ご報告が遅くなりましたが、2月議会の最終日(3月19日)に、会派を代表して討論を行いました。
※3月19日 本会議場にて
その討論の原稿については文末に掲載しますので是非ご一読頂きたいのですが、19日の討論ではその一部を割愛せざるを得ませんでした。
何故なら、討論の途中で、議長から、私の発言が「討論の範囲を超えている」と注意を受けてしまったからです。
今回の討論に臨むにあたり、自分としては、賛成の理由を羅列するよりも、議案に関連する問題点を指摘することに重点を置きました。何故なら、全ての議員、会派が賛成する、つまり全会一致で可決される状況の中で、他会派と似たような賛成理由を細かく述べるのは余り意味がないと考えるからです。
会派を代表しての討論ですので、原稿については、予め、会派の政調会長に確認してもらいました。原稿を読んで頂ければわかりますが、その内容は今の政府に対する批判も含まれています。ですから、自民党の議員から野次が飛んでくることは予想していましたが、議長から注意を受けるとは、もちろん想定していませんでした。
そこで、後日、改めて討論とは何か確認してみました。
※討論の留意事項(議会事務局資料)
資料にもありますが、討論のそもそもの目的は、他の議員にも同調してもらえるように、議案に対する賛否とその理由を述べることです。ですから、賛否の理由もそれなりに述べる必要は本来あるのですが、実際には、その討論を聞いてから賛否を変えるということは通常はありません。特に、議案に対する賛否が割れることは今の静岡県議会では殆どありません(川勝知事が誕生してからこれまでに賛否が分かれた案件は僅か2件しかありません)ので、会派の立場や意見を明確にする以上に賛否の理由を述べる必要はないのです。ですから、私は、県当局に対し問題点を指摘することによって会派の考え方を示そうと試みました。
しかしながら、通常の討論に比べ、賛成理由よりも問題点を指摘する部分が多くその内容も細かかったために、あたかも反対討論のように聞こえてしまったようです。議会での議論を活発にするにはむしろその方がいいと今でも思うのですが、議長の指示には従わなければなりませんので、急遽、その場で原稿の一部を変更、省略しました。
以下に、一部「幻」となってしまった討論の原稿を掲載致しますので、ご一読の上、ご意見等を賜れば幸いです。
私は、ふじのくに県議団を代表して、
今定例会に提出されました全ての議案に賛成の立場から、
特に三つの議案に関して意見を申し上げ、討論致します。
まず始めに、第1号議案「平成26年度静岡県一般会計予算」に関して
意見を申し上げます。
平成26年度の一般会計予算案の総額は、
前年度比3.6%増の1兆1802億円で、
平成14年度の当初予算1兆1920億円に次ぐ、
過去10年間では最大規模のものとなっています。
地震津波対策アクションプログラム2013の着実な実行の為に
関連事業費として前年度比で100億円増の444億円を計上、
少人数教育の強化の為に
本年度に引き続き県単独措置として45人の教員を確保したり、
本年度より更に多い115名の非常勤講師を配置したりするなど、
来月から実行される次期基本計画に基づいた
「富国有徳の理想郷“ふじのくに”づくり」の総仕上げに不可欠な
予算案と言うべきものであり、
我が会派の予算要望を大いに反映した編成となっています。
その一方で、予算案と共に示された「財政の中期見通し」によれば、
平成26年度末の県債残高は、
過去最多の2兆7303億円に達する見込みとなっています。
景気は持ち直しつつあるとは言え、
県内経済の先行きは依然として不透明であると同時に、
将来人口推計が示すように、
少なくとも今後数十年間は人口減少と高齢化が急速に進むことから、
当面は厳しい財政状況が続くことを前提に
県政を運営していかなければならないと考えます。しかしながら、
そうした慎重かつ長期的な見通しに基づいて
県当局が財政運営を行なっているかと言えば、
疑問を呈さざるを得ません。なぜなら、例えば、
前述の「財政の中期見通し」が必ずしも適切なものとは言えないからです。
毎年度の当初予算案と同時に示される「財政の中期見通し」では、
その試算の前提として、内閣府が試算した経済成長率を用いています。
内閣府の試算では、今後の経済が順調に回復・成長した、
言わば楽観的なシナリオと、そうではない慎重なシナリオ等、
2つ以上のケースを想定しています。
過去の県の財政の中期見通しでは、
平成21年と22年は、順調回復と底ばい継続の、2つのシナリオを、
平成23年から昨年までは、
内閣府の試算の中でも、より慎重なシナリオを前提に置いてきました。
ところが、今年の財政の中期見通しでは、
内閣府の、より楽観的な「経済再生ケース」を試算の前提にし、
税収が大幅に伸びることを想定しています。
基本的な考え方として、財政の見通しを試算する場合には、
より慎重で控えめな想定をするべきではないでしょうか。
なぜなら、楽観的な経済再生シナリオを前提に試算し、計画したものの、
経済再生が前提通りに実現しなかった場合、
財政再建は更に遠のくこととなりますが、
逆に、慎重なケースを前提にし、想定以上の成長が実現した場合には、
財政再建計画を前倒しすることが可能になるからです。
ちなみに、大阪府が今年2月に示した「財政状況に関する中長期試算」では、
内閣府の、より慎重な「参考ケース」を用いています。
またお隣山梨県の「財政の中期見通し」では平成27年度の県税収入については
消費税増税に伴う増額分を反映させていますが、
平成28年度以降の県税は全く増えないという、
実に慎重な前提に基づいて試算を行なっています。
こうした点に加え、更に指摘すべきは、今回の中期見通しが前提としている、
内閣府の「中長期の経済財政に関する試算」そのものが、
極めて楽観的である点です。
例えば、1月28日の日本経済新聞のコラム「大機小機」は、
この内閣府の試算について「議論の突っ込みどころ満載の資料だ。
中でも前提としている経済の姿がかなり楽観的であるのが目に付く」
と厳しく批判しています。
この記事が指摘していますように、
県の中期見通しの前提ともなっている「経済再生ケース」は、
客観的に実現可能な前提というよりも、
政府が目標としている経済成長率の達成を前提としたものです。
「経済再生ケース」では、
平成25年度から34年度の平均の実質成長率を2.1%としていますが、
国立社会保障・人口問題研究所の将来人口推計によれば、
平成25年から34年の10年間で、合計440万人以上、
約3.5%の人口減少と、
約3.1%の生産年齢人口の割合の低下が予想される中で、
そうした高い成長率の実現は、本当に現実的と言えるのでしょうか。
ちなみに、同じ日経新聞記事が紹介している
「公益社団法人日本経済研究センター」、
元日本銀行副総裁で、現在、政府の「「選択する未来」委員会」
の会長代理である岩田一政氏が、その理事長を務めていますが、
当センターが作成した、平成37年度までの「中期経済予測最終報告」では、
労働力人口の減少等も織り込んだ結果として、
平成23年から27年の平均の実質成長率は1.0%、
平成28年から32年は0.9%、
平成33年から37年では0.7%となっています。
県では、昨年10月に独自の将来人口推計を策定しているのですから、
政府の楽観的な見通しを、疑うことなくそのまま前提に置くのではなく、
もう一つの「参考ケース」や、民間の予測も大いに取り入れながら、
人口減少や高齢化の影響も十分に加味した、慎重かつ現実的な中期見通しを、
県当局は、改めて示すべきです。
加えて、昨年12月議会の一般質問でも提言致しましたが、
10年以上の長期見通しについても早急に策定すべきです。
例えば、先程紹介した大阪府では、独自の「財政運営基本条例」に基づいて、
予算審議や計画的な財政運営の参考のために、
平成46年までの20年間を見通した中長期試算を行なっています。
県当局も同様の取り組みに早急に着手するよう、強く要請致します。
次に、第101号議案
「静岡県工業用水道及び水道の使用料等に関する条例の一部を改正する条例」
に関して意見を申し上げます。
この条例改正は、中遠工業用水道の料金引き上げ等を行なうものですが、
全ての受水企業から同意が得られていることから、
我が会派は賛成を致します。
しかしながら、
同じく料金の引き上げを検討している湖西工業水道事業に関しては、
まだ全ての受水企業から同意が得られていないことが示すように、
工業用水道事業そして企業局における経営改善努力は
決して十分とは言えないと考えています。
例えば、浜松市は、平成23年度に水道専門のサービス会社等の協力の下で
「公共下水道における包括的民間委託・公共施設等運営権活用検討事業」を
行なっています。
同様に、県の企業局も、民間の最先端の知見を活用しながら、
スケールメリットが発揮される形での包括的民間委託や
指定管理者制度の導入等のコスト削減策を
早急に検討・実行すべきと考えますが、企業局はこれまで
積極的に取り組んできたのでしょうか。
また、そもそも、企業局の工業用水道事業の使命は、
工業用水の安定供給や管路の維持管理ではなく、
産業インフラの整備により県内産業の振興に資することであるはずです。
そうした広い観点から、県全体の産業政策として、
低廉で安定した工業用水の供給等に取り組むよう、
企業局を始めとする県当局には、強く要請致します。
最後に、第114号議案
「富士山静岡空港旅客ターミナルビル等の県有財産の取得」に関連して
意見を申し上げます。
富士山静岡空港につきましては、今定例会におきましても
本会議や常任委員会で活発な議論が行われました。
特に、先程、委員長から報告がありましたように、空港の年間搭乗者数を
次期基本計画の最終年度までに85万人にするという目標について、
下方修正すべきという意見が企画文化観光委員会から出されました。
私が所属する建設委員会でも議論しましたが、
こうした意見が出てくる大きな理由は、
85万人の搭乗者を獲得するまでの道筋や政策が
私達県民、とりわけ、現時点では静岡空港を利用していない個人や
企業の声を反映した形にはなっていないことだと考えます。
20億円以上の県税を投入してターミナルビルを取得すると共に、
更に巨額の費用をかけて行なうターミナルビルの増改築の
具体的な目的や設計内容、そして、
増改築が完了するまでの今後4年間の取り組みが、
現在は空港を利用していない個人や企業にとっても
大変魅力的でわかり易いものになるよう、
県当局は、来月に新設される空港振興局を中心に、
一層の危機感を持って、全力で取り組むべきです。
以上、全ての議案に賛成の立場から意見を申し上げました。
毎年編成する予算では、少しの変化には対応が可能です。しかし、
毎年の予算編成で対応し切れなかった変化が積み重なれば、
もはや何ともし難い事態がいずれ到来することになってしまいます。
今は丁度、卒業式シーズンです。
今朝も、私の地元の小学校から、元気な6年生が巣立って行きました。
県当局におかれましては、将来人口推計に基づいた
長期的かつ慎重な財政推計を行なうことにより、近い将来、
どのような事態が起こりうるのか十分想定した上で、
私たちに続く世代に、何とか、良い形で静岡県を引き継げるように、
今後の財政運営や各種の施策の推進に取り組まれますよう重ねて強く要望し、
賛成討論と致します。議員の皆様の満場の賛同をお願い致します。
ご清聴ありがとうございました。
お読み下さり、ありがとうございます。
※3月19日 本会議場にて
その討論の原稿については文末に掲載しますので是非ご一読頂きたいのですが、19日の討論ではその一部を割愛せざるを得ませんでした。
何故なら、討論の途中で、議長から、私の発言が「討論の範囲を超えている」と注意を受けてしまったからです。
今回の討論に臨むにあたり、自分としては、賛成の理由を羅列するよりも、議案に関連する問題点を指摘することに重点を置きました。何故なら、全ての議員、会派が賛成する、つまり全会一致で可決される状況の中で、他会派と似たような賛成理由を細かく述べるのは余り意味がないと考えるからです。
会派を代表しての討論ですので、原稿については、予め、会派の政調会長に確認してもらいました。原稿を読んで頂ければわかりますが、その内容は今の政府に対する批判も含まれています。ですから、自民党の議員から野次が飛んでくることは予想していましたが、議長から注意を受けるとは、もちろん想定していませんでした。
そこで、後日、改めて討論とは何か確認してみました。
※討論の留意事項(議会事務局資料)
資料にもありますが、討論のそもそもの目的は、他の議員にも同調してもらえるように、議案に対する賛否とその理由を述べることです。ですから、賛否の理由もそれなりに述べる必要は本来あるのですが、実際には、その討論を聞いてから賛否を変えるということは通常はありません。特に、議案に対する賛否が割れることは今の静岡県議会では殆どありません(川勝知事が誕生してからこれまでに賛否が分かれた案件は僅か2件しかありません)ので、会派の立場や意見を明確にする以上に賛否の理由を述べる必要はないのです。ですから、私は、県当局に対し問題点を指摘することによって会派の考え方を示そうと試みました。
しかしながら、通常の討論に比べ、賛成理由よりも問題点を指摘する部分が多くその内容も細かかったために、あたかも反対討論のように聞こえてしまったようです。議会での議論を活発にするにはむしろその方がいいと今でも思うのですが、議長の指示には従わなければなりませんので、急遽、その場で原稿の一部を変更、省略しました。
以下に、一部「幻」となってしまった討論の原稿を掲載致しますので、ご一読の上、ご意見等を賜れば幸いです。
私は、ふじのくに県議団を代表して、
今定例会に提出されました全ての議案に賛成の立場から、
特に三つの議案に関して意見を申し上げ、討論致します。
まず始めに、第1号議案「平成26年度静岡県一般会計予算」に関して
意見を申し上げます。
平成26年度の一般会計予算案の総額は、
前年度比3.6%増の1兆1802億円で、
平成14年度の当初予算1兆1920億円に次ぐ、
過去10年間では最大規模のものとなっています。
地震津波対策アクションプログラム2013の着実な実行の為に
関連事業費として前年度比で100億円増の444億円を計上、
少人数教育の強化の為に
本年度に引き続き県単独措置として45人の教員を確保したり、
本年度より更に多い115名の非常勤講師を配置したりするなど、
来月から実行される次期基本計画に基づいた
「富国有徳の理想郷“ふじのくに”づくり」の総仕上げに不可欠な
予算案と言うべきものであり、
我が会派の予算要望を大いに反映した編成となっています。
その一方で、予算案と共に示された「財政の中期見通し」によれば、
平成26年度末の県債残高は、
過去最多の2兆7303億円に達する見込みとなっています。
景気は持ち直しつつあるとは言え、
県内経済の先行きは依然として不透明であると同時に、
将来人口推計が示すように、
少なくとも今後数十年間は人口減少と高齢化が急速に進むことから、
当面は厳しい財政状況が続くことを前提に
県政を運営していかなければならないと考えます。しかしながら、
そうした慎重かつ長期的な見通しに基づいて
県当局が財政運営を行なっているかと言えば、
疑問を呈さざるを得ません。なぜなら、例えば、
前述の「財政の中期見通し」が必ずしも適切なものとは言えないからです。
毎年度の当初予算案と同時に示される「財政の中期見通し」では、
その試算の前提として、内閣府が試算した経済成長率を用いています。
内閣府の試算では、今後の経済が順調に回復・成長した、
言わば楽観的なシナリオと、そうではない慎重なシナリオ等、
2つ以上のケースを想定しています。
過去の県の財政の中期見通しでは、
平成21年と22年は、順調回復と底ばい継続の、2つのシナリオを、
平成23年から昨年までは、
内閣府の試算の中でも、より慎重なシナリオを前提に置いてきました。
ところが、今年の財政の中期見通しでは、
内閣府の、より楽観的な「経済再生ケース」を試算の前提にし、
税収が大幅に伸びることを想定しています。
基本的な考え方として、財政の見通しを試算する場合には、
より慎重で控えめな想定をするべきではないでしょうか。
なぜなら、楽観的な経済再生シナリオを前提に試算し、計画したものの、
経済再生が前提通りに実現しなかった場合、
財政再建は更に遠のくこととなりますが、
逆に、慎重なケースを前提にし、想定以上の成長が実現した場合には、
財政再建計画を前倒しすることが可能になるからです。
ちなみに、大阪府が今年2月に示した「財政状況に関する中長期試算」では、
内閣府の、より慎重な「参考ケース」を用いています。
またお隣山梨県の「財政の中期見通し」では平成27年度の県税収入については
消費税増税に伴う増額分を反映させていますが、
平成28年度以降の県税は全く増えないという、
実に慎重な前提に基づいて試算を行なっています。
こうした点に加え、更に指摘すべきは、今回の中期見通しが前提としている、
内閣府の「中長期の経済財政に関する試算」そのものが、
極めて楽観的である点です。
例えば、1月28日の日本経済新聞のコラム「大機小機」は、
この内閣府の試算について「議論の突っ込みどころ満載の資料だ。
中でも前提としている経済の姿がかなり楽観的であるのが目に付く」
と厳しく批判しています。
この記事が指摘していますように、
県の中期見通しの前提ともなっている「経済再生ケース」は、
客観的に実現可能な前提というよりも、
政府が目標としている経済成長率の達成を前提としたものです。
「経済再生ケース」では、
平成25年度から34年度の平均の実質成長率を2.1%としていますが、
国立社会保障・人口問題研究所の将来人口推計によれば、
平成25年から34年の10年間で、合計440万人以上、
約3.5%の人口減少と、
約3.1%の生産年齢人口の割合の低下が予想される中で、
そうした高い成長率の実現は、本当に現実的と言えるのでしょうか。
ちなみに、同じ日経新聞記事が紹介している
「公益社団法人日本経済研究センター」、
元日本銀行副総裁で、現在、政府の「「選択する未来」委員会」
の会長代理である岩田一政氏が、その理事長を務めていますが、
