気を集めています。これら車両のデザインは、JR九州の特急車両デザインで著名な水戸岡鋭治によるものです。猫の目の屋根がかわいい喜志駅舎も水戸岡のデザインです。

マーケティングのやり方次第でローカル線はよみがえります。人間にとって身近な動物である猫がどれだけ人間に癒しを与えているかを強く実感させます。私は猫派ではなく犬派ですが、たま駅長はそんな派閥の枠組みを超えて尊敬できます。

こんなところがあったのか。
日本にも世界にも、唯一無二の「美」はたくさん。



地方の公共交通とはどうあるべきか、不朽の一冊


和歌山電鐵
http://www.wakayama-dentetsu.co.jp/

※たまII世駅長の勤務時間は限られています。事前に公式サイトでご確認ください。
※喜志駅に駐車場はありません。必ず電車をご利用ください。

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旭川・旭山動物園 ~大人もワクワクさせる動物園

2018年02月26日 | 観光スポット


ユキヒョウは神秘的でセクシー

旭山動物園は2005~06年にかけてTV放送されたNHK「プロジェクトX」やフジテレビのドラマで一躍有名になりました。現在も日本有数の入場者数を誇る動物園で、四季を問わず楽しむことができます。

旭山動物園の成功の原動力となったのは、よりリアルに動物の動きを観察できる「行動展示」と言われます。導入からすでに20年ほど経ちますが、現在も観客を楽しませようと試行錯誤を続けていることがうかがえます。動物園は大人が行っても楽しいところだと感じさせてくれます。


旭山の冬の風物詩「ペンギンの散歩」は今も大人気

「行動展示」と言われても、やはり専門家でないとしっくりはきません。そのため旭山動物園では、飼育員が動物にエサをやりながらその行動を観客に解説する催しを、動物の動きの魅力を伝える機会として重視しています。「ペンギンの散歩」に代表される「もぐもぐタイム」と名付けられたこうした催しは、現在もこの動物園の看板イベントです。

どの動物を出演させるかは体調による判断が必要なのでしょうか、毎朝決定しています。驚くことに旭山動物園では、毎朝決めたスケジュールを公式サイトに毎朝Upしています。特定の動物を楽しみにしている来園者をがっかりさせない配慮がよく伝わってきます。

なおエサやりを伴わない解説は「なるほどガイド」「ワンポイントガイド」と呼んでおり、こちらも毎日たくさん行われています。スケジュールをぜひ確認してみてください。

【公式サイト】 本日のタイムスケジュール


動物園が来園者に理解してほしいことを「手書き看板」に

旭山動物園には動物が野生で暮らせる環境づくりも大切にしています。写真は「シマフクロウ」の例です。絶滅危惧種として自然の中で人間によるエサや巣箱の提供で何とか種を保っていますが、これは本来の姿ではないと訴えています。「手書き看板」で表現することで、動物と自然環境への愛情を強く感じさせます。動物園の使命として素晴らしいと思います。


ワピチ(シカ種)の訃報のお知らせ

「手書き看板」は園で大往生した動物の訃報にも用いられています。永年来園者から愛されてきたことへの感謝の気持ちが伝わってきます。「手書き看板」は今では全国の動物園で珍しくないですが、旭山動物園は20年以上続けています。これも全国に先駆けたものかもしれません。「手書き看板」で伝えるコンテンツには磨きがかかっていると感じられます。


あざらし館の円柱水槽も大人気

あざらし館では地上のプールでゴマフアザラシが泳ぐ姿を見ることができます。このプールは地下の水槽と東名の円柱でつながっています。ゴマフアザラシは野生の海のように自由に泳ぎ回っていますが、円柱を通り抜ける時は目にもとまらぬ速さです。

円柱の周りはアジア系の外国人観光客がたくさんいます。寒冷地に住む動物をあまり見たことがなく、ダイナミックにスリリングに動き回る姿に惹かれるのでしょうか。みな熱心に写真撮影しています。


寒くない? 大丈夫? 素人の素朴な疑問。

旭山動物園の公式サイトは5か国語対応で、ロシア語ページもあります。北海道の観光施設は、顧客層に応じたきめ細かなマーケティングが総じて上手です。旭山動物園はマーケティング上手の筆頭格です。大人だけでもぜひ訪れてみてください。

こんなところがあったのか。
日本にも世界にも、唯一無二の「美」はたくさん。



どうやったら共に生きれるか、園長によるエッセイ集


旭川市旭山動物園
http://www.city.asahikawa.hokkaido.jp/asahiyamazoo/

開園期間:夏期)例年4月末~10月下旬、冬季)11月中旬~年末、年始~4月上旬
休館日:夏期・冬季展示内容切替期間と年末年始は休館、開園期間中は原則休館なし
※展示内容は、展示期間が限られている場合があります。

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網走・砕氷船ツアー ~大自然のオーラに圧倒される

2018年02月24日 | 観光スポット


氷の海をグイグイ進む砕氷船

北海道の網走は、オホーツク海に面し「監獄」と「流氷」で知られる街です。例年2月になると北から流れてきた流氷が北海道のオホーツク海沿岸に到達し、海面が真っ白な氷に覆いつくされます。この流氷は世界で最も南に流れる流氷で、オホーツク海の豊かな大自然がその仕組みを支えています。

砕氷船ツアーで、神秘的な流氷が静かに動く様子が目の当たりにできます。恵みを享受しようとする生き物の営みも目の前で観察することができます。日本国内でこのような大自然の営みと間近に触れ合えることができるとは、とても幸せです。

網走の緯度は欧州のリゾート地・モナコとほぼ同じです。欧州の地中海沿岸は大西洋を北上する温かいメキシコ湾流とアフリカ大陸からの熱波の影響で、緯度の割にとても温かいのです。

一方オホーツク海では、北太平洋から流れる冷たい親潮が南太平洋から流れる温かい黒潮を三陸沖で遮るため、南から熱が入ってくることはありません。そのため北のシベリアの冷気の影響が強くなり、緯度の割にはとても冷たい海になっています。

またオホーツク海には外海からの海水の流入は少ない割に、サハリンの北端あたりでオホーツク海に流れ込む大河・アムール川からの淡水が多くなります。淡水は、塩水より比重が軽いので海面付近にとどまります。流氷は、塩分濃度が低く海面に近いほどできやすくなります。オホーツクの流氷は、アムール川の営みの賜物なのです。

アムール川はまた、シベリアの森で造られたミネラルをたっぷり含んでいます。このミネラルのおかげでオホーツク海は、植物プランクトン→動物プランクトン→小さい魚→大きい魚→肉食動物という食物連鎖が見事に好循環サイクルを形成しています。コンブやカニなど豊かな海の幸も、その根っこはアムール川の恵みなのです。


オオセグロカモメが頻繁に砕氷船で休息を取る

砕氷船からは、鳥や動物が佇んでいる姿を観察することができます。オオセグロカモメはオホーツク海沿岸では最も行く見られるウミドリで、砕氷船にもよく降りてきます。人間が間近にカメラを近づけてもまったく驚きません。


船内の遭遇カレンダー

運が良ければ天然記念物のオオワシやオオジロワシに遭遇します。羽を広げれば2mを超す巨大な鳥で、魚をハントする間に氷の上で休息しています。アザラシがいることもあります。船内ではオオワシ・オオジロエアシ・アザラシが目撃された日をカレンダーに印をし、乗船客に遭遇の目安を情報提供しています。ぜひ公式サイトでも公開してほしいものです。


初めて見た青い氷

氷の密度が濃くなっていくと、氷が青いことに気づきます。印刷物やモニターでは見たことがないような神秘的な青です。実物は写真よりもはるかにはっきりと、バックライトで照らされているように青い色が見えます。私の現在の撮影テクニックではこの写真が限界です。

大自然の流氷の青色を見ていると、視力が回復するのではと思えるくらい見とれてしまいます。科学的には、流氷は青い光を通しやすいので青く見える、空が青く見えるのと同じ原理とのこと。文系の私にはこう説明されても、これ以上突っ込めません。しかし人工的には絶対に作れないと思える色であることだけは間違いありません。

ほとんどの人にとって一生の思い出になると思います。大自然の営みはそれほど圧巻のオーラを発しています。人間は、地球の上ではとても小さい生き物に過ぎないと実感させられます。

こんなところがあったのか。
日本にも世界にも、唯一無二の「美」はたくさん。



流氷は地球環境の指標


網走流氷観光砕氷船おーろら
https://www.ms-aurora.com/abashiri/

運行期間:毎年1月20日~4月3日
運行期間中休航日:原則なし
※流氷がない場合、乗船料がやや安い海上遊覧になります。
※天候により、運休になる場合があります。
※3/15以降は予約が少ない便は、運休になる場合があります。

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納沙布岬 ~冷たいBorderがここには引かれている

2018年02月23日 | 観光スポット


貝殻島灯台と水晶島

日本の駅で最も東にある根室駅から、さらに東に路線バスで40分ほど行ったところに、誰でも自由に行くことができる日本の東の端「納沙布岬(のさっぷみさき)」があります。東の果てとして観光スポットになっていますが、目前に見える北方領土に行くことができないという現実も重くのしかかっています。鉄のように固く氷のように冷たいBorderを日本で最も感じさせるところです。

誰で自由に行くことができる日本の西の端「与那国島(よなぐにじま)」とは、日の出時間の差が最も大きくなる夏至の日には2時間20分以上の差があります。日本は決して小さな島国ではないことがわかります。西の端から先、100kmほど離れた台湾には、ビザなしで行くことができます。2016年になって与那国島に自衛隊が駐屯するようになりましたが、それまでは軍事的な緊張感を感じさせる存在はありませんでした。

日本人が北方領土に行く場合、ロシアからビザを発給してもらう必要があります。しかし現実にはビザはほぼ発給されません。また日本政府も北方領土への渡航を自粛するよう呼び掛けています。ロシアからビザを発給してもらうことは、ロシアの領土だと認めることになるからです。

歯舞(はぼまい)諸島の一つで、岩礁に朽ちた灯台があることで知られる貝殻島(かいがらじま)は、最も近い北方領土です。納沙布岬からはわずか3.7kmしかなく、悪天候にならない限り普通に見えます。島として最も近い水晶島(すいしょうじま)も7kmしか離れていません。付近の海は昆布がよく取れますが、ロシア側にお金を払って漁を続けているのが現実です。


冬季に唯一営業している土産物屋

納沙布岬はバス停の周りでも建物は少なく、さいはての地にたどり着いたことを感じさせます。夏の方が圧倒的に観光客は多く、ツーリングを楽しむライダーたちの人気スポットになっているようです。一方冬季はお店がほとんど営業しないほどです。

バス停からは岬まで徒歩5分ほどです。先へ進むと貝殻島・水晶島以外の歯舞諸島の島も見えてきます。双眼鏡を使えば建物も鮮明に見えます。納沙布岬から近い北方領土には、定住者はいないとみられており、人の気配は全く感じられません。氷に閉ざされた極寒の大地が、冷たい壁としてBorderに立ちはだかっているように見えてきます。


終戦直後まで確かな日本人の暮らしがあった

岬付近には「北方館 望郷の家」「根室市北方領土資料館」の2つの資料館があり、戦前の北方領土での暮らしの様子が展示されています。村人の写真、集落の地図などがたくさん残されていることには驚きます。終戦時のソ連軍の進行直後にロシア人と日本人が一緒に暮らしている写真には、特に心を打たれます。普通に暮らすにあたって、国境や国籍は本来は気にする必要がないのです。


国後島の遠景も見える

国後島(くなしりとう)も見えます。北方領土四島の中で最も標高の高い1,822mの爺爺岳(ちゃちゃだけ)の勇壮な姿を感じることができます。国後の先にある択捉島(えとろふとう)と共に、知床に匹敵するような大自然が残されていると思えてなりません。

納沙布岬は、北海道のスケールの大きさと冷徹な政治の現実が同居しているところです。雄大な自然を感じたら必ず、現代の日本社会がこのBorderを生み出した過去の悲劇の元に成り立っていることを考えてみてください。


根室の原野はどこまでも大きい

こんなところがあったのか。
日本にも世界にも、唯一無二の「美」はたくさん。



北海道の鉄路、究極のローカル線


北海道・根室振興局 観光スポット紹介「納沙布岬」
http://www.nemuro.pref.hokkaido.lg.jp/ss/srk/kanko/nmrgsdb/3k-spot/3ks-cape-nosappu.htm

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近鉄電車から絶景車窓が2度楽しめる ~鉄道ファンでなくてもワクワク

2017年12月07日 | 観光スポット

朱雀門を横切る近鉄特急

 

 

大阪や京都から近鉄電車で奈良に向かうと、終点の近鉄奈良駅の直前で平城宮跡の真ん中を通過する。天平の朱色が鮮やかに復元された大極殿と朱雀門を車窓として楽しむことができるのだ。「世界遺産の中を鉄道が走っていていいの?」と思われがちだが、その風景は実に味がある。「奈良に来た!」と見事に思わせてくれる。そんな稀有な車窓をご紹介したい。

 

平城宮跡を通る近鉄奈良線は、1914(大正3)年に開業した。当時は大極殿の後がようやく確認された頃で、現代のように遺跡として保存するという価値観はなかった。ほとんどが田んぼや放牧地として利用されており、鉄道を通すことに違和感はなかったと思われる。それから100年、近鉄電車はここを走り続けてきた。しかし長い間、まるで北海道の原野を通過しているように「何もない」車窓だった。

 

1998年に線路のすぐ南側に朱雀門が復元されると車窓は一変した。原野のような土地と青空しかない空間に、突如天平時代を想像させる赤い立派な門が現れたのである。2010(平成22)年には、線路の北側に第一次大極殿が復元され、線路の両側に平城京のシンボルが並び立つことになる。

 

 

 

大極殿が目の前に飛び込んでくる(車内から撮影)

 

 

「何もなかった」車窓から一変し、赤い建物が見えると「奈良に来た!」と実感できる。電車に乗って奈良に行く楽しみが一つ増えたようなものである。しかしこれはあくまで「車内から」平城宮跡を見た価値観だ。

 

平城宮跡から通過する近鉄電車を見る価値観はどうだろうか。実は奈良市民の中にはこの風景を肯定的にとらえる人が少なくない。私もこの風景のファンだ。ここでしか味わえない奈良らしさを感じる。鉄道の方が圧倒的に古くから存在していることから、後からできた朱雀門や大極殿の方が、上手に鉄道風景に溶け込んでいるように見えるのだ。

 

大阪・京都から乗車した場合、奈良に向かう進行方向左側に大極殿、右側に朱雀門が見える。終点の近鉄奈良駅の2つ手前の駅・大和西大寺を発車すると、緑の中に突然現れる。それなりのスピードが出ているので、スマホやデジカメなら静止画より動画の方がきれいに撮影しやすいだろう。

 

 

 

高さ日本一の「あべのハルカス」ビル(車内から撮影)

 

 

近鉄奈良線にはもう一か所、車窓の名所がある。大阪と奈良の間にそびえる生駒(いこま)山麓を通過する際に絶景が見えるのだ。近鉄奈良線で大阪から奈良に向かうと正面に見えるのが生駒山だ。山の麓にある瓢箪山(ひょうたんやま)駅を通過すると左にカーブしながら電車はぐんぐん山を登り始め、石切(いしきり)駅を過ぎたところでトンネルに入る。石切駅の手前あたりがベスト・ビューで、大阪平野が一望できる。

 

 

 

大阪都心の高層ビル群と六甲山の山並み(車内から撮影)

 

大阪から乗車した場合、奈良に向かう進行方向左側に絶景が広がる。昼間はもちろん、夜景も見事だ。長野の姨捨(おばすて)駅から見下ろす善光寺平の夜景は有名だが、ここはもっと大都会であり光に埋め尽くされる。近鉄奈良線の生駒~大和西大寺間は、関西でも閑静な住宅街として知られる。毎日こんな絶景を見ながら通勤できるとは実に頼もしい。

 

 

日本全国の夜景紹介サイト【こよなく夜景を愛する人へ】 石切から見える夜景の楽しみ方

 

 

 

奈良県と近鉄が平城宮跡付近の線路を地下化する検討を始めたと2017年に報じられた。国営公園として整備するための措置のようだが、あの車窓が見えなくなってしまうと思うと複雑さを隠せない。

 

 

鉄道&歴史、両方のファンにおすすめ 

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奈良の魅力、天平と同じ大きな空間を味わえる穴場 ~奈良県庁屋上

2017年10月14日 | 観光スポット

とても開放的な屋上

 

 

奈良は数多くの古寺が持つ仏像や建物で有名だが、ランドマークがどこからでも見渡せるため「空間が大きい」ことも大きな魅力だ。しかしこのことはあまり知られていないような気がする。今日は奈良の空間の魅力を伝えてみたい。

 

1)大阪や京都から近鉄電車に乗ってくると、終点の近鉄奈良駅の手前の巨大な空間の中に、赤い柱が美しい雄大な平城京の大極殿と朱雀門が姿を見せる。この大極殿や朱雀門を借景にした鉄道写真は鉄道ファンの間では人気。

 

2)建物の高さ制限が厳しい奈良市中心部で最も高い建物はホテル日航奈良で、10階建に過ぎない。東大寺の大仏殿とほぼ同じ高さで、興福寺の五重塔よりも低い。

 

3)市内のどこからでもほぼ若草山が見える。つまり奈良時代のランドマーク建物や周辺の山が今でも見渡せる。

 

4)薬師寺の伽藍や平城京跡も、いずれも現代の復元建築が中心ながら、借景に現代建築がみえないため、内側から見た伽藍や宮殿の様子は天平の頃と変わらない。

平城京の雄大な空間を公式サイトYouTubeで体験できます

 

5)京都では周囲に現代建築が見えないところはまずないので、京都の寺社や庭園は現代建築が見えないよう敷地を取り囲む木の背を高くして隠していることが多い。そのため戦前までは京都市内のどこからでも見えた比叡山が見える寺社や庭園は、今では非常に限られる。

 

6)京都は、今やランドマークが見渡せず「空間が大きい」魅力は失われたが、寺や邸宅の障壁画や枯山水庭園で味わえる「空間が小さい」魅力はやはり一級。奈良は「空間が小さい」魅力が少ないことは否めないが、「空間が大きい」魅力は一級だ。

 

そんな一級の大きな空間を手軽に無料で味わえる穴場スポットがある。奈良県庁の屋上だ。

 

 

 

屋上からは興福寺の五重塔がすぐ前に見える

 

 

興福寺の北隣に県庁はあり、興福寺からは歩いて1分、近鉄奈良駅からも5分ほどだ。週末でも原則開放されており、エレベーターで楽々上がれる。展望台料金も無料。眺める高さでは若草山の山頂よりは低いが、行きやすさと混雑しない穴場さは抜群だ。春や秋の天気のいい日に屋上カフェすると、とても気分がよくなる。1Fにコンビニとカフェがあり調達に便利。

 

 

 

東大寺大仏殿や若草山も手に取るように近い

 

西側には平常旧跡の大極殿や朱雀門が見える。薬師寺五重塔も見える。はるか南には万葉集にうたわれた大和三山が見える場合もある。大阪府や福岡県など日本の悠久の歴史の原点になった地域はいくつかあるが、奈良ほど古(いにしえ)と変わらないランドマークと巨大な青い空が同時に見渡せるところは他にはない。

 

 

 

日本や世界には、数多く「ここにしかない」名作がある。

「ここにしかない」名作に会いに行こう。

 

 

奈良時代と現在をトレースして比較できる。平城京の街割り解説も詳しい。

 

 

奈良県庁舎屋上広場の開放日程について

http://www.pref.nara.jp/secure/80570/kaihou17.8.9.pdf

会期:通年

休館日:年間数日あり(事前にご確認ください)

 

 

 

 

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サルとふれあい、京都の絶景を満喫する ~モンキーパークいわたやま

2017年09月02日 | 観光スポット

嵐山の絶景「モンキーパーク」

 

京都・嵐山は近年、日本のみならず世界的観光地になっていると強く感じる人が多いだろう。桜と紅葉の時期を除くと、観光客の半数以上は外国人になっていることを実感する。特に平日はそう感じる。従来の国内客だけに限定した発想では、平日と非観光シーズンの客の入りが大いに課題だったが、外国人はそうしたエアーポケットを見事に埋めてくれている。

 

欧州のように歴史があって社会が安定している国はどこも観光業が盛ん、なぜなら魅力的なコンテンツがたくさんあって。かつ安心して旅行できるからだ。日本もようやく世界的な観光立国の仲間入りを始めようとしている。

 

そんな観光立国の最先端を行く嵐山の中でも、「モンキーパークいわたやま」は特に外国人客の比率が高い。私が訪問したのは平日だったこともあるが、感覚的に8割は外国人、特に欧米人が多い。大阪の道頓堀並みに外国人比率は高く、東京でもここまで高いところはないと思う。

 

欧米人にとっては、サルは身近に生息しておらず、熱帯にしかいないと考えられているのでとても珍しいそうだ。長野県の地獄谷でサルが温泉につかる様子は、世界で最も寒い所に住むサルとして稀有な行動だという。この地獄谷も欧米人観光客には大人気だ。

 

渡月橋の南側から歩いて3分ほどのところにパークの入口があり、ここから15分ほど登っていく。途中には子供でもわかりやすくサルの知識を勉強できる「おサルクイズ」や、サルを興奮させない写真の取り方を説明した立て看板がある。快適にサルを観察できるよう啓蒙し、かつ単調な登り坂にならないよう工夫されている。空が開けて頂上が近づいたと感じる頃からサルが見え始める。ここはすべて放し飼いなので、目の前でサルの行動をたっぷりと観察できる。動物との距離が近いのはやはり楽しい。

 

エサやりもできる。以外にも人間がオリの中に入ってバナナやリンゴをやるので、サルに引っかかれる心配はほぼない。大人でも体長は1mもないので、エサ目当てにオリにジャンプしてくるサルに威圧感を感じることはなく、逆にとても愛くるしい。一匹のサルがエサをゲットするとすぐに食べず、走っていった先で、小さいサルにエサを与えていた。きっと我が子にどうすればエサにありつけるかを教えているのだろう

 

 

 

サルには絶景がどのように写るのだろうか?

 

 

丘の上からは京都市内ほぼ全域を眺めることができる。サルではなく絶景の鑑賞目的だけで訪れても満足できる。眼下を雄大に流れる桂川の先には京都御所の森や京都タワーもはっきり見える。空気が澄んだ冬は特に美しい。

 

京都盆地は関東平野と比べると、とても小さい。だから全容がよくわかる。東京スカイツリーから眺めても関東平野は大きすぎて全容はわからない。

 

しかし京都盆地を囲む山のどこからも決して見えない眺めがある。富士山だ。高層建築からはもとより、視界が開けた首都高速の荒川沿いの中央環状線や浦安のディズニーランドのホテルからも、空気がきれいな冬の朝には特にきれいに見える。北斎や広重が盛んにモチーフにしたように、富士山は日本人にとって本当にわかりやすいモチーフなのだ。

 

 

また来る価値は充分にある、でも英語や中国語でも表記する方がいい。

 

 

日本や世界には、数多く「ここにしかない」名作がある。

「ここにしかない」名作に会いに行こう。

 

 

 

モンキーパークいわたやま

http://www.monkeypark.jp/

原則休館日:なし

 

サルが大好きだと感じるパーク園長のtwitterもおすすめ

花粉症に苦しむサルの姿をつぶやくことで、地球環境の変化を感じさせる

https://twitter.com/enchodesu

 

 

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