大学の時のこと。
私はコンビニでバイトをしていた。
すっごい楽しくて、店長たちや仲間にも恵まれていたと思う。
コンビニでは、数々のドラマが起こる。
ある日、レジに次は30代のお母さんと保育園くらいの子供が並んだ。
次の瞬間、横からおばあちゃんが割り込んだのである。
しかし、このおばあちゃん、悪気があったのではない様子だった。
「おばあちゃん、横のレジ開けるからこっちに…」と言いかけたその時。
「ちょっと!子供が並んでるんですよ!何なんですか、もう!」
おばさん(と呼ばせていただこう)がすごい大声で怒鳴った。
うちらもびびったが、もっとびびったのはおばあちゃんだ。
「あぁ、ごめんなさいね。すみませんでした…」
消え入りそうな声で、何度も頭を下げる。
「まったくもう…」おばはんはまだにらみつけている。
おばあちゃんは泣きそうだった。
「そんなに怒らなくてもいいんじゃないですか?」
という私をにらみながら、おばはんは子供の手を引っぱって出て行った。
現実にこういう人がいるのに、時々驚く。
確かに、割り込みはいけない。
わざと横入りする陰険なお年寄りもいる。
だけどね、ちっさな子供がいる前で、お年寄りをあんな一方的に怒鳴っちゃいかんでしょう。
子供が「横入りだ!」って言っても、「お年寄りは優先してあげようね」と建前でもにっこりできる大きさが欲しい。
どうでしょう?
ちなみに、タバコ吸いながら入ってくるおっさんも多かった。
その度に怒っていたので、いつか刺されるよ…とみんなに言われていた。
無事で良かった、と心から思う。
もうひとつ、忘れられない話。
近くの老人ホームのおばあちゃんが、まっすぐにレジに来て言った。
「あんぱんください」
どうやら、コンビニのシステムをまだ理解していないらしい。
しょうがないので、一緒に選んだ。
こういうことが楽しくて、結局大学卒業直前までやめられなかった。
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