テアトル十瑠

1920年代のサイレント映画から21世紀の最新映像まで、僕の映画備忘録。そして日々の雑感も。

森のリトル・ギャング

2007-03-24 | アニメーション
(2006/監督:ティム・ジョンソン&キャリー・カークパトリック/声の出演(日本語吹替版):役所広司、武田鉄矢、石原良純、友近、BoA、カンニング竹山、夏木マリ/84分)


 気儘な一人暮らしのアライグマ、名前はRJ。食べ物を盗もうと冬眠中の熊の巣に忍び込むも、すんでのところで見つかり、しかも、はずみでその食料を崖の下に落としてしまう。予定より早く起こされた熊は、『今夜は見逃してやるが1週間で散らばった食料をかき集めて持ってこい。さもなければ探し出して殺す』と言う。

 さて、近所の森では亀をリーダーに小動物が家族のように暮らしていた。オポッサムにハリネズミ、リス、そしてスカンク。彼らも冬眠から目覚めたところだが、彼らが眠っている間に森は半分以上が人間に開発されて住宅地に変わっており、境界には大きな生け垣が建っていた。【原題:OVER THE HEDGE
 住宅地のすぐそばで暮らす彼らを見つけたRJは一計を案じる。食料が底をついた彼らをそそのかし、人間からポテトチップスやケーキ、コーラなどを盗ませようというのだ。勿論、それらは1週間後に熊に渡すための食べ物。物事に慎重な亀のヴァーンはRJを信用しないが、RJはポテトチップスを皆に配って人間の食べ物が如何に美味しいかを披露する。
 こうして、彼らを丸め込んだRJはあの手この手を使って食べ物を人間から盗む。しかし、人間の方も黙ってはいない。泥棒を捕まえようと様々な仕掛けを施す。ついには恐ろしい害獣駆除業者まで登場し、ヴァーンは盗んだモノを人間に返そうとするのだが・・・。

*

 ビジュアル的に嫌悪感が先に立った「シャーク・テイル(2004)」。キリンやシマウマが唄い踊るシーンで白けてしまった「マダガスカル(2005)」。ドリーム・ワークスのアニメはピクサーに2歩も3歩も遅れていると思っておりましたが、久々に「シュレック」以来の面白さ。動物好きの私はアレ以上に楽しめました。或る映画サイトの<リアルすぎて気持ち悪い。>という意見には、“信じられな~い”。小動物達のコミカルで感情豊かな表情、動きが可笑しくて、可愛くて素敵です!
 沢山のジャンク・フードを食べ、RJに『食べるために生きている』と言わしめた人間に対する皮肉な視点もありますが、スリルあり、友情あり、そして素敵な音楽(ルパート・グレグソン=ウィリアムズ、歌:ベン・フォールズ)もありの家族で楽しめる映画でした。

 吹き替えですぐに分かったのは、ヴァーンの武田鉄矢と住宅管理組合のヒステリックな女性会長グラディスの夏木マリ。
 RJ役の役所広司は風来坊の軽い感じが出せていたし、あわてんぼうのリスのハミーは、石原良純が高い声を使って落ち着かないキャラにピッタリ填ってました。友近はスカンクのステラ、BoAはオポッサムの女の子ヘザー、カンニング竹山は駆除業者の男。

 ついでに、英語版の声はブルース・ウィリス=RJ、スティーヴ・カレル=ハミー、ギャリー・シャンドリング=ヴァーン、ワンダ・サイクス=ステラ、アヴリル・ラヴィーン=ヘザー、ウィリアム・シャトナー=オジー(ヘザーの父親)、ユージン・レヴィ=ルー(ハリネズミの父親)、キャサリン・オハラ=ペニー(ハリネズミの母親)、ニック・ノルティ=ヴィンセント(熊)、トーマス・ヘイデン・チャーチ=ドウェイン(駆除業者)、アリソン・ジャネイ=グラディス、とのことでした。





・お薦め度【★★★=一度は見ましょう】 テアトル十瑠

コメント (2)    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« カイロの紫のバラ | トップ | チョコレート »
最新の画像もっと見る

2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
声優さん (十瑠)
2007-09-04 08:16:19
「Mr.インクレ」、「シュレック」面白かったですよねぇ。

日本のアニメ、今ならジブリ作品の声優でない人のアテレコの賛否はよくみます。納得するところも多いけど、外国製の吹き替えは概ね上手く配役しているなぁと思いますね。

あっ!説教クサイのは金八先生が出てるからかも・・(笑)
返信する
TB&コメント有難うございました。 (オカピー)
2007-09-04 01:22:05
一応堅苦しい挨拶が入りまして。

説教臭いアメリカン・アニメにはどうも評価が厳しくなります。すんません。
「Mr.インクレディブル」が家族愛をテーマにしながらも説教臭くならないのは、言葉より先に行動があったからでしょう。あれは面白かった。
「シュレック」の第一作も価値観の逆転が面白かったのに、第2作はただのパロディーに堕ちてしまった。3作目も似たようなものでござろう。

アニメの場合はどちらでも良いのですが、どうしてもオリジナル言語で観てしまいます。アニメ映画は声優でない方の参加が多いので、レビューサイトを見ますと、そちらの批判が多くて興醒めします。純然たる批評ではなく、悪意が目立ちますから。

動物たちに愛嬌があって、絵が精緻なのが良いですね。そこはやはり世界に冠たるアメリカ・CGアニメ界であります。
返信する

コメントを投稿

アニメーション」カテゴリの最新記事