「爆走トマローラってのは、どうですか?」
ヤクザのボスの金を無くしてしまった彼氏のために、ローラが金を工面するためにベルリンの街を駆け抜ける……冗談抜きで、ストーリーはこれしかない。
この映画は面白い。
ノリの良いBGMとスピード感あふれる展開。
まさに「走ってる」「急いでる」っていうのが伝わってきて、81分の上映時間もちょうど良い。
見ていて心地よい映画。
話の中身だが、マルチエンディングというおよそ映画的ではない(邪道?)もの。
ローラが疾走していく途上で、いろいろな出来事が起こり、そこでのローラの対応の仕方によって、ストーリーが徐々に変化。
そして、エンディングも全く変わってしまう。
これを3回繰り返し(つまりエンディングが3つある)、最後にはハッピーエンドで終わる。
この映画を見ていて、私はゲームの『街』を思い出した。
このゲームも主人公の選択によって、他の人の行動に影響を及ぼし、その人の行動が、また別の人の行動に影響を……っていう展開になっている。
この映画もまさにそうで、ローラ以外の人々の運命も様々に変わっていく。そして、最終的にはローラの運命をも変えていく。
映画を観ながら、ローラの行動によって状況がどのように変わっていくのか? というのを推理しながら、パズルのようにストーリーを解きながら楽しむことも出来る。
そういえば『街』も、物語の発端が「オタク刑事走る」という、「渋谷」の街中を走るものだった、なんてことも思い出した。
『ラン・ローラ・ラン』(ビデオ)
監督:トム・ティクヴァ
出演:フランカ・ポテンテ、モーリッツ・ブライプトロイ、他
評価:7点
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます