「チャップリンって面白い」
言わずと知れたチャップリンの名作。
とはいえ、実は私はチャップリンの作品を観るのは、これが初めてだったりする。
チャップリンっていうとコメディっていうのが通説というか、もう常識である。
この作品でも、チャップリン演じる主人公はドジな失敗をやらかして、笑いを誘う。
これらのギャグを観て驚いたのは、今のコントなんかでは「お約束」と言われるギャグのほとんどが、このチャップリンの影響を受けているということ。
今から70年も前の映画に、すでに現在のコントのお約束が形作られていたとは…知らなかった故の、新鮮な驚きだった。
チャップリンのギャグは面白い。でも、この作品は、ただ単にバカなシーンを見せるだけのコメディではなかった。
資本主義経済や労働の機械化(労働者の間化)に対して、チャップリンは間抜けなドジを繰り返すことによって、それらを痛烈に皮肉っている。
また、弱者が強者に抵抗したり、貧しいながらも努力を惜しまないなど、間化に対するアンチテーゼもきちんと描かれていた。
このような、当時としては時代を先取りした風刺があるからこそ、チャップリンの映画は人気を博し、チャップリンも映画スターになりえたのだろう。
まだまだ私の知らないことばかりで、映画は本当に奥が深いのだな、と考えさせられた作品である。
『モダン・タイムス』(ビデオ)
監督:チャールズ・チャップリン
出演:チャールズ・チャップリン、ポーレット・ゴダード、チェスター・コンクリン、ヘンリー・バーグマン、他
評価:6点
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