「日本なら探偵の出番なんだが…」
「封印された都市伝説」ってタイトルにすごく惹かれた。
原題も、『URBAN LEGENDS: BLOODY MARY』で都市伝説が前面に押し出されているし。
都市伝説が大好きなので、これは面白いだろ~と思って、かなり期待して観ました。
都市伝説的な事件が次々と起こるので、それ自体は確かに面白かったんだけど……。
「だからなに?」ってカンジのパンチのない作品だった。
タタリなのかノロイなのか、かつての殺人事件に荷担した人の子どもたちが都市伝説そのものの惨い死に方をする――このイントロダクションだけなら、すごい面白かった。
都市伝説を意のままに操る殺人鬼なんて、あんまり見たことがなかったから。このアイデアそのものはすごく良かったと思う。
でも、これしかない。
都市伝説が人を引きつける理由の一つは、原因不明という理屈で説明できないところにあると思う。
でも、それをこの映画では「ブラッディ・メアリーによる呪い」って、あっさりと定義しちゃってるんだよな。登場人物たちもわりとあっさりと、それを事実として認めちゃってるし。
もう、これで都市伝説がすごく軽くなっちゃう。
ブラッディ・メアリー本人も貞子チックな佇まいで、あっさりと面割れしちゃってるし……神秘性とか、見えない恐怖とかが皆無。
ブラッディ・メアリーっていうクリーチャーが、怪奇エネルギーで事件を起こしてるだけ。っていうか、最後は開き直って自分で人を襲っちゃうし。
正体が分かってる恐怖ほど、陳腐でつまらないモノはないということを証明してくれる怪作。
一応、話の筋としては都市伝説に模して起きる殺人事件を、高校生の双子が解決するってもんなんだけど……ミステリ仕立てになってるのにどんでん返しさえない。
(誰が殺人犯なのかはすぐにわかるし、オチもすぐにわかって予想どおりに落着する)
おかげでホラーとしての怖さもないし、ミステリとしての興味も関心もない。
ただ単に、おっかなビックリ系のエピソードを繋いだだけ。
導入部とアイデアがすごくオレ好みで面白かっただけに、余計に裏切られた感が強かった。
でも、このアイデアは日本で換骨奪胎して作った方が、もっと面白い映画になるかもね、と思ったりした。
『ルール 封印された都市伝説』(CATV)
監督:メアリー・ランバート
出演:ケイト・マーラ、ロバート・ヴィート、他
点数:4点(アイデアが悪かったら3点)
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