「何でもあり得るって、こういうこと」
なんだか謎の映画。
ロサンゼルスを舞台に、それぞれが見知らぬ人同士ながらも、実はそれぞれが色々な因果で繋がっているという設定。
で、そういった人たちが互いに影響されつつ、物語が進んでいくというもの。
こんな要約じゃ要約にもなっていないが、簡単に言ってしまえば『パルプ・フィクション』みたいなカンジ(簡単にしすぎだろ)。
見終わった感想なのだけれど、とりあえず話の筋は理解できた。
でも、あんまり面白いとは言えなかった。
ハッキリ言ってしまうと、冒頭の「偶然」の出来事のエピソードが一番面白かった。
ここの偶然のエピソードが、爆笑ものでありながらも残酷なエピソードだったので、それこそ『パルプ・フィクション』のようなものを期待していたのだが…
トム・クルーズのキレ者ぶりはイカしていて、イカれていたので楽しかった。
でも、結局はハリウッド映画にありがちな、悔い改めて普通の人になってしまったのが残念。
この映画のクライマックス、カエルの雨などという絶対にあり得ないながらも、「あり得る」と断言してしまうほどのインパクトのあるシーン。
こんなシーンがあるにもかかわらず、登場人物たちが極めて真っ当な判断を下して、正常な人になってしまうのは、なんだかさっぱりとした後味の悪さが残った。
冒頭シーンが面白かっただけに、尻すぼみというか肩すかしっていうカンジ。
だけど、この作品、けっこうそれなりに評価は高いらしい。
そういうのを見たり聞いたりしてしまうと、「自分の感受性、映画を観る目は腐ってるのではないか?」と不安になってくる。
『マグノリア』(ビデオ)
監督:ポール・トーマス・アンダーソン
出演:トム・クルーズ、メリンダ・ディロン、フィリップ・ベイカー・ホール、フィリップ・シーモア・ホフマン、他
評価:4点
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