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ご報告が大変遅くなりましたが、9月28日に、県議会議員になってから初めての代表質問(本会議での質問としては5回目)を行ないました。
代表質問とは、文字通り、会派を代表して行なう質問のことです。持ち時間は、一般質問が25分(※自分が発言できる時間。答弁時間は含まない)であるのに対して、代表質問の場合は45分もあり、答弁も含めれば90分から100分ほど掛かります。また、代表質問ができるのは議会ごとに各会派から一人だけですので、扱うテーマは必然的に幅広くなります。更に、代表質問ですので、扱う質問の内容については、他の同僚・先輩議員と話し合いながら決めますので、これまでの一般質問よりも何倍も多くの時間を使って、調査をしたり議論したり質問文を作成したりしました。
まずは代表質問の報告として、2回に分けて、質問文を掲載致します。長文ですがご覧頂ければ幸いです。
※質問項目一覧
平成27年9月定例会 代表質問 鈴木 智
ふじのくに県議団のすずきさとるです。
まず、質問に入ります前に、先日の台風18号の影響により、浜松市を中心に冠水、浸水等の被害に合われた方々、そして鬼怒川等の堤防決壊により被災された方々に対し、心からお見舞いを申し上げますと共に、一日も早い復旧をお祈り申し上げます。
それでは、ふじのくに県議団を代表し、県が直面している重要課題につきまして、分割質問方式にて質問致します。
1 静岡県版総合戦略及び長期人口ビジョンについて
(1)会派提言の総合戦略への反映
最初に、「静岡県版総合戦略及び長期人口ビジョンについて」のうち、「会派提言の総合戦略への反映」について伺います。
我が会派は、6月議会で示された総合戦略素案について、「総合計画後期アクションプラン」の焼き直しの印象が強く「合計特殊出生率2」「転入超過」を実現するための覚悟が十分に感じられないことから、抜本的な見直しを、去る7月13日に要請しました。具体的には、「合計特殊出生率を現在の1.5から倍の3.0にするくらいの政策を実施しないと2.07には到達しない。周産期前後の環境整備だけでなく、保育料や子どもが独立するまでの教育費、住宅など子育て世帯の経済的負担を軽減するための直接的な財政支援等を検討し、導入すること。」「「2020年に2.07」については現実的な年次目標とすること」「市町総合戦略の策定を支援し県の総合戦略との整合を図ること。」等を提言しました。この度改めて示された総合戦略案では、こうした我々の提言は、どのように反映され、どのように抜本的な
見直しが行なわれたのでしょうか。具体的な説明をお願い致します。
(2)長期人口ビジョンに基づくグランドデザイン
次に、「長期人口ビジョンに基づくグランドデザイン」について伺います。
総合戦略案と共に示された長期人口ビジョンは、本県が目指す将来の姿として、2060年に300万人程度の人口を確保し、2090年以降は290万人程度の安定した人口水準を維持することを掲げています。言い換えれば、仮に2020年に出生率が2.07まで上昇し社会的転出入が0となりその後維持されたとしても、つまり、最大限努力しても、県の人口は今後少なくとも80万人、3割近く減少することは避けられないというのが現在の県の認識だということです。
そこで、肝心なのは、例えば、290万人まで減った県民が安全、安心に暮らすには、どのような「かたち」の静岡県を築けばいいのか、つまりは、あるべき2090年の静岡県を実現するためのグランドデザインを考え、必要な政策を実行することです。
人口が3割近く減り、生産年齢人口も当面は減り続けるということは、大幅な税収減も覚悟しなければなりません。一方、高齢化の進行に伴い、社会保障費の大幅な増加が懸念されています。また、今後も南海トラフ巨大地震に備えたハード整備等を続ける必要がある一方、当面は、インフラの老朽化対策に必要なコストが増加します。
人口や税収が減る以上、行政サービスのコスト削減も避けられません。また、人口が全体で3割も減るということは、市街地、住宅地の集約をある程度は図っていかなければ、賑わいが失われ、存続が出来ない集落や地域が県内各地に出現することになります。
例えば、昨年7月に国土交通省が発表した「国土のグランドデザイン2050」における試算によれば、このまま推移した場合、静岡県においては、2050年までに居住地の12%が無人化し、33%の地域で2010年より50%以上、人口が減少することが予想されています。
こうした状況の中で安全、安心な暮らしが出来る静岡県を築いていくには、例えば、スマートシュリンクのような政策がどうしても必要になります。つまり、市街地等を賢く凝集(スマートシュリンク)させることにより、インフラ等の維持管理コストの軽減を図ると共に、地域の賑いを維持しようというものです。平成25年10月に策定された「静岡県都市計画区域マスタープラン方針」でも出てくる考え方です。
とはいえ、道路や市街地等を整備・拡大することが基本だった従来の都市計画からの大転換であり、各市町や地域住民の同意を得るのは容易ではないでしょう。だからこそ、どのように県全体をスマートシュリンクさせるか、今から検討を開始し、具体的なグランドデザインを描き、各市町や県民と議論し、合意形成を図っていくことが不可欠と考えます。静岡県版総合戦略及び長期人口ビジョンは今議会での議論を経て10月末迄に国に示すこととなっていますが、これで終わりではなく、今後の県民会議等で、県民にとってわかりやすい、長期人口ビジョンに基づくグランドデザインの策定を進めるべきと考えますが、今後の方針について伺います。
2.洪水災害対策について
次に、「洪水災害対策について」伺います。
この度の台風18号の影響に伴う豪雨により堤防が決壊した鬼怒川の洪水の模様は、正に、東日本大震災での津波災害を思い起こさせるものでした。こうした洪水災害を防ぐ対策として、河川の堤防の強化が急がれますが、現実問題として堤防強化は膨大な経費と時間を要するものです。また、津波と同様に、洪水も完全に防ぐことは不可能であり、ハード面だけでなくソフト面の対策も重要であることは、今回の洪水災害でも改めて認識させられました。
この11日に開催された県の有識者会議で「津波災害特別警戒区域(オレンジゾーン)」の指定基準案がまとまりました。今回の洪水を受け、洪水災害についても同様の「洪水警戒区域」を設定すべきという意見が専門家から出ています。県におきましては、今回の鬼怒川等での堤防決壊や洪水災害を教訓に、効果的かつ現実的で、人口減少・超高齢社会の到来を見据えた洪水災害対策を改めて確認し、国や市町と連携して進めることが急務だと考えますが、県の方針を伺います。
3.2020年を見据えた観光情報発信力の強化について
(1)観光情報発信力の強化
次に、「2020年を見据えた観光情報発信力の強化について」のうち、「観光情報発信力の強化」について伺います。
私達ふじのくに県議団の提案により、昨年10月に「静岡県観光振興条例」が成立しました。国内はもとより海外からより多くの観光客を引き付けることが出来る「観光立県」を目指すことは、わが県にとって、これからの人口減少・超高齢社会を乗り越えるために欠かせない戦略だと考えます。特に、2020年に日本で開催されるオリンピック、パラリンピックは、静岡県を世界に売り込む絶好のチャンスです。
内閣官房地域活性化伝道師である木下斉(きのしたひとし)氏は、地方の観光地が変わるには、地元関係者だけでなく、いわゆる「よそもの」の関与が欠かせないと主張しています。静岡県の魅力がより客観的にわかる「よそもの」、つまり、他県や他国出身の県内在住者の協力を得て、インターネット等で情報発信していくことは大変効果的であると考えます。
ある商品を買ったりお店に行ったりする際に、インターネット等の、所謂「口コミ」を参考にする方は大変多いと思いますが、そうした「口コミ」は第三者による、より客観的な評価だからこそ、信頼性があるわけです。同様に、「よそもの」による「口コミ」的な情報発信を、静岡県の観光についても行なうべきと考えます。
また、妻が外国人ということもあり、外国人の方を案内することが私は多いのですが、実は、本日も、4名のシンガポール人観光客を連れてきておりますが、インターネット等で提供されている外国語の観光案内には、毎年変わる行事の日時や場所等、詳細でタイムリーな情報が殆どありません。そして、日本人による外国語情報には、外国人にとって不自然な表現に聞こえる場合も少なくないようです。現在、外国人観光客が急増していますが、今後は団体客よりも個人旅行者が増えるとも言われています。前述のように、留学生等の県内外国人の皆さんの協力を得ながら、多言語によるタイムリーな情報発信を行なうことも重要と考えますが、今後の観光情報発信力の強化方針について伺います。
(2)観光案内所の魅力向上策
次に、観光案内所の魅力向上策について伺います。
観光振興条例に基づいてこの6月に報告された「ふじのくに観光躍進基本計画」の実施状況の中で「観光案内所機能の充実」が掲げられています。
観光案内所は、たまたま通りがかった人でも立ち寄りたくなる場所であるべきと考えますが、東京観光案内所は果たしてそうなっているでしょうか。実際、東京観光案内所がある東京交通会館地下1階には、富山県と和歌山県の観光案内所とサテライトショップがありますが、富山県の昨年度の年間利用者数は491,384人、和歌山県が136,519人です。対して、東京観光案内所は一日平均51人、年間1万8千人程しか利用者はありません。また、東京観光案内所の英語名はgreen-tea plazaとなっていますが、この名称では、お茶に関心がない外国人には敬遠される可能性があるのではないでしょうか。2020年を見据え、観光案内所の抜本的な機能強化も図るべきと考えますが、今後の観光案内所の魅力向上策について伺います。
4.県の魅力を高めるグローバル教育の強化について
(1)県立大学におけるグローバル教育カリキュラムの導入
次に、「県の魅力を高めるグローバル教育の強化について」のうち「県立大学におけるグローバル教育カリキュラムの導入」について伺います。
経営の悪化により閉校となったミネソタ州立大学秋田校の旧校舎等を活用して、秋田県は平成16年に国際教養大学を開校しました。それから10年程しか経っていないにも関わらず、そのユニークなグローバル教育カリキュラムは極めて高い評価を受けており、入試の難易度は東大京大レベルとも言われています。また、既に46の国や地域の174大学と交流提携していることが証明するように、海外からも高評価を得ています。
世界で通用する優秀な若者を県内で育成するために、県立大学においても同様のグローバル教育カリキュラムの導入を図るべきと考えます。
また、先週23日の静岡新聞夕刊で、ある金融機関の支店長が「静岡県の競争力向上には留学生の受け入れ増強が必要だが、本県の人口当たりの高等教育機関における外国人受け入れ数は全国で32位と芳しい水準にない」というコラムを書かれていました。私も同感ですが、県立大におけるグローバル教育カリキュラムの導入は、外国人留学生に英語と日本語の両方で学ぶ機会を提供することにもなり、県内留学生の増加にも貢献するはずです。県の今後の方針を伺います。
(2)県立高校における国際バカロレア認定に向けた取り組み
次に、「県立高校における国際バカロレア認定に向けた取り組み」について伺います。
国は「まち・ひと・しごと創生総合戦略」において、国際バカロレア認定校等を平成26年の33校から平成32年までに200校以上に増やすことを目指しています。県内では現在、東部の1私立校が認定されていますが、経済的事情に関わらず国際バカロレアカリキュラムに挑戦できる教育環境を県内に整えることは、教育環境や県の魅力の向上、そして経済活性化に不可欠と考えます。
先日、国内唯一の公立の国際バカロレア認定高校である都立国際高校を視察しましたが、都知事肝煎りのこの事業でも、準備から認定まで丸2年を要しています。特に、バカロレアのカリキュラムで教えることが出来る教員の養成・確保は時間を要するものであり、今から導入の検討を始めたとしても、実現までに3、4年は掛かるのではないでしょうか。
バカロレア導入については、昨年度の県議会特別委員会でも提言しています。今年の2月議会で、当時の安倍教育長はバカロレア導入について「現場本位のニーズであるかどうか」と答弁をされましたが、ニーズがなければ整備の必要がないというのは余りにも受身であり、そうした姿勢では、若者や若者を抱える家庭は更に県外に流出してしまうと考えます。木苗教育長の決意を伺います。
以上について、答弁を求めます。(※続く)
お読み下さり、ありがとうございます。
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代表質問とは、文字通り、会派を代表して行なう質問のことです。持ち時間は、一般質問が25分(※自分が発言できる時間。答弁時間は含まない)であるのに対して、代表質問の場合は45分もあり、答弁も含めれば90分から100分ほど掛かります。また、代表質問ができるのは議会ごとに各会派から一人だけですので、扱うテーマは必然的に幅広くなります。更に、代表質問ですので、扱う質問の内容については、他の同僚・先輩議員と話し合いながら決めますので、これまでの一般質問よりも何倍も多くの時間を使って、調査をしたり議論したり質問文を作成したりしました。
まずは代表質問の報告として、2回に分けて、質問文を掲載致します。長文ですがご覧頂ければ幸いです。
※質問項目一覧
平成27年9月定例会 代表質問 鈴木 智
ふじのくに県議団のすずきさとるです。
まず、質問に入ります前に、先日の台風18号の影響により、浜松市を中心に冠水、浸水等の被害に合われた方々、そして鬼怒川等の堤防決壊により被災された方々に対し、心からお見舞いを申し上げますと共に、一日も早い復旧をお祈り申し上げます。
それでは、ふじのくに県議団を代表し、県が直面している重要課題につきまして、分割質問方式にて質問致します。
1 静岡県版総合戦略及び長期人口ビジョンについて
(1)会派提言の総合戦略への反映
最初に、「静岡県版総合戦略及び長期人口ビジョンについて」のうち、「会派提言の総合戦略への反映」について伺います。
我が会派は、6月議会で示された総合戦略素案について、「総合計画後期アクションプラン」の焼き直しの印象が強く「合計特殊出生率2」「転入超過」を実現するための覚悟が十分に感じられないことから、抜本的な見直しを、去る7月13日に要請しました。具体的には、「合計特殊出生率を現在の1.5から倍の3.0にするくらいの政策を実施しないと2.07には到達しない。周産期前後の環境整備だけでなく、保育料や子どもが独立するまでの教育費、住宅など子育て世帯の経済的負担を軽減するための直接的な財政支援等を検討し、導入すること。」「「2020年に2.07」については現実的な年次目標とすること」「市町総合戦略の策定を支援し県の総合戦略との整合を図ること。」等を提言しました。この度改めて示された総合戦略案では、こうした我々の提言は、どのように反映され、どのように抜本的な
見直しが行なわれたのでしょうか。具体的な説明をお願い致します。
(2)長期人口ビジョンに基づくグランドデザイン
次に、「長期人口ビジョンに基づくグランドデザイン」について伺います。
総合戦略案と共に示された長期人口ビジョンは、本県が目指す将来の姿として、2060年に300万人程度の人口を確保し、2090年以降は290万人程度の安定した人口水準を維持することを掲げています。言い換えれば、仮に2020年に出生率が2.07まで上昇し社会的転出入が0となりその後維持されたとしても、つまり、最大限努力しても、県の人口は今後少なくとも80万人、3割近く減少することは避けられないというのが現在の県の認識だということです。
そこで、肝心なのは、例えば、290万人まで減った県民が安全、安心に暮らすには、どのような「かたち」の静岡県を築けばいいのか、つまりは、あるべき2090年の静岡県を実現するためのグランドデザインを考え、必要な政策を実行することです。
人口が3割近く減り、生産年齢人口も当面は減り続けるということは、大幅な税収減も覚悟しなければなりません。一方、高齢化の進行に伴い、社会保障費の大幅な増加が懸念されています。また、今後も南海トラフ巨大地震に備えたハード整備等を続ける必要がある一方、当面は、インフラの老朽化対策に必要なコストが増加します。
人口や税収が減る以上、行政サービスのコスト削減も避けられません。また、人口が全体で3割も減るということは、市街地、住宅地の集約をある程度は図っていかなければ、賑わいが失われ、存続が出来ない集落や地域が県内各地に出現することになります。
例えば、昨年7月に国土交通省が発表した「国土のグランドデザイン2050」における試算によれば、このまま推移した場合、静岡県においては、2050年までに居住地の12%が無人化し、33%の地域で2010年より50%以上、人口が減少することが予想されています。
こうした状況の中で安全、安心な暮らしが出来る静岡県を築いていくには、例えば、スマートシュリンクのような政策がどうしても必要になります。つまり、市街地等を賢く凝集(スマートシュリンク)させることにより、インフラ等の維持管理コストの軽減を図ると共に、地域の賑いを維持しようというものです。平成25年10月に策定された「静岡県都市計画区域マスタープラン方針」でも出てくる考え方です。
とはいえ、道路や市街地等を整備・拡大することが基本だった従来の都市計画からの大転換であり、各市町や地域住民の同意を得るのは容易ではないでしょう。だからこそ、どのように県全体をスマートシュリンクさせるか、今から検討を開始し、具体的なグランドデザインを描き、各市町や県民と議論し、合意形成を図っていくことが不可欠と考えます。静岡県版総合戦略及び長期人口ビジョンは今議会での議論を経て10月末迄に国に示すこととなっていますが、これで終わりではなく、今後の県民会議等で、県民にとってわかりやすい、長期人口ビジョンに基づくグランドデザインの策定を進めるべきと考えますが、今後の方針について伺います。
2.洪水災害対策について
次に、「洪水災害対策について」伺います。
この度の台風18号の影響に伴う豪雨により堤防が決壊した鬼怒川の洪水の模様は、正に、東日本大震災での津波災害を思い起こさせるものでした。こうした洪水災害を防ぐ対策として、河川の堤防の強化が急がれますが、現実問題として堤防強化は膨大な経費と時間を要するものです。また、津波と同様に、洪水も完全に防ぐことは不可能であり、ハード面だけでなくソフト面の対策も重要であることは、今回の洪水災害でも改めて認識させられました。
この11日に開催された県の有識者会議で「津波災害特別警戒区域(オレンジゾーン)」の指定基準案がまとまりました。今回の洪水を受け、洪水災害についても同様の「洪水警戒区域」を設定すべきという意見が専門家から出ています。県におきましては、今回の鬼怒川等での堤防決壊や洪水災害を教訓に、効果的かつ現実的で、人口減少・超高齢社会の到来を見据えた洪水災害対策を改めて確認し、国や市町と連携して進めることが急務だと考えますが、県の方針を伺います。
3.2020年を見据えた観光情報発信力の強化について
(1)観光情報発信力の強化
次に、「2020年を見据えた観光情報発信力の強化について」のうち、「観光情報発信力の強化」について伺います。
私達ふじのくに県議団の提案により、昨年10月に「静岡県観光振興条例」が成立しました。国内はもとより海外からより多くの観光客を引き付けることが出来る「観光立県」を目指すことは、わが県にとって、これからの人口減少・超高齢社会を乗り越えるために欠かせない戦略だと考えます。特に、2020年に日本で開催されるオリンピック、パラリンピックは、静岡県を世界に売り込む絶好のチャンスです。
内閣官房地域活性化伝道師である木下斉(きのしたひとし)氏は、地方の観光地が変わるには、地元関係者だけでなく、いわゆる「よそもの」の関与が欠かせないと主張しています。静岡県の魅力がより客観的にわかる「よそもの」、つまり、他県や他国出身の県内在住者の協力を得て、インターネット等で情報発信していくことは大変効果的であると考えます。
ある商品を買ったりお店に行ったりする際に、インターネット等の、所謂「口コミ」を参考にする方は大変多いと思いますが、そうした「口コミ」は第三者による、より客観的な評価だからこそ、信頼性があるわけです。同様に、「よそもの」による「口コミ」的な情報発信を、静岡県の観光についても行なうべきと考えます。
また、妻が外国人ということもあり、外国人の方を案内することが私は多いのですが、実は、本日も、4名のシンガポール人観光客を連れてきておりますが、インターネット等で提供されている外国語の観光案内には、毎年変わる行事の日時や場所等、詳細でタイムリーな情報が殆どありません。そして、日本人による外国語情報には、外国人にとって不自然な表現に聞こえる場合も少なくないようです。現在、外国人観光客が急増していますが、今後は団体客よりも個人旅行者が増えるとも言われています。前述のように、留学生等の県内外国人の皆さんの協力を得ながら、多言語によるタイムリーな情報発信を行なうことも重要と考えますが、今後の観光情報発信力の強化方針について伺います。
(2)観光案内所の魅力向上策
次に、観光案内所の魅力向上策について伺います。
観光振興条例に基づいてこの6月に報告された「ふじのくに観光躍進基本計画」の実施状況の中で「観光案内所機能の充実」が掲げられています。
観光案内所は、たまたま通りがかった人でも立ち寄りたくなる場所であるべきと考えますが、東京観光案内所は果たしてそうなっているでしょうか。実際、東京観光案内所がある東京交通会館地下1階には、富山県と和歌山県の観光案内所とサテライトショップがありますが、富山県の昨年度の年間利用者数は491,384人、和歌山県が136,519人です。対して、東京観光案内所は一日平均51人、年間1万8千人程しか利用者はありません。また、東京観光案内所の英語名はgreen-tea plazaとなっていますが、この名称では、お茶に関心がない外国人には敬遠される可能性があるのではないでしょうか。2020年を見据え、観光案内所の抜本的な機能強化も図るべきと考えますが、今後の観光案内所の魅力向上策について伺います。
4.県の魅力を高めるグローバル教育の強化について
(1)県立大学におけるグローバル教育カリキュラムの導入
次に、「県の魅力を高めるグローバル教育の強化について」のうち「県立大学におけるグローバル教育カリキュラムの導入」について伺います。
経営の悪化により閉校となったミネソタ州立大学秋田校の旧校舎等を活用して、秋田県は平成16年に国際教養大学を開校しました。それから10年程しか経っていないにも関わらず、そのユニークなグローバル教育カリキュラムは極めて高い評価を受けており、入試の難易度は東大京大レベルとも言われています。また、既に46の国や地域の174大学と交流提携していることが証明するように、海外からも高評価を得ています。
世界で通用する優秀な若者を県内で育成するために、県立大学においても同様のグローバル教育カリキュラムの導入を図るべきと考えます。
また、先週23日の静岡新聞夕刊で、ある金融機関の支店長が「静岡県の競争力向上には留学生の受け入れ増強が必要だが、本県の人口当たりの高等教育機関における外国人受け入れ数は全国で32位と芳しい水準にない」というコラムを書かれていました。私も同感ですが、県立大におけるグローバル教育カリキュラムの導入は、外国人留学生に英語と日本語の両方で学ぶ機会を提供することにもなり、県内留学生の増加にも貢献するはずです。県の今後の方針を伺います。
(2)県立高校における国際バカロレア認定に向けた取り組み
次に、「県立高校における国際バカロレア認定に向けた取り組み」について伺います。
国は「まち・ひと・しごと創生総合戦略」において、国際バカロレア認定校等を平成26年の33校から平成32年までに200校以上に増やすことを目指しています。県内では現在、東部の1私立校が認定されていますが、経済的事情に関わらず国際バカロレアカリキュラムに挑戦できる教育環境を県内に整えることは、教育環境や県の魅力の向上、そして経済活性化に不可欠と考えます。
先日、国内唯一の公立の国際バカロレア認定高校である都立国際高校を視察しましたが、都知事肝煎りのこの事業でも、準備から認定まで丸2年を要しています。特に、バカロレアのカリキュラムで教えることが出来る教員の養成・確保は時間を要するものであり、今から導入の検討を始めたとしても、実現までに3、4年は掛かるのではないでしょうか。
バカロレア導入については、昨年度の県議会特別委員会でも提言しています。今年の2月議会で、当時の安倍教育長はバカロレア導入について「現場本位のニーズであるかどうか」と答弁をされましたが、ニーズがなければ整備の必要がないというのは余りにも受身であり、そうした姿勢では、若者や若者を抱える家庭は更に県外に流出してしまうと考えます。木苗教育長の決意を伺います。
以上について、答弁を求めます。(※続く)
お読み下さり、ありがとうございます。