当センターが作成した、平成37年度までの「中期経済予測最終報告」では、
労働力人口の減少等も織り込んだ結果として、
平成23年から27年の平均の実質成長率は1.0%、
平成28年から32年は0.9%、
平成33年から37年では0.7%となっています。
県では、昨年10月に独自の将来人口推計を策定しているのですから、
政府の楽観的な見通しを、疑うことなくそのまま前提に置くのではなく、
もう一つの「参考ケース」や、民間の予測も大いに取り入れながら、
人口減少や高齢化の影響も十分に加味した、慎重かつ現実的な中期見通しを、
県当局は、改めて示すべきです。
加えて、昨年12月議会の一般質問でも提言致しましたが、
10年以上の長期見通しについても早急に策定すべきです。
例えば、先程紹介した大阪府では、独自の「財政運営基本条例」に基づいて、
予算審議や計画的な財政運営の参考のために、
平成46年までの20年間を見通した中長期試算を行なっています。
県当局も同様の取り組みに早急に着手するよう、強く要請致します。
次に、第101号議案
「静岡県工業用水道及び水道の使用料等に関する条例の一部を改正する条例」
に関して意見を申し上げます。
この条例改正は、中遠工業用水道の料金引き上げ等を行なうものですが、
全ての受水企業から同意が得られていることから、
我が会派は賛成を致します。
しかしながら、
同じく料金の引き上げを検討している湖西工業水道事業に関しては、
まだ全ての受水企業から同意が得られていないことが示すように、
工業用水道事業そして企業局における経営改善努力は
決して十分とは言えないと考えています。
例えば、浜松市は、平成23年度に水道専門のサービス会社等の協力の下で
「公共下水道における包括的民間委託・公共施設等運営権活用検討事業」を
行なっています。
同様に、県の企業局も、民間の最先端の知見を活用しながら、
スケールメリットが発揮される形での包括的民間委託や
指定管理者制度の導入等のコスト削減策を
早急に検討・実行すべきと考えますが、企業局はこれまで
積極的に取り組んできたのでしょうか。
また、そもそも、企業局の工業用水道事業の使命は、
工業用水の安定供給や管路の維持管理ではなく、
産業インフラの整備により県内産業の振興に資することであるはずです。
そうした広い観点から、県全体の産業政策として、
低廉で安定した工業用水の供給等に取り組むよう、
企業局を始めとする県当局には、強く要請致します。
最後に、第114号議案
「富士山静岡空港旅客ターミナルビル等の県有財産の取得」に関連して
意見を申し上げます。
富士山静岡空港につきましては、今定例会におきましても
本会議や常任委員会で活発な議論が行われました。
特に、先程、委員長から報告がありましたように、空港の年間搭乗者数を
次期基本計画の最終年度までに85万人にするという目標について、
下方修正すべきという意見が企画文化観光委員会から出されました。
私が所属する建設委員会でも議論しましたが、
こうした意見が出てくる大きな理由は、
85万人の搭乗者を獲得するまでの道筋や政策が
私達県民、とりわけ、現時点では静岡空港を利用していない個人や
企業の声を反映した形にはなっていないことだと考えます。
20億円以上の県税を投入してターミナルビルを取得すると共に、
更に巨額の費用をかけて行なうターミナルビルの増改築の
具体的な目的や設計内容、そして、
増改築が完了するまでの今後4年間の取り組みが、
現在は空港を利用していない個人や企業にとっても
大変魅力的でわかり易いものになるよう、
県当局は、来月に新設される空港振興局を中心に、
一層の危機感を持って、全力で取り組むべきです。
以上、全ての議案に賛成の立場から意見を申し上げました。
毎年編成する予算では、少しの変化には対応が可能です。しかし、
毎年の予算編成で対応し切れなかった変化が積み重なれば、
もはや何ともし難い事態がいずれ到来することになってしまいます。
今は丁度、卒業式シーズンです。
今朝も、私の地元の小学校から、元気な6年生が巣立って行きました。
県当局におかれましては、将来人口推計に基づいた
長期的かつ慎重な財政推計を行なうことにより、近い将来、
どのような事態が起こりうるのか十分想定した上で、
私たちに続く世代に、何とか、良い形で静岡県を引き継げるように、
今後の財政運営や各種の施策の推進に取り組まれますよう重ねて強く要望し、
賛成討論と致します。議員の皆様の満場の賛同をお願い致します。
ご清聴ありがとうございました。
お読み下さり、ありがとうございます